超能力無双祭
銃弾、恐ろしいな...金属を軽々とへし折るなんて。いやまぁ確かに超能力で通常より回転力加えたけども。
これは魔法使いに持たせたらいけない武器、ナンバーワンな気がする...それより...。
「なぁ、リリー あの人本当に剣の達人なのか?」
「うん!!! あの人はこの国で一番剣の扱いに慣れてる人だよ!!!」
「油断と隙だらけの象徴だろ...」
「それはリュウトが強すぎただけだよ!! それよりさっきの剣をへし折ったのって...」
「あぁ、この前見せたこれだよ」
ベルトの銃弾を一発。リリーに渡す。
「本当に...盾を貫く威力が...ひっ!!」
「あはは...中の火薬に火を付けなければ大丈夫だよ」
「火を付けなければ...ってあのとき魔法で点火したの?!!」
「そうだよ...?」
「凄すぎて言葉が出ないや...それより次の対戦相手は!!......」
そう言いながら対戦相手の名前と特徴が書いてある紙をとってリリーは顔を青くした。
「どうした、リリー?」
「この人そんな強いのか?」
「強いは強いけどやり方が...残虐なの...」
「成程な 斧を使う魔法も使えるのか名前は...シーザスさんか...ふむ」
ハサミみたいな名前なのに斧なんだと考えていると。
「...戦!!! 始め!!!...」
司会役の人の声が聞こえてきた。今は準備室的な所にいるのであんま声は聴こえてこない。
「...戦!!!! 勝利!!!!!!」
誰が勝ったんだよ...聞こえねぇ......。
「リュウト様、そろそろお時間です」
「あ、ご報告ありがとうございます」
シーザスさんと戦う時間が来た 緊張するな!!!。
と思い行こうとしたら、リリーが上着を掴んできた まるで行くなと言ってるように。
「大丈夫だよ、リリー...僕が勝ってくるからリリーは応援してくれ!!...な?」
勝ってくると言われて安心したのか満面の笑みで
「うん!!! 頑張ってね!!! リュウト!!!」
と言いながら手を振ってくれた 同い年には見えないぐらい可愛いな...。
はっ!!! いけないけない。僕はステージに上がった。
「第5回戦!!! 謎の針で武器を破壊する超人魔法使い!!!! リュウト選手ぅ!!!! 対してもう一方は!!!...苦痛の声を楽しみ最後まで戦わせる最恐!!!! シーザス選手ぅ!!!! それでは始まります!!!」
緊張のせいで汗が出てきた...が負けはしないリリーが待ってるから。
「スタアァァト!!!」
合図とともに僕は斧に向かって7.62mm NATO弾を二発撃った。これで壊れたと思い間合いを詰め攻撃しようとした瞬間...
シーザスさんは無傷の斧で僕を切った 傷はないけど吹き飛んだ。
おかしい、確かに当たった。けど壊れてない...なんでだ?。
考えているとまた斧で攻撃され僕は吹き飛んだ。このままじゃ防戦一方だ。テレポートしシーザスさんの後ろからショットシェルで斧を破壊!!!。
しようとした...けど傷すらつかない。
どうしてだ!!! そのまま僕は吹き飛ばされた。
どうしたらあの斧を壊すことが出来る。と思いつつ僕はベルトの弾を取ろうとした、その時一発だけ他とは違う弾があった。
そう、対物ライフルの弾丸だ。
これなら壊すことが出来るかもしれない と思い僕はパイロキネシスで火薬を点火しサイコキネシス《念動力》で思いっきり回転力を加え放った。斧に着弾した装甲車をも貫く弾丸はあっけなく傷一つつけないまま着弾した。
その時、誰よりも大きな声で誰かが叫んだ。
「リュウト!! 防御魔法が貼られてるよ!!! 壊すには防御魔法を壊さないと無理だよ!!!」
そうか、防御魔法を貼られちゃ弾丸が通るわけないか。成程、リリーよ ナイスアドバイスだ。魔力を感じない僕じゃ気付かないわけだ よし!! 反撃開始だ!!!!
