2話 鑑定される
本文修正。
俺は魔法の特訓を終えて自分の部屋に戻って来た。
思ってた以上にフレアドラゴンのステーキに期待してたみたいで、もやもやが凄い。
ふかふかのベッドに思いっきりダイブして叫んでみる。
「あーあーあー!!」
駄目だ、全然気持ちが晴れない。
この後の夕飯で結果を聞かれるだろうなぁ。父上や母上は何も言わないだろうけど兄弟たちが……嫌だな。あいつらここぞとばかりにやいのやいの言ってくるに決まってる。特に弟たち、本当に可愛くない。
調子が悪いからご飯はいらないって言おう。幼いときから大事にしている黒のすごろくでもやって時間を潰そうかな。駒とサイコロは失くしちゃったから遊戯室から取ってこようっと。
普通は連絡用の魔道具で用事は伝えるんだけど、俺には使えないから隣室のメイドの所まで行かなくちゃいけない。
ベッドから起き上がろとうしたらバンッと乱暴にドアが開けられた。
「アルフレッド兄様、これからステータス鑑定するから真実の間に集まれって父上が言ってるよ」
「キーファ、ドアをノックしてから入れっていつも言ってるだろ」
「うん、でも嬉しくさ。フレアドラゴンを食べたんだから兄様もやっと火魔法が使えるね。よかったね。僕は中級魔法のファイアライズが使えたんだよ。兄様はプチファイアくらいできたよね?」
第14王子のキーファがにやにやしながらいい放つとそのまま出て行った。
はぁぁぁ。ドア閉めて行けよな。それより、ステータス鑑定だなんて憂鬱だよ。いつもは1年に1度なのに前やってからまだ半年くらいじゃないか。
父上もフレアドラゴンの効果に期待してたのかな。うぅぅ、泣きそう。
「アルフレッド兄様、父上がステータス鑑定するんだって。早く行こうよ」
今度は第4王女のリリアンが半笑いで声をかけてきた。
「行きたくない」
「ダメよ、皆楽しみにしてるんだから。私も適性がない火魔法が凄く上手に使えたからスキル取得してるかもしれないし、兄様だって使えたでしょ? 私は行くから兄様も早く来てね」
そう言うとこれ見よがしにプチファイアを出したあとリリアンはパタパタと走っていった。
リリアンよ、思ってもないこと言うんじゃない。最後の方くすくす笑ってたじゃないか。そしてドアを閉めろよ。
「アルフレッド様失礼いたします。国王様が真実の間に来られるよう仰せです」
今度は俺付きのメイド、アーシャが部屋の外から声をかけてきた。
「わかったよ。さっきキーファとリリアンが教えてくれたから」
「左様でしたか。ではお早く」
「はいはい」
俺はアーシャに連れられて真実の間へ重い足取りで向かった。
真実の間に着くと俺が最後だったみたいで、王子王女の全員が一斉にこっちを見てきた。第2王女のジル姉様だけは少し前から出かけていてこの場にはいない。
「アルフレッド、お前がおねだりしたフレアドラゴンの効果を父上が鑑定して下さる。顔と体しか使い道のない貴様の価値が少しでも上がることをねがっている」
バドルがゴミ虫を見るような目で俺に言ってきた。
「あ、ありがとうございます父上」
とりあえず、バドルは無視して父上にお礼を言った。ちらっと父上を見たけど無表情で頷いただけだった。
「では全員揃ったな。此度は第13王子アルフレッドたっての願いで隣国カイメル王国からフレアドラゴンを譲ってもらった。新たなスキルや火魔法の適性を得た者がいないか確認する。先ずは第1王子のバドルからだ。こちらへ参れ」
バドルは父上の前へ出ると恭しく一礼して跪く。
「鑑定の鏡を!」
父上が声高らかに宮廷魔法師へ命じるとバドルの前に鏡が運ばれ鑑定が始まる。
「ステータス」
父上が唱えると鏡にバドルのステータスが浮かび上がってきた。
「どうだバドルよ。新しいスキルは取得できたか?」
「はい、父上。私には火魔法威力増加のスキルが追加されております」
「そうか。では次!」
くそっ! これでまたバドルが意地悪言ってくるな。
続いて第1王女のべリスが鑑定をうける。
「べリス、お前はどうだ?」
「はい、父上。私はスキルを取得しておりません」
「そうか、しかしお前はもともと火魔法が得意であったな。気にすることはないぞ」
