2-2.妖精少女は町に出る
アリラリラは人の多さに目を丸くして、手足から熱が引いていくのを感じてカミルの服の裾を握った
「怖いのかい?」
「怖くなんかないさ」
「カミル!今日は妹連れてきたのかぁ!?」
遠くから大柄な男性がどしどしと近づいてきてカミルに声をかける。妖精は大人もみんな細身だから見たこともない大きさに恐怖を覚えてしまった
「お頭、アリラがおびえてる。この子は繊細なんだ気を付けてくれ」
「そりゃあすまんかった。俺はガリアス皆からはお頭と呼ばれてるぜ」
「お頭?」
「家作る職人のリーダーさ。なんだぁずいぶん世間知らずじゃねが」
人間は木の上でなく地上に石と木でできた家を作るようだ。町にはたくさんの家が並んでいる。感心してみているとカミルがアリラリラを前に押し出した
「見ての通り、細っこいだろ。魔法ばかりに頼って引きこもってたらしくてな」
「魔法使いか、そりゃあすげぇ。こんなちまっこいのになぁ」
色々言いたかったが恐怖。で何も言えなかった。お頭の大きな声はアリラリラを震わせた。スキンヘッドの頭がきらりと光り強気な笑みを浮かべる
「なんか俺にも見してくれよ」
「うう、ん」
かくかくと首を縦に振るとカミルが耳元でささやいてきた。呪文を詠唱で規模を小さくしろということだ
魔法は久しぶりに使う
「炎よ、わが手元に集まりてその形を成せ」
ごぉっと空に火の柱が上がる。カミルにやりすぎだバカと言われてしまった。しかしアリラリラにとっては久しぶりの魔法で調節の仕方を忘れてしまったのだ
「おお、嬢ちゃんスゲーなぁ。これなら王直属の魔法使いになれるんじゃないか」
「王直属の魔法使い?」
「そうさ、あの雲が見えるだろう。あれはその魔法使い様たちが出してるすごい魔術でな」
お頭の説明を聞かずに雲をにらみつけた。確かにすごい魔術かもしれないが魔法使い様たちと言っていた。つまり、あれは何人かの人間の魔力の集まりということ。王様よりも強い魔力を人間が持っているのかと恐怖したがそんなことは無いようでほっとする
「カミル。私その人たちに会ってみたい」




