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魔力を感じない魔法使い

「うちの店の二階が買取屋なんだ」


「それは助かる 今すぐにでも行きたいんだけど」


「分かった、ついてきて!」


リリーはそう言いながらドアを開け階段を上がって二階に行った。

ついていった僕の視界に一番最初に写ったのはイカツイ黒髪の男性。驚いた僕は尻餅をついた。


「ん? 何だぁ...お前は」


「お父さん! お客様だよ!!」


「おぉ!!...そうか、すまない」


どうやら、リリーのお父さんらしい...イカツイ黒髪の身長が高い男性だ。

名前はカールさんと言うらしい、僕も自己紹介をして早速本題に。


「で、リュウトよ 買い取って欲しい品はどれだ?」


正直、この世界で売れるか分からないけど一か八か。


「これです...」


僕は、腕に着けていた腕時計を外してカールさんに見せた。


「これは!!...時計か...」


「はい、腕時計です」


「腕に着ける時計?!!」


「はい」


「こりゃ売ったらかなりの額になるぞ!!」


「幾らくらいになりますか?」


「金貨10枚と銀貨70枚だな」


「そんなに?!!...」


「ただ他で売るともっと良い値になると思うが...」


「いえ、ここで売ります」


「本当か?!! そりゃありがたい!!」


「はい、お願いします」


まぁ、リリー達には助けられたしこのくらいは...ね?。

カールさんはすぐに布で出来た袋を持ってきた。多分お金が入っているんだろう。


「はいよ! 確認はしたけど一応してくれ金貨10枚と銀貨70枚だ」


確認しなくても良いだろう、この人信用出来るし。


「ありがとうございます」


「こっちの台詞だ」


そう言いながら店を後にして。さて、どうしよう。


「リリー 何処か行きたいとこあるか?」


「ふぇ?!! デ、デートのお誘い!!!」


「違うよ!! 恩返しに何処か行きたいところに連れて行きたいなって思って」


「そっか...でも特に無いなぁ...」


「じゃあ、この街を案内してよ」


「え? うん、分かった!!」


早速と言わんばかりに手を引かれ店の並んだ大通りに連れていかれた。


「ここら辺のお店は食べ物とか雑貨が多いよ」


「へぇ~...リリーは食べたい物とかある?」


「ある!! あそこのコロッケが美味しいの!!」


この世界にコロッケあんの?!!...まぁあるか。


「じゃあ買おうか...すみませんコロッケを2つください」


「はいよ、銀貨2枚ね」


銅貨じゃないんだ...まぁ今はその方が助かるな。

とか金持ち臭い事を思いつつ店の人に銀貨を二枚渡して


リリーがコロッケを受け取った。

コロッケを持ちながら鼻歌を歌うリリー、ご機嫌だな。

近くのベンチに座ってリリーからひとつコロッケを受け取った。

僕にコロッケを渡すと同時に自分のコロッケにかぶりつき幸せそうな顔しだした。


リリーは満面の笑みで。


「美味しいぃぃぃ!!!」


16歳とは思えないなこの子。


「喜んでくれて何よりだよ」


それでは僕もいただきます。

衣の中から肉汁とホクホクのジャガイモがめっちゃあう。

やっぱコロッケって美味しいよね。

とか思いつつ食べていると、目の前の広場に人が集まり出した。


何か始まるのかな、と思い近付いて見ると男性二人が喧嘩してるようだ。


「おめぇ!! 俺の娘を返せや!!!!」


「お金を払わないあなたが悪いんですよ 返しきれないのなら娘さんを奴隷として売らせて頂きます」


フードを被った男が笑みを浮かべながらそう言った。対してイカツイ男性はその見た目に似合わない涙を流しながら。

そう言っている。成程、お金が払いきれて無いから娘さんが盗られたのか。ちょいと助けるか。


「あの~...娘さんを返してあげてください」


異世界ならここで助けるのが定番だろう。

僕がこう言うとフードの男は僕に向けて。


「黙れ、ひ弱なガキが口出すな」


「...払いきれてないお金は幾らあるんですか?」


「金貨2枚と銀貨50枚...ってあんたには関係ねぇよ」


「これで良いですか?」


僕は小袋から金貨2枚と銀貨50枚を取り出してフードの男に渡した。


「な!!...確かに貰いましたけど利子と言うものがありましてねぇ...」


