表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TASK―AIと見えない敵との戦い―  作者: 長岡 夏生
2/14

月曜日の朝

いつもの朝、つまり月曜日の朝がくる。

俺が1週間の中で一番かったるい瞬間。

かといって、日曜日はぼーっと過ごしているわけではない。

俺には両親がいない。体の弱い2つ下の妹がいる。

母親は妹が小さい時に亡くなり、腕のいい包丁の鍛冶職人の父親に男手1つで育てられるが、父親は警察から有らぬ疑いをかけられ、連れていかれ、疑いがシロだとわかったのか2、3日後釈放されて戻ってきたが、頭がおかしくなっていて自殺してしまった。よっぽど屈辱的な拷問をかけられたのだろうか。

親父、なんで自殺しちゃうんだよ。この後俺達兄弟どうするんだよ。

俺は悲痛と俺達兄弟だけで生活をしていかなくてはいけない不安にかられた。

後から聞いた話だが、父親が連れていかれた理由というのは、刃物を作っていたからということらしい。その時、包丁を振りかざして、AIに切りつけるという事件が多発していて、その使われた包丁がうちの父親が作った包丁に似ていたということで、犯人に包丁を提供していたのではという訳のわからない疑いがかけられていた。

そんなことないだろう。全くの言いがかり。

そういう事件が起きたものだから、職人の包丁作りは禁止になり、政府が許可している工場でしか作れなくなった。

父親が亡くなった後、俺が鍛冶職人として引き継ぎ(元々生前父親の元で学校行きながら修行していたので)、今は工場から頼まれる色々な部品を作り生計を立てている。

高校に行っているから、主に仕事は土日中心。

仕事しているから、本当は高校を止めたいんだけど、生前父親は、高校だけは出ろと口酸っぱくいっていたから、取りあえず両立している。

自分の紹介を忘れた。

俺の名前は、高坂 亮、高3で18歳。

ヨロシクな。

前に書いた通り、治安が悪いので俺達はAI頭脳で動く車で移動している。一家に1台買える代物ではない。隣に住んでいる幼なじみのマキの家とシェアして使っている。

部屋で学校の支度をしていると、マキが家のドアをドンドン叩く音がしてきた。まったく、家は古いんだからそんなに強く叩くなよ。お前の馬鹿力でドアが壊れたらどうするんだよ。勘弁してくれよな。

支度をし終わり、ドアを開ける。

開けると長い髪のポニーテールをした背が高くて細い身体をしたマキが立っていた。

「遅いっっ!!」

腕を組んで、相当オカンムリ。

「悪い、悪い。さあ、学校に行こう。」

妹にいってくるよと言って、車に乗って学校に向かった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