63話 第15王子コルキス
後書き修正
アルフレッド兄様が死んだ。
死の女神様の寵愛を受けて骨になっちゃったんだ。
ぼくのヒストリアは見たものを鑑定できるし、魔力をちょびっとだけ使うとその歴史も見れる。歴史を見たときは、そこに出てくるものの名前も知ることができるんだ。
「そうだね母様。何事も確認は必要だよね」
メファイザ母様に頼まれてアルフレッド兄様が死んだ様子を見たとき、びっくりしちゃった。だって死の女神様の寵愛だよ。きっと不死になれるんだと思う。
アルフレッド兄様は血も美味しくないし、何の興味も無かったけど、あの骨を見ればぼくも不死になれる方法が分かるかもしれない。
「なんでー? どうしてぼくはアルフレッド兄様の送魂祭に出ちゃダメなの?」
ジル姉様以外の王子と王女はアルフレッド兄様の送魂祭に出ちゃダメだって言われた。ぼくとジンジル兄様は文句を言ったけど、聞き入れてもらえなかった。
だからぼくは送魂祭が終わった後で、こっそりアルフレッド兄様のお墓に行ってみたんだ。メファイザ母様には遊びに行ってくるって手紙を書いておいた。黙って外に行くと怒られちゃうんだもん。
本当はやっちゃいけないんだけど、アルフレッド兄様のお墓の中に入って棺を掘り起こしたんだ。
ぼくのヒストリアを使えば盗掘防止の魔法なんか無いのと一緒だから簡単だった。他の人には無理だと思うけどね、ぼくって凄い。
それにしてもクソ役立たずのアルフレッド兄様に、こんなに大きなお墓を作るなんてどうかしてるよ。
「何にも無い……」
棺の中は空っぽだった。
ヒストリアで見てみると骨じゃなくて、ぐちゃぐちゃでゾンビみたく可愛くなったアルフレッド兄様を、ジール義母様の風精霊シルフィ様がどこかに持って行っちゃってた。
「うー、空間移動してるからどこに行ったか分からないよ」
でもやっぱりアルフレッド兄様は不死になったんだ。身体が再生してるみたいだったもん。
ぼくはどうしても不死になりたいから、このまま可愛いらしいアルフレッド兄様とシルフィ様を探すことにした。
シャドーバットを使って色んな所を探して、やっとアルフレッド兄様を見付けた。アルフレッド兄様は可愛くなくなってた。ちぇっ。
テラテキュラ王国の中央都市でカミルとかいう麒麟獣人と結婚生活がどうのって言ってる。あんなのと結婚だなんて、アルフレッド兄様って趣味悪いな。
ゆっくり確認しようと思って、アルフレッド兄様を吸血で支配下に置いてから霧にして連れ出したら、ジール義母様の氷精霊ヴァロミシア様が追いかけて来た。
「何でなの? こっちに来ないでよー」
ぼくはまだレベルが低いから、上級精霊様より上位の精霊様の歴史までは見れないんだ。目の前が歪んじゃう。
ぼくがシャドーバットで目眩まししたらヴァロミシア様を物凄く怒らせちゃったみたい。ぼくはただ、アルフレッド兄様がどうやって死の女神様から寵愛をもらえるようになったか知りたいだけなのに。
頑張って逃げようと色々したけどダメだった。切り札の、眠らないドラゴンに不完全変身しても歯が立たなかった。
「怖いよ母様」
ヴァロミシア様が上級氷魔法を何発も撃ってきた。
ぼく、不死になりたかったな……これで死んじゃうんだと思っていたら、アルフレッド兄様がヴァロミシア様の魔法を全部防いでくれた。
ぼく何も指示してないのに何で?