「はい、ありがとうございます父上」
「次!」
そうして兄弟たちが鑑定をうけていき、ついに俺の番になった。うぅぅ、逃げたい。
俺が前に出ると父上は「お前は最後だ、下がれ」と弟の第14王子キーファの鑑定をすると言った。
な、何でだよ……早く終わらせて楽になりたいのに。兄弟たちは表情に出さないけど心の中で笑ってるよ、絶対。
「はい……」
きっと今俺の顔は真っ赤だ。
そしてキーファは火魔法の適性を取得していた。
結果、第1王子、第3王子、第11王子、第14王子、そして王女は第4王女だけが新たなスキルや適正魔法を取得していた。
「では最後に第13王子のアルフレッド、前へ」
「はい」
あぁ、当たり前だけど皆が注目してる。汗が止まらないよ。怖くて目をぎゅっと閉じて父上の言葉を待つ。
「ステータス!!」
恐る恐る目を開けて自分のステータスを確認すると……ですよね。何も取得できていなかった。
「どうだアルフレッドよ」
「は、はい。私は何も取得しておりません」
「そうか。下がってよい」
「はい」
恥ずかしいやら情けないやら、俺は泣くのをグッと堪えて自分の位置へ戻った。
兄弟たちは堪えきれなかったのかくすくす笑っている。隣の第12王子なんかプルプル震えてるよ。
「愛しい我が子らよ、新たなスキル等を獲得した者もそうでない者も、これからもいっそう励み魔法王国の王家に相応しくなるように」
「「「「はっ!!!」」」」
「では解散! 第13王子アルフレッドは残るように」
「あ、え、はい」
え、なんで? 怒られるのか?
大金を使わせといて何も取得できなかったからついに父上も我慢の限界とかじゃ……呆然とする俺の横を通りすぎながら兄弟たちは「やっぱりな」とか「悪あがきするなよ」とか「御愁傷様」と囁いてくる。
皆が出て行ったあと宮廷魔法師も下がらせて、父上は近くへ来るようにと手招きをした。
~入手情報~
【第1王子】
名称:バドル・ラトナ・クランバイア
種族:ソウルフェアリー
年齢:25歳
先天属性:雷
適正魔法:火魔法/風魔法/土魔法/雷魔法/雷魔法/光魔法
~~~~~~~~~
【第2王子】
名称:ティルト・バーバ・クランバイア
種族:クリスタルイービル
年齢:23歳
先天属性:水
適正魔法/風魔法/氷魔法/水魔法
~~~~~~~~~
【第3王子】
名称:ガルダン・クランバイア
種族:ハイヘイズイーター
年齢:22歳
先天属性:火
適正魔法:火魔法/土魔法
~~~~~~~~~
【第4王子】
名称:ハイラル・クランバイア
種族:魔神蜂族
年齢:21歳
先天属性:夢/風
適正魔法:風魔法
~~~~~~~~~
【第5王子】
名称:ジンジル・マ・クランバイア
種族:神蜂族
年齢:19歳
先天属性:土
適正魔法:水魔法/土魔法
~~~~~~~~~
【第6王子】
名称:パラミス・クランバイア
種族:イビルクリスタルヤーガ
年齢:19歳
先天属性:水
適正魔法:水魔法
~~~~~~~~~
【第7王子】
名称:ゴードン・クランバイア
種族:グリモアニアエンキ
年齢:19歳
先天属性:土
適正魔法:土魔法
~~~~~~~~~
【第8王子】
名称:シュナウザー・クランバイア
種族:キッズドラゴン
年齢:18歳
先天属性:火
適正魔法:火魔法
~~~~~~~~~
【第9王子】
名称:オラウトン・アーム・クランバイア
種族:ハイエルフ
年齢:18歳
先天属性:植物
適正魔法:植物魔法/水魔法/土魔法
~~~~~~~~~
【第10王子】
名称:ミラ・ヤゴコ・クランバイア
種族:グリモアニア
年齢:17歳
先天属性:光
適正魔法:天候魔法/光魔法
~~~~~~~~~
【第11王子】
名称:アルファス・ノエヌ・クランバイア
種族:雪鬼神
年齢:16歳
先天属性:氷
適正魔法:氷魔法/雷魔法/火魔法
~~~~~~~~~
【第12王子】
名称:ウルファス・ノエヌ・クランバイア
種族:雪鬼神
年齢:16歳
先天属性:氷
適正魔法:氷魔法/雷魔法
~~~~~~~~~
【第14王子】
名称:キーファ・クランバイア
種族:ネオハイエルフ
年齢:12歳