まとめて言えよ、捻るぞ。


「幾らですか?」


「金貨30枚です」


詐欺も大概にしろ、てめやっぱ殺すぞ。


「嘘だ!! 借りてまだ一週間しか経ってねぇ!! 銀貨1枚ずつだったはずだ!!!」


「そんなの言った記憶ありませんねぇ...」


「利子は後々に払うとして借りた分は払ったんで返してあげてください」


「さっきからガキがうるせぇな? ちょっとは黙っとけ!!」


フードの男は手を僕に向けて何か唱えている


「リュウト!!! 逃げて!!!」


リリーが叫んだ...がもう遅い。男の手には魔法陣らしきものと火球があった。

瞬きすると同時に僕の顔に火球が炸裂。爆風を撒き散らして僕は死んだ。


「あらら、加減出来ませんでした...すみませんねぇ...」


ように思えた。が実際は普通に立っている


それを見たフードの男は驚いた顔をしてまた唱え出した。

が、僕はそれを大人しく受ける性癖も無いのでフードの男に手を向けた。

すると、僕に当たるはずの火の玉が止まり フードの男に当たった。

てか、魔法も操れるんだ...


僕が使ったのはサイコキネシス《念動力》


男は自分の火の玉に当たって数十m吹っ飛んでいった のそりと立ち上がると再び口を開いた。


「魔力を感じなかった、それにお前...俺の魔法を操った?...どういうことだ!!」


「そのままの意味ですよ 火の玉を操っただけです」


「あり得ん!! 人の魔法を操る魔法なんて存在しない!! それに魔力すら感じなかったぞ!!!」


「そりゃそうでしょ だって魔法じゃ無いんですから」


「魔法じゃ無い...だと...どうゆうことだ!!」


「だから、僕が使ったのは魔法じゃ無くて超能力ですよ」


「意味が分からん!! もういい次のは操れると思うなよ!!」


すると、男がまた唱え出した が次はさっきより長めに唱えている きっと大きい魔法なのだろう。

魔法が完成したのか、家一個分の火の玉が出来た。男は笑いながらこう言った。


「お前もろとも、焼き尽くしてやるよぉ!!!」


男が手を振りかぶると火の玉が落ちてきた。

それに僕は手を向ける。

するとあんな大きかった火の玉があっさりと消滅し、男も驚いて尻餅をついた。


「な...な...何なんだよお前はあぁぁぁ!!!!」


「超能力が使えるただの高校生です」


「なんであの魔法をいとも容易く...嘘だろ...」


僕が使った超能力はエアロキネシス《風操作》

空気中の二酸化炭素で火の玉を包み込んで更に包み込んだ中にも二酸化炭素を入れただけの簡単な事だ。


「事実です この通り火の玉は消えました...さて返してあげてください」


「わ、わかった!! 命だけは取らないでくれ!!」


そう言うとずっと気付かなかったけど男は馬車から女の子を呼び出し男の人に近付いていった、きっと娘さんだろう。


「ぱぁぱ!! 怖かったよぉ...」


泣きながら男性にしがみつき男の人も泣きながら抱き締めている。良かった助けられて。


「さて、実際の利子は銀貨1枚ですか?....分からないですけど置いときますね」


僕は銀貨1枚を置いてリリーの元に戻った。

リリーは口をポカンと開けながらさっきまで火の玉があった場所を見つめている、あの魔法はそんなに凄い魔法なのか...。


「リュウト...魔力を感じさせないまま上位魔法をあっさりと消し去るなんて...何者!!」


目には怯えの色が混じっている、そんなに怖がらなくても...。


「秘密にしててごめん、僕は魔力を使わない魔法が使えるんだよ」


「チョウノウリョクってやつ?」


「そう、ただこの事は秘密にしててくれる?」


「いやあんな人の前で使ったんだから秘密にしても意味ないよ...」


「まぁまぁ、お願い!! コロッケ買ってあげるから!!」


「本当!! なら仕方無いなぁ」

現金な子だな...まぁいいや。


さてと街はまぁまぁ分かったしあの親子も大丈夫そうだし、これからどうしようか...。

やっと戦闘らしきものが出てきましたが彼のぶっ壊れはこんなもんじゃありません。何より彼のぶっ壊れの所以はもう少し先を読んでくださると分かると思います。

まぁその日まで更新されるのを気長にお待ちください。

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