どういうわけかアルフレッド兄様の周りに卵が浮かんでる。
咄嗟にヒストリアでアルフレッド兄様を見ると、とんでもない事が分かった。ぼくはありったけの魔力を使ってシャドーバットを作って、それを全部アルフレッド兄様にぶつけたんだ。
いったいどれだけの卵が有るのか分からないけど、凄く数でヴァロミシア様を防いでくれてる。
特級精霊とこんなに戦えるなんてアルフレッド兄様カッコいいな。
「逃げ……ろ………」
アルフレッド兄様はそう言うと、ぼくに支配されてるはずなのに勝手に動き始めた。ぼくは言われた通り逃げたけど、魔力を使い切ったせいでふらふらする。
ヴァロミシア様は広範囲を飛び回ってアルフレッド兄様の相手。 だけど気が付いたらミシア様が目の前にいて……そこからはよく覚えてない。芯まで凍る寒さが消えると、闇の大精霊様と聖光の大精霊様が怖い顔でぼくを見ていたんだ。ぼくは泣いちゃった。
きっと、聖光の大精霊様にちょっと触られただけでぼくは消えちゃう。だけど話はぼくの嬉しい方向に進んでいった。不死になれるかもしれない……。
「わかりました。アルフレッド兄様に危害を加えず、秘密を守り、力になると誓います」
お話は怖かったけど、闇の大精霊様がぼくと約束してくれた。いつの間にか聖光の大精霊様は居なくなってた。
アルフレッド兄様はそこら中に有る卵を孵化させてる。
ぼくはアルフレッド兄様の固有スキルとかで気になった事を闇の大精霊様に聞いてみた。
「それらはまだアルフにも教えてはいけない」
「分かりました。あの、孵化もダメでしょうか? あのままじゃ終わらないと思います」
「孵化か……それは問題ない」
アルフレッド兄様に助言した後、改めて闇の大精霊様がアルフレッド兄様についてお話してくれて、魔力の回復までしてくれた。
兄様とヴァロミシア様が卵のアイテムの回収をしている間、闇の大精霊様はたくさんお話ししてくれたんだ。
最初は怖かったけど、お話ししているととっても優しいお方だって分かった。だからぼくは、アルフレッド兄様と闇の大精霊様の為に頑張る事にしたんだ。
兄様と一緒に行動するようになって嬉しい事が一杯あった。ずっと欲しかった使い魔ができたし、新しい固有スキルも発現した。あと、大精霊様以外の精霊に友達感覚で喋ってよくなった。それに兄様が母様みたいにぼくを可愛がってくれる。
感じの悪い人形を見て兄様のお願い事を知ったとき、なんだがぽかぽかした気持ちになったんだ。
兄様を昔の恋人代わりにする麒麟獣人は鬱陶しかったけど、ティザーとアクネアが追っ払ってくれた。
そういえばレデルトリーン大雪原でビッグホワイトベアーとかを倒したとき、グリンホーンフェンリルと遭遇した。ヒストリアを使うと、何でかすぐ近くでマルニと戦ってたみたい。
マルニの固有スキルの影響で瀕死になっていたから、バレないように近付いて吸血した。
マルニはぼくを追いかけて来たのかな。お小言ばっかりのお婆ちゃんだから苦手なんだよね。グリンホーンフェンリルを瀕死にしてすぐ逃げたっぽいから、放っておこう。
くふふ、兄様は狼獣人に異常な執着心があるから喜ぶだろうなぁ。
ぼくはウキウキしてたけど、兄様と喧嘩しちゃった。だけど、兄様はぼくとずっと一緒に居てくれるって言ってくれた。嫌われちゃったかと思って悲しかったけど、仲直りできてよかったよ。
あと、グリンホーンフェンリルに不完全変身したぼくにデレデレしてる兄様は、ちょっと気持ち悪かったけど、何だかくしぐったい気持ちになった。
寝る前に兄様と作った卵から出てきたネックレスは凄く良いものだったよ。シャドーバット1匹でこんな物が出るなんて、とぼくが喜んでいると「そんなんに嬉しいならコルキスにあげるよ」って兄様がぼくにくれた。ずっと大事にするんだ。
兄様と一緒にしたお店もすっごく楽しかった。買いに来た皆が喜んでくれたし、お金も一杯手に入った。 何でも屋アルコルのアルコルって、兄様とぼくが仲良しって意味なんだよ。
母様に今まで何をしてたのか聞かれたから、本当はこうやって全部お話ししたかったけど、兄様の事は秘密だから嘘ついちゃった。
母様に初めて嘘を言っちゃったな……ごめんね母様。
闇の大精霊様が母様に全部教えてもいいって言ったらしいけど、それは300年経ったらだから今は言っちゃダメだよね。
母様のおやつは本当に美味しい。ディオスも喜んで食べてる。10個目のおやつを食べてると、母様が黒い塊をくれた。
闇の欠片っていう凄い物だった。
ディオスも欲しがったけど、無属性のディオスにはあげられない。ディオスがちょっと拗ねちゃったけど仕方ないよね。
そのあと寝る前に母様と一緒に夜空を飛び回った。
