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18日目 グロースへ


窓から差し込む朝日と共に目が覚める。

グッと身体を伸ばしてから起き上がるとクーチは既にシャワーを浴びているようだった。

そのままシャワールームへと向かい一緒に色々なものを洗い流す。


サッパリしてからいつもの装備に着替えてバックパックを背負う。


俺はこちらの世界に来てからずっと同じ、頑丈そうな革のブーツにカーキ色のカーゴパンツのようなパンツ、黒いシャツに、ウルフの皮でできたベストと脛当て、クーチがプレゼントしてくれた黒蛇皮の籠手を身に着ける。

腰には神様から貰った短剣と、水筒の中身と煙草が補充されるポーチを下げて準備は完了だ。


クーチは、金髪の髪の毛を下ろしたモデル体型の美少女だ。

黒い革のブーツに茶色いパンツ、ベージュのシャツ、その上に皮製の胸当てをしている。そしてその上から黒いローブを被る。杖は俺の神様特製のバックパックに仕舞っておく。


「さあ、行こうか。」


一階に降りるとマルとキクリが居た。


マルは少年のような笑顔で挨拶をしてくる。

狐の獣人で小柄、中世的な顔立ちだが男だ。黒いローブに魔女のようなとんがり帽子を被り、右手には木製の捻じれた杖を持っている。杖の先端には何かの魔石が付いていて魔術の補助をする効果があるらしかった。


キクリはいつも通り無言で頷く。

熊の獣人で、俺よりも大きい体格の女性だ。重そうな金属製の全身鎧に大きな盾、金属製のメイスを背中に背負っている。バックパックを二つ持っていたのでそれを預かり、俺のバックパックへと仕舞いこむ。


「皆さん、おはようございます~。」


声を掛けてきたのが、猫の耳亭の女将さんだ。


「お弁当の用意ができてますよ~。」

「ああ、ありがとう。」

「それと、マルさんとキクリさんは、まだ宿泊の日数が残っていますがどうしますか~?途中精算もできますよ~。」

「それじゃあ、念のためお願いしてもいいですか?」

「はいはい~。じゃあタグを出してくださいね~。」


マルとキクリは余った日数分のドルグの精算をする。

俺とクーチは昨日、一泊だけ追加で支払ったのでちょうど終わりだ。精算をしている間に弁当を仕舞い


「女将さん、世話になったな。また来る。」

「あらあら、お待ちしてますよ。」


女将さんに礼を言って宿を出る。

4人で乗合馬車の予約をしている東門へと向かう。

東門で門番にタグを見せて問題無い事を確認してもらってから馬車の乗り場へと向かう。すると、既に


「お待ちしてました。用意ができてやしたら出発いたしやすが?」

「ああ。問題ない。頼む。」

「へい、それじゃあ乗って下せえ。何かあったら御者席に声を掛けてもらえれば。あと、昨日説明した通り魔物や盗賊が出た場合はお声がけしますんで討伐の方お願い致しやす。」

「了解した。」


馬車の後ろからクーチ、キクリ、マルと乗り込み最後に俺が乗る。

中から御者に声を掛けて出発してもらう。


ガタガタと馬車が進み始める。乗り心地は良くはないが思ってたよりは酷くない。

馬車の後ろ側に座っているので、煙草に火を付けて煙を吐き出すとそのまま馬車の外へと煙が流れていく。


「マルとキクリはグロースは初めてか?」

「ええ。僕もキクリもまだメイズしか行ってませんから。」

「そうか、それじゃあ女将さんのところが空いていたらそこに泊ろう。あそこも飯が美味いぞ。」

「そうですね!セーラさん元気だといいですね!」

「…楽しみ。」


そんな何でもない会話をしながら馬車の旅を楽しむ。途中で御者と馬と一緒に昼休憩をしてまた進んでいると少し日が落ちてきたころに無事にグロースに着いた。




ハントLV17

クーチLV17

マル LV21

キクリLV20

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