おまけ 妖精少女と羽なしの青年のエピローグ
おまけです
羽なしの英雄と羽なしの潜伏員は妖精の国にいた。カミルが用事があるということで外から中へと頬気に乗せて連れてきたのだ
「アリラ、話があるんだ」
「なに?カミルお兄ちゃん」
「茶化すなよ」
アリラリラはカミルのことを喫茶店に連れて行った。もちろんおごってもらうつもりだ
「これ、聞いたら悪いかもしれないが。お前のその羽はカイタンタを助ける前からもげていたんじゃないか?」
「よく知ってるね」
「俺は、お前の羽が迷いの森でもがれる瞬間を見ていた」
「へえ、そうなんだ。え、まさかそんな」
「だから、現れたのがお前だったとき驚いた。それで話を聞いて思ったよ、また人のために犠牲になったのかと。お前がそんな奴じゃなきゃ案内は断っていた」
カミルは吐き出すように言って、イチゴの乗ったホットケーキをほおばった。アリラリラは朝露のクレープをほおばりながら話を聞いていた
「どうしてそんなことをする」
「いや、理由なんて考えてないよただこうするべきだと思ったから行動してる」
「お前は、バカだな。だからこそ事件は解決して、お前は空を飛べているんだな」
朝露のクリームがこぼれそうになり慌てて口に入れながらも首を傾げた。馬鹿とティティテアに言われ続けているものだからスルーしておいた
「なんで飛べることに関係するんだ?」
「不可能だと頭で決めつけた瞬間何もできなくなるんだ。そこで立ち止まって停止してしまう。もう一度動けるようになるには莫大なエネルギーが必要になりだいたいの者が立ち上がれない」
「バカな分、頭で決めつけることなく進めるってことか」
「お前はバカだが愚かじゃないものな。馬鹿と言えばキャサリンが会いたそうにしていたぞ」
「バカとか言ってやるなよ」
カミルは甘酸っぱいイチゴと一緒に懺悔しようとしていた言葉を飲み込んだ。彼はあの日あの時、無邪気に遊ぶ彼女が眩しくてうらやましくて妬ましくて憧れて
羽がモゲタラ自分のところまで堕ちてくるのではないかと思ってしまった。そのために助けに入ろうとさえしなかった
少女は落ちるどころか自分でもっと早くもっと遠くへと飛び上がってしまったものだからカミルの目論みは失敗に終わったと言っていいだろう
それでも悪い気はしなかった
自分をもう一度空へと連れ出してくれた少女の背中に今でも憧れ続けているのだろう
その気持ちを持つ資格はないと心の奥底へ沈めておいた
アリラとカミルは人間の国に向かって飛び立った




