超能力無双祭
数日経ったある日のこと。
『リュウト様へ リュウト様の実力は噂に聞いております その実力が本当か見てみたいので剣魔祭に出て頂きたい by国王』
は?...何これ。
「いやいや何だよこれ!!! 剣魔祭? by国王? 実力が見たい? 無理無理、絶対強い人がいる祭りじゃん」
「何騒いでんの、リュウト」
「あっ...」
剣魔祭への招待状を奪われた僕とそれを見て驚いた顔をするリリー。
「な...剣魔祭、リュウト!!! 行くしかないね!!!」
「行かねぇよ!! 何だよ剣魔祭って!!」
「知らないの?...何でもありの一対一で戦う大会だよ 優勝したら凄い賞金貰えるよ?」
「...行かない」
「出場するなら応援しにいくよ?」
リリーがキラキラした目で僕を見ている。これは行けと言っているのだろう。
「はぁ...わかったわかった」
大会で戦ってる僕を見て楽しくなってるリリーを想像したら......行くかぁ...。
「で、その大会に武器の持ち込みはありなんだよね」
「うん、ありだけど要らないと思うよ リュウトなら」
いや、いるから!! 作ると言ってもなぁ...。
「ねぇ、リュウト作るなら魔力を感じない魔法を上手く使える武器にしたら?」
成程!! まぁ試しにそういうもん作ってみるか、その前に。
「なぁ、リリー剣魔祭に出る人たちの防御魔法ってどれぐらい凄い?」
「この前の上位魔法はまず耐えられないと思うけど凄いよ」
分かりずらい...まぁいいや。
「ありがとう教えてくれて」
「うん!!!」
それから僕はとにかく"あれ"を作った そして収納するベルトも作った 我ながら良いと思う。
「リュウト、その大きい針みたいなの何? まさか武器?」
「そうだよ これが僕の武器...かな」
「そんなんじゃ倒せないよ」
「何言ってんの、これは鉄で出来た盾も貫く威力があるんだよ」
僕はこの中で一番大きい"あれ"をリリーに見せた。
「またまたぁ冗談も程々にしなよ~」
全く信じてくれないようだ。そりゃそうか。
「まぁ、剣魔祭の時に見せるよ」
明日か...良く良く考えたら急だな、国王様って案外適当な人...。
「さて今日はもう寝ようかな」
これ一個作るのにめっちゃ集中した、理由は作ったことなんて無いから。
おかげで2日も掛かった。疲れた僕は就寝した。
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『剣魔祭』
ねぇめっちゃイカツイ人たちで一杯なんだけど。これ本当に勝てるの...。
ゴツい人が一人睨んできてる、こえぇ...。
「リュウト、緊張してるの?」
出場選手の受付までリリーがついてきてくれた。
「だ、大丈夫だよきっと!! あはは...」
もう無理、帰りたい、超能力って言ってもこの人たちより優れてるか分かんないじゃん!!!。
「大丈夫だよ リュウト、頑張って!!」
満面の笑みでリリーがそう言った、はっきり言ってめっちゃ可愛い リリーのためにも頑張るか!!!。
受付も終えていよいよ本番。
「今年も始まりましたあぁ!!! 剣魔祭!!!!」
司会役の人がそう言うと観客席が一斉に騒がしくなった。
「さて、今年の剣魔祭優勝者は一体誰なのか!!! 最後まで見届けましょう!!!」
すげぇ緊張する...けどリリーがあそこまで手伝ってくれたんだやるしかない。
「それでは始まります!! 第69回剣魔祭!! スタァーーート!!!!」
さっきより騒がしくなる観客席、うるせぇ....。
「第一戦は....上位魔法を片腕で消す超人魔法使い!!! リュウト選手ぅ!!! 対してもう一方は...剣の達人魔法なんて甘え!!! 剣王 ルーク選手ぅ!!!!」
「一戦目から凄い選手が来ましたね、リュウト選手もですがルーク選手は剣の達人であり剣王ですからね!! 魔法を剣で切ることができるとか...さぁて第一戦始まります!!!」
ステージに立った僕と金髪の鎧を着た男性。お互い構えてスタートの合図を待つ。
「スタアァァァト!!!!」
合図と同時にルークさんが間合いを詰めてきた、ほんの一瞬だ。ここまで速いとは思ってもみなかった油断した僕はあっさり切られて吹っ飛んだ ステージにうつ伏せに倒れた僕と楽勝と言わんばかりのルークさん。油断しかないこれが本当に剣の達人か。まぁそこを突いて倒してもいいけど面白くない。
「ルーク選手の早業で終わりかぁ!!!! リュウト選手たてないのかぁぁぁ!!!」
司会役の人の言葉が煽りに聞こえた。よろよろと立ちながらルークさんを見つめ 一瞬で背中に移動した。
超能力の一種でテレポート《転移》と言われてるサイコキネシス《念動力》を使った能力。
それに気付いてないルークさん 自分の足に力を込めて思いっきり回し蹴りをもろに食らったルークさん吹き飛んだがすぐに立ち上がり間合いを詰めてきた が動きが見えていたのでスルッと体を捻って避ける。
驚きつつも次の攻撃をしてくるルークさんに僕は自分の武器である"あれ"の中の火薬を点火し刃をへし折った。
そう、僕の武器は銃弾だ。銃本体を作らなくとも僕の場合はパイロキネシス《炎操作》で直接点火できる。
剣を折られ驚いたルークさんは腰の短剣で僕を斬ろうとするがまたしてもへし折られ.....棄権。
使った銃弾は普通のアサルトライフルに使われる7.62mm NATO弾でライフリング加工よりも回転力を加えて剣と柄の部分に直撃させた。
「なんと!!! 剣をへし折ってルーク選手を棄権させたぁぁ!!!! 何者だ!! リュウト選手!!!」
どやぁ!! はぁ......青春...謳歌したかったな...。
うーん...現時点で私のサイトの方の異世界超能力者は六十章なのですがそれに比べると圧倒的に弱いというか、銃弾に頼る程子供だった時期もあったなとか作者(親)目線で思っちゃいますね。