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シルフの書  作者: 松田 飛呂
第一章
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ノークスの強さ

ノークスは機械兵の前に立ち自らの件に雷を纏わせる。


機械相手なら電気が効果があると思い雷を纏わせるが、相手はそれを見ると自らの体の周りに岩の鎧を作り出す。


「こいつの魔石は金と土? 2種類の魔石を搭載しているのか」


普通の機械兵はもっと人間らしい見た目をしていて魔石も1種類のみがほとんどだった。


「ならば、変えるだけだ」


ノークスの剣に水を纏わせる。


ただ水を纏っただけでは何も怖くないが、これは超高速で振動しているので切れ味は抜群だ。


ノークスは機械兵に斬りかかると岩の装甲が壊れる。


すると中から水の鎧が現れる。


「もしかして全属性搭載しているのか!?」


とりあえず岩の装甲を全部斬り落とすと、水の装甲が現れ、氷を纏わせた剣で斬れば炎の装甲が現れる。


「こちらの魔力が先に切れる……」


ノークスは剣に雷と炎の両属性を付与する。


「さっさと終わらせる」


しかし機械兵は自らの能力を使い剣を作り上げる。


ノークスは斬りかかるが剣で受け止められる。


更にノークスの魔法が無効かされているのがわかる。


「魔法付与か……それならこれでどうだ」


魔法なしの真っ向勝負。


これなら負けることはないはずだった。


しかしまさか剣を受け流し斬られるとは思わなかった。


すぐに引きさがり致命傷は避けることは出来たがこんなに盗賊が強いとは少し油断していた。


ハリスを見るとシルフが加勢に入り盗賊たちは壊滅状態だった。


後はこの機械兵だけだった。


「リミット解除」


ノークスの左の青い眼が紅く輝きだす。


相手の急所が鮮明に見える。


しかし急所が右肩、左肩、右胸、左胸、そして腹の真ん中に見える。


ノークスは右肩を狙い雷と炎の魔法を爆発させ自分全身を槍と化し通り抜ける。


右肩が落ちるとそこには動いている心臓が落ちてきた。


「まさか……」


残りの4つもすべて心臓だとしたら、これは国際問題になる。


プロトタイプは様々なものがあるがこれは一番最悪だろう。


「かわいそうに」


ノークスは剣を右手に持ち左手には氷でできた剣を作り出す。


「一瞬で終わらせてやるからな」


剣で腹を刺し、氷の剣は胸を刺す。


剣を抜き、氷の剣に魔力を込めると機械兵の全身から氷の刃が突き出す。


「これで終わりだ」


まるで機械兵から氷の華が咲いたかのようになると機械兵の動きは完全に停止された。


「こっちも終わりましたぜ」


ハリスは捕まえた盗賊たちを縛り上げていた。


「朝になったら罠の破壊、砦の破壊を行い終わり次第、盗賊を移送する」


ノークスの指示で皆は動き始める。


「シルフ、よくやってくれた。 伝説級の働きだよ」


「やめてくれよ、恥ずかしいじゃないか」


シルフは照れくさそうに答えると、皆から離れたところで剣を振っていた。


「あいつ、強いですね」


ハリスはタバコに火を着けながらノークスの横に来た。


「そうだな。 それで、使えそうか?」


「えぇ、問題ないでしょう。 それよりも次の作戦ですが彼も同行させた方が良いのでは? 今日の働きで皆も納得するでしょう」


「ヒルキン大佐が許可を出せば帝国も文句は言わないだろう。 今回は私、ハリス、シルフの3人で防衛戦に参加しよう」


「詳細は帰ってからですか?」


「あぁ、ヒルキン大佐があまり言いたがらないんだ」


「まぁ、場所が場所だからねぇ……」


戦場はネザイアス大陸全体で行われる。


大陸の西側を制圧した共和国が大陸全体を狙っているのは前々からわかっていた。


しかもその大将がべリオサス家の次男のシン=べリオサスなので戦いにくいのが事実である。


「大佐連中は孫の様にかわいがってきたんだ。 そう簡単に割り切れないだろ?」


「まぁ、そうですがね……」


しかも今回白狼隊がはけんされる先はヒルキンの両親が住んでいる町のすぐ近くだった。


「同行するとか言い出しませんよね?」


「わからんが、白狼隊はドラーとエンも守らなくてはいけない。 だから、今回はさすがに来ないとは思うのだが……」


「それだといいですけどね……俺はそろそろ見張りの交代をします。 副隊長は休んでくださいね」


「すまない」


ノークスは横になるとすぐに眠ってしまった。


翌朝ノークスが目を覚ますとすでに罠の撤去が始まっていた。


「シルフの奴、あとでぶっとばしてやる」


どうもシルフは岩の雪崩を起こしてしまったらしい。


「シルフを呼んでくれ」


「説教ですか?」


「早くしろ」


ハリスに連れられてシルフは渋々来た。


「なんだ、悪いのは俺じゃねぇからな」


「そんな事で呼んだわけではない」


「じゃあ、なんだ?」


「ここが終わったら次の戦場がすぐあるんだが行くか?」


「もちろん」


「ただ私とハリス以外は正規兵だが……」


「何か問題でも?」


「普通は正規兵の方が立場が上だ。 私はアレフドール家だし、ハリスは成績を残している。 しかしシルフは何もないから馬鹿にされるかもしれない」


「あぁ、そんなことか。 気にするな、勝てばいいんだからよ」


シルフは戦場に立つことの方が嬉しそうだった。


「今回の戦いはどうだった?」


「正直、ここまで強いとは思わなかった。 でももう大丈夫だ、ドワーフなら負けない」


「いや、あれはただのならず者だ、正規の軍人のドワーフはもっと強いから。 覚えておくように」


「はいよ。 でもよ、親父に聞いた話よりかは弱かったな」


「どんな話を聞いたんだ?」


「ドワーフは大斧やビッグハンマーに魔法を付与して戦ったり、身体強化を使うって聞いてたんだ」


「それは上位の者だけだと思うが……」


ノークスですらそんなドワーフには会ったことない。


「そうか、ドワーフの王様とかだな!! 戦えるかな?」


「それは無理かと……それで、なぜ岩を崩したんだ?」


「やっぱ聞く? ちょっと足を滑らせて」


「副隊長、岩の中から爆発物が見つかりました。 シルフが崩してくれなければ見つけられずけが人が出ていたかと」


「わかった。 気を付けて作業するように」


ノークスがチラリとシルフを見ると嬉しそうな顔をしていた。



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