「ふん!!! それが分かったところでお前は負け確定なんだよ!!!!」
シーザスさんは僕に思いっきり斧を振りかぶってきた...がテレポート《転移》で避ける。
「いいえ、僕の勝ちです。あなたの敗因は超能力を対策しなかったことですね」
「一撃避けただけで調子に乗るなぁ!!!! おめぇの負けだぁ!!!」
突進しながら斧を振りかぶるシーザスに僕は手を向けた。斧は溶岩のようにどろどろに溶けた。
軽くなった斧を力任せに振ったシーザスさんは僕の前ですっこけた。
すぐに立ち上がり僕から離れながらこう言った。
「なんだぁ、今のは!!! 魔力すら感じなかったぞ!!! それに詠唱無しだと?! あり得ない!!!」
「詠唱は必要ありません、それに僕は魔法を使っていません」
「嘘をつけ!!! 今、斧が防御魔法を破られてもないのに溶けたじゃねぇか!!!」
「まぁ、僕は魔法使いではありません。超能力使いです」
「くそ、訳がわからねぇ!!! そうだ!!!!! あのガキが俺の細工をバラさなきゃ勝てたんだ、死にやがれ!!!!」
そう言って、シーザスはリリーの座っている観客席に氷柱の魔法を放った。
「きゃあぁぁ!!!」
リリーはあまりの恐怖に目を閉じて氷魔法が当たるのを待った。
がいつまで経っても来ない。不思議に思いゆっくりと目を開けると目の前で氷の魔法が止まっている。
誰かがシーザスの魔法を操ったのだろう、リリーは知っているそれが出来る人間を。
「リュウト!!!!」
流斗は手を氷魔法に向けていた。満面の笑みで流斗は言った。
「大丈夫か?」
「うん!!!!」
氷の魔法は溶け蒸発した。
「何なんだよ、お前は!!! あり得ねぇぞ!!! 人の魔法を操るなんて聞いたことがねぇ!!! それに魔力すら感じなかったぞ、一体どんな練習をしたらそこまで凄い魔法使いになれるんだよ!!!」
流斗は答えた満面の笑みで。否、笑っていなかった。
「だから...言ってるじゃ無いですか、僕は魔法使いじゃ無いと...」
シーザスさんは驚きながら、氷の魔法を数発放った、が...僕の前で溶けて蒸発した。
パイロキネシス《炎操作》で溶かし蒸発させたんだ。
「僕は、超能力使いです」
「シーザスさん、この大会のルールは何でもありでしたよね...」
流斗はシーザスに手を向けた、するとシーザスはもがき苦しみだした まるで呼吸が出来ない人のように。
「あ...かはっ...ぐっ...息が...」
流斗のサイコキネシス《念動力》だ。見えない手で首を絞めていると言えば分かるだろうか。
シーザスは流斗に向けて氷の魔法を撃ち抵抗するが全て当たる前に溶けて蒸発する。
「...な、な、なんと言うことでしょうか!!!! リュウト選手に向けられた魔法は全て消滅しシーザス選手はもがいています!!!」
「ぐはっ!!」
シーザスは血を吐き倒れた。生きてはいるただ気絶しただけで。
「気を失っているだけです」
死んだと勘違いされないように僕が言う。
「シーザス選手、戦闘不能により!!!! リュウト選手の勝利!! 超人的な魔法で圧倒しました!!!」
僕は何も言わずにステージを降りて準備室に戻った。新しい銃弾を作ってみた...と言うより元の銃弾を加工しただけ。
「リュウト...?」
怯えながらドアを開けて入ってきた。
「どうしたんだ? リリー...」
満面の笑みで僕は言った。
「怪我は無いか?...」
「うん、リュウト、さっきの...何...?」
「あぁ、シーザスにした奴か...あれは僕の超能力の1つだよ」
「へ、へぇ...」
まだ怯えている。あの魔法が余程怖かったのだろう
よし勇気を出してみるか!!。
「え...?」
僕はリリーをギュッと抱き締めた。
「そんなに怖がらなくてもリリーには怪我はさせない、そんなに怖がらなくても僕が守ってあげる」
そう言うとリリーが抱き返してきた。怖かったんだろう、ここからは自分だけじゃなくて周りの人たちも守らないとな。
「リュウト様、決勝戦でございます。そろそろステージの方に...」
「はい、ご報告ありがとうございます」
やっぱ、この頃の流斗くんはウブというか可愛いなと思いました。