先天属性:植物/命
適正魔法:植物魔法/土魔法/火魔法
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【第15王子】
名称:コルキス・ウィルベオ・クランバイア
種族:ヴァンパイアハーフ
年齢:8歳
先天属性:影
適正魔法:影魔法
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【第1王女】
名称:ベリス・ディスコルディア・クランバイア
種族:ピュアヘイズイーター
年齢:25歳
先天属性:火/水
適正魔法:火魔法/水魔法
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【第2王女】
名称:ジル・クランバイア
種族:魔神族
年齢:20歳
先天属性:無し
適正魔法:火魔法/水魔法/風魔法/土魔法/氷魔法/雷魔法
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【第3王女】
名称:カーミラ・クランバイア
種族:マナフェアリー
年齢:12歳
先天属性:雷/土
適正魔法:雷魔法/土魔法
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【第4王女】
名称:リリアン・クランバイア
種族:ネビュラススノー
年齢:9歳
先天属性:氷/無
適正魔法:氷魔法/火魔法
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【第5王女】
名称:ブリタニカ・クランバイア
種族:ノヴルハイエルフ
年齢:6歳
先天属性:植物/愛/命
適正魔法:植物魔法
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【先天属性】
生まれ持った属性。
この世に生を受ける前から持っているとされる属性であり、基本的に先天属性は増えることはない。ただし、かなり上位の精霊と契約中の場合や特定の条件を満たせば増えることもある。また、この属性によって人生の様々な事が左右され、恩恵を授かったり損害を被ったりする。
【適正魔法】
正しく使用できる可能性のある魔法。
ステータスの適正魔法欄に魔法があれば、それを正しく使用できる可能性がある。通常、適正魔法があればその属性の基礎魔法と呼ばれる極めて小規模な魔法を易々と扱える。それ以上の魔法が使えるかどうかは本人の努力次第である。故に、どの適正魔法も訓練次第で上級魔法までが使えるようになる。ただし特級魔法以上は先天属性と同じ属性の適正魔法でしか使えるようにならない。なお、適正魔法がなくても魔法を使用できる場合もあるが、もれなく暴発または使用直後に魂が消滅等が引き起こされる。
【天候魔法】
クランバイア魔法王国第10王子ミラ・ヤゴコ・クランバイア固有の魔法。その名の通り天候を操る事ができるが、莫大な魔力を必要とする。幾つかの属性が混ざりあっている魔法ではないかと推測されている。
【先天属性無し】
先天属性を持たずに生まれてきたもの。
属性による恩恵を享受する事は出来ないが、良いこともある。例えばどの先天属性とも相性の良し悪しが無い為、先天属性を持つどんなものともフラットな関係を築ける可能性がある。また、適正魔法全てで特級魔法が使えるようになるというのも大きなメリットであろう。しかし、魔法の熟練度は先天属性を持ったものに比べると非常に遅く、尋常ならざる努力が必要である。
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【名 称】黒のすごろく
【分 類】玩具
【属 性】無し
【希 少】★★★★★★★★★★
【説 明】
マスが黒く塗り潰されている1人用のすごろく。
アルフが物心ついた頃から大事にしているもので、マスに止まった際に文字が浮かび上がってくる。この文字は持ち主にしか読み取れない。マスの内容等は遊ぶ毎に変化する。ゴールするとささやかなご褒美が出てくる。