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48話 グルフナと名付けた

後書き修正

「おい、何でここに居るんだよ!」

「そうよ、まだ私達の番よ!」


 ティザーとアクネアを見たヴァロとミシアが怒りながら近付いて来る。


「面倒臭い事に、少し予定が狂ってのう」

 

「まったくだぜ! ま、でも早くアルフに会えたのはラッキーだけどな」


 心底面倒臭そうなティザーがヴァロとミシアに事情を説明し始める。アクネアはガラの悪い笑顔で俺に近寄ってくると、ぱしぱし頭を叩いてからカミル担ぎ上げ、騎獣管理の職員に預けに行った。


「本当にごめんな、カミル……」


「アイツ、目が覚めたら兄様を探し回るだろうね。もうその姿はやめた方がいいよ」


 コルキスがディオスを撫でながら言う。


「そうだな……」


 とりあえず、突然精霊が現れたせいで未だ注目の的になっている俺達は人目のつかない場所へ移動した。ちなみに後を尾けてくる野次馬はヴァロとミシアが1人残さず下半身を氷漬けにした。


「なんだよそれ!」

「もう、信じられない!」


「儂に言われてものう」


 精霊姿に戻ったヴァロとミシアが散々文句を言った後、大量の荷物を――大半が卵から出てきた物――ティザーに渡した。


 そういえば、あれって魔法じゃないらしい。てっきりアイテムボックスの魔法版かと思ってたけど、別の精霊の所へ押し付けてるだけなんだとか。


 引き継ぎを終えたヴァロとミシアが俺の所まで来ると、それぞれ俺の頭をくしゃくしゃ撫でたり頬をつねったりする。


「あーあ、もっとアルフで遊びたかったのに」

「残念だわ。得点も中途半端なままだし、プレゼントはまた次回ね」


「2人共行っちゃうの?」


 この国に住んでいる氷精霊達は悪質な悪戯をする。不思議とでか喜んでる人がほとんどだけど、俺は凄くイライラするんだよ。ヴァロとミシアがいれば抑えてくれると思ったのに。


「アルフは俺達より別の氷精霊が気になるみたいだな」

「酷いわ、薄情だわ、私達がこんなにアルフを可愛がっているのに」


 可愛がっていると言いながら氷の(つぶて)をバシバシ当ててくるのは如何なものか。


「い、痛いよ! 確かに氷精霊の悪戯は気になるけど、でも俺だって2人が居なくなるの寂しいんだからな。歳が近くて仲のいい兄様や姉様がいたら2人みたいなんだろうなって、ずっと思ってたんだから」


 恥ずかしいけどこの際言ってしまおう。この先、今までみたいに頻繁に会える訳じゃないんだし。


「こ、こっそりヴァロ兄様とかミシア姉様って呼んだ事もあるんだからな」


「あぁ、それは知ってる。つか結構頻繁に言ってるよな」

「今更そんな恥ずかしそうに言われてもねぇ」


 な、なんだって!?


 バレバレだったなんて、今すぐどこかへ逃げてしまいたい。


「でもまぁ、なんだ、悪くない。加点10だ」

「ふふっ、そうね。私も加点10よ」


「え?」


 2人がとっても優しく笑うとプレゼントは何にしようか相談を始めた。


 それにしても、急にあんな顔をされると戸惑う。


「兄様と精霊って……」


 コルキスが妙に納得顔で俺を見てくる。


「何だよ」


「いや、だって普通はこんなに凄い精霊と契約もしてないのに話すなんて無理だよ。なんで仲が良いのか不思議だったんだよね」


「そりゃ、産まれる前から見てる奴には少なからず愛着も湧くだろ。それにあんな扱いじゃ肩入れもするさ」


「ジールの腹の中に居たときは魚や蜥蜴みたいだったのう、懐かしいわい」


 コルキスの疑問にアクネアとティザーが答えた。


 あんな扱いって、確かにね。俺が腐らずにいられたのは精霊達の存在が大きいよな、としみじみ思う。


「そうだな」

「決まりね」


 どうやらプレゼントが何か決まったようだ。凄くわくわくする。


「アルフ、グルフナを貸せ」

「さすがにこのままじゃ、すぐ死んじゃうものね」


 2人はグルフナと名付けた俺の使い魔のガラクタハンマーを手に取ると、慎重に力を注ぎ始めた。


「思った以上に脆いなコイツ」

「そうね、でも成功よ」


 どうやら2人は俺が心配していた、ガラクタハンマーの弱さ、すぐ壊れて死ぬ危険性をどうにかしてくれたみたいだ。


「ヴァロ、ミシア、ありがとう!!」


 嬉しくて2人に抱き付こうと駆け寄ったら避けられてしまった。そしてそのまま転けた。


「痛たたた」


「そういうのは次のプレゼントでな」

「まあ、機会があればだけどね」


 そう言って2人は行ってしまった。


「アイツら、ぜってぇ照れ臭かったんだぜ」


「じゃのう」


 アクネアとティザーが笑っている。


「それにしてもアルフは面白いのを使い魔にしたな」


「どれ、ついでに儂もちょこっと弄くろうかの」


「お、じゃあ俺も」


 なんだかグルフナが魔改造されてしまう気がしてならない。あ、でもグルフナが心なしか嬉しそうだからいっか。


「2人共、ありがとう」


「兄様だけずるい」


 次々に精霊から力を貰ったグルフナを見て、コルキスが文句を呟いた。ディオスも不満そうに羽を動かしている。


「お前のはリキッドマナストーンなんだろ」


「放っておいても勝手に成長するんじゃ、儂らの手助けなんぞいらぬわ。それに儂が疲れる」


「うー」


 アクネアとティザーにそう言われても納得できなかったのか、コルキスは暫く拗ねていた。


 この日はもう移動せず、ここメネメッサで買い物をする事になった。何故ならアクネアが名産品の酒を買い込みたいと言い張ったからだ。


 逆にティザーは久々にゴロゴロできると、早々に感じの悪い人形に入り眠ってしまった。


「お、それが噂の人形か! 俺もこれに入って散歩すればいいんだな」


 噂の人形だなんて白々しい。真夜中にアクネアがこの人形に入って俺を脅かしたの、忘れてないからな。


 アクネアは飲みたい酒をコルキスに書き取らせると、ティザーと同じく人形に入っていった。ただ全く動くつもりの無いティザーと、色々見て楽しみたいアクネア。


 2人の意見が合わず、結局ヴァロとミシアの様に人形を2つに分ける事になった。


「何でこういう半分にしたの?」


「怖い」


「仕方ないだろ! ティザーが左半身から動かねぇんだからよ」


 俺は人形の左側を鞄に突っ込んだ。アクネアが入っている右半身は自由に飛び回って多くの視線を集めている。


 コルキスが断固拒否したせいで、あれは俺の使い魔という事になった。

~入手情報~


【名前】グルフナ

【種族】ガラクタハンマー

【職業】使い魔(仮)

【年齢】4日


【レベル】0

【体 力】1

【攻撃力】1

【防御力】100

【素早さ】1

【精神力】1

【魔 力】1


【通常スキル】

 無し

【固有スキル】

 忠誠/浮遊/生きる心/リクレイムグルキエス/リクレイムテラ/リクレイムアクア


【先天属性】

 氷/土/水

【適正魔法】

 無し

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