ディオスとのコンビネーションを見てもらったり、強化された固有スキルの訓練をしたりもしたよ。やっぱり母様と一緒だと楽しいなぁ。
でも朝起きて思ったのは、兄様と一緒に寝た方がぐっすり気持ち良く眠れるって事だったよ。
~入手情報~
【名前】マルニ
【種族】蝙蝠獣人
【職業】メイド/リベンジャー
【年齢】91歳
【レベル】74
【体 力】718
【攻撃力】394
【防御力】880
【素早さ】3723
【精神力】3920
【魔 力】1889
【通常スキル】
捕縛術/消費魔力減/お小言/状態異常反射5割/蓄積ダメージ強化/メイド力/ハイクイック
【固有スキル】
超音波/超感知/飛行/リベンジクロニクル/コールドアイ
【先天属性】
氷
【適正魔法】
氷魔法-上級/水魔法-上級
~~~~~~~~~
【名前】コルキス・ウィルベオ・クランバイア
【種族】ヴァンパイアハーフ
【職業】王子/冒険者
【年齢】8歳
【レベル】32
【体 力】217
【攻撃力】470
【防御力】503
【素早さ】617
【精神力】119
【魔 力】3782
【通常スキル】
消費魔力減少/影魔法威力増/体術/我儘
【固有スキル】
吸血/霧化↑/飛行/癇癪/長寿/魅了/不完全変身/聖光被ダメージ増/ヒストリア/オーラ
【先天属性】
影
【適正魔法】
影魔法-特級
~~~~~
【母様のおやつ】
メファイザ・クランバイア手作りのおやつ。
愛息であるコルキス・クランバイアの大好物で、愛情と闇の魔力がたっぷり入っている。コルキスはこのおやつを食べる前に必ずヒストリアを使い、母の愛情を噛み締めているらしい。ヴァンパイアや一部の魔物以外が食べると廃人になってしまう危険なおやつでもある。
~~~~~~~~~
【名 称】霧化↑
【発 現】コルキス・ウィルベオ・クランバイア
【属 性】闇
【分 類】大精霊強化型/固有スキル
【希 少】☆☆☆☆☆☆☆☆
【効 果】
自身を霧状にし、そのまま行動できる。また、霧状態で触れた者の血を根こそぎ奪う事もでき、奪った血を溶解液に変えて攻撃する事も可能。触れた者を4人までなら霧にする事もでき、その者の自由を奪い状態異常を付与する事も可能だが、どのような状態になるかは完全にランダム。成長するとさらに強力な固有スキルとなるだろう。
~~~~~~~~~
【名 称】オーラ
【発 現】コルキス・ウィルベオ・クランバイア
【属 性】影
【分 類】スピリチュアル型/固有スキル
【希 少】☆☆☆
【効 果】
体力を消費し自身の先天属性と同じオーラを発する事ができる。自身や触れた者を強化できる他、傷の回復も可能。しかし、触れる者の先天属性との相性を考慮しなければ危険である。成長するとさらに強力な固有スキルとなるだろう。
~~~~~~~~~~
【名 称】蓄積ダメージ強化
【発 現】マルニ
【属 性】無し
【分 類】攻撃強化型/スキル
【希 少】☆☆
【効 果】
戦闘で受けたダメージの1/10倍だけ攻撃力を強化する。1回の戦闘で2回使用できる。持続時間は自身のレベルと同じ秒数である。
~~~~~~~~~
【名 称】リベンジクロニクル
【発 現】マルニ
【属 性】氷
【分 類】無差別仕返し型/固有スキル
【希 少】☆☆☆☆☆
【効 果】
これまで生きてきた中で受けたダメージを選択し、敵に全く同じダメージを与える事ができる。同じ敵に自身のレベル1/10回使うと、次からは効果が激減してしまう。敵に3回触れる事で1回使用できる。
~~~~~~~~~~
【名 称】超感知
【発 現】マルニ
【属 性】無し
【分 類】探索・追跡型/固有スキル
【希 少】☆☆☆☆☆☆☆
【効 果】
登録した者の居場所を感知できる。どれだけ離れていようとも、登録を解除しない限り感知可能。また、魔法で300メートル以上の遠距離攻撃をする場合、自動追尾してくれるようになる。登録するためには、対象にマルニが触れなければならない。登録した者を攻撃すると登録を解除するまで戦闘状態の扱いになる。
~~~~~~~~~
【名 称】孵化
【発 現】アルフレッド・ジール・クランバイア
【属 性】無し
【分 類】促進型/固有スキル
【希 少】☆
【効 果】
魔力を消費して卵を孵化させる事ができる。また、目に見える範囲の卵を同時に孵化させる事も可能。自身が作り出した卵に限り移動させる事ができる。生き物の卵を孵化させる場合、使用する魔力の量で産まれてくる生き物が進化や変異する可能性もあるが、魔力が多すぎると卵の中で死んでしまう。進化や変異した生き物が産まれた場合刷り込みが起こる確率は1%とかなり低い。




