2-1妖精少女は森の外を見る
ぱっと目の前が光ったかと思うと次の瞬間には家の中にいた。そこにはただ座っている老人と驚いた顔をして立っている青年がいた。二人とも羽はなく人間と完全に同じ見た目になっている
「初めまして。私はアリラリラ、えっとカミルとジェイコブだよね」
「いかにもわしがジェイゴブだ。こっちのはカミル。それからこちらでは人間のような名前を名乗りなさい」
「オッといけない忘れてた。私はアリラ改めてよろしく」
アリラリラは挨拶をして壁に箒を立てかけた。窓から見える森の上の空には赤い雲が渦巻き続けている。この二人はあらかじめ国王から話を聞いているであろうから特に説明はいらないだろう
「お前は子供のためにここまで来たそうだね」
「何かもんくでもあるの?」
「いいや、ないさ。ただ気になったものでね」
「そうかよ。私はあの雲に捕まって羽を動かなくされた子供のために来たんだ。これで満足?」
少し嫌味な言い方になってしまったがどうしてもティティテアのことが頭にちらつきいらだってしまう。アリラリラは昔のことを後になって思い出し腹を立ててしまうタイプなのだ
「あなたが心優しいということはわかったよ」
「え?いやべつに心優しいわけじゃない」
ジェイコブは横に立っているカミルのほうを見た。カミルは驚いていた顔からもう無表情に戻っていた。気難しそうな人に見える
「カミル、嫌ならわしがこの子についていくがどうする?」
「俺が行きます」
「そういうことだ。アリラ、カミルの言うことに従いなさい」
「いきなり何なのよ」
「カミルは人間のことをよく知っている。いうことを聞いていれば問題を起こさず済むだろう」
そういわれてしまえば人間のことをよく知らないアリラリラは反論できない。渋々言うことに従う
「で、カミルだっけまずどうするの?」
「町に出てみよう。そうすればあれの情報が出てくるかもしれない」
その前に、カミルは服を差し出してきた。紺のワンピースと白いエプロンのついた服だ
「人間にそんなへんてこりんな格好をしている者はいない。これはメイド服と言って使用人が着る服だよ。これを着ていれば箒を持っていても怪しまれない」
「ふーん、変なの」
カミルが君の服も十分変だよとつぶやいたのを聞き逃がさなかった。そんなことないと言おうとしたがバンダナにゴーグル、十分変だったかもしれない。口を尖らせたまま与えられた部屋に入り。着替えをする
いよいよ、これから町に入るのだ。そして、人間と二度目に会うことになるのだ。アリラリラは普通の妖精ではありえない自分の運命に皮肉気に笑った




