17話 勇者が本当に大変そうだ
本文記載のステータス表記と後書き修正
さっき上の階でちらっと見たときも思ったが、ダンジョンコアはとても美しい。
吸い込まれそうな青色の球体に妖しく光る石の破片の様な物が内包されている。
「見とれてないでさっさと鑑定しなさいよ」
「あぁ、すまな……おい嘘だろ」
鑑定結果は信じられないものだった。
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【名前】無し
【種族】Tダンジョンコア
【職業】迷宮の主
【年齢】12日
【レベル】12
【体 力】-
【攻撃力】-
【防御力】-
【素早さ】-
【精神力】-
【魔 力】-
【スキル】
乗っ取り/状態異常抵抗大/被ダメージ1固定/魔物飼育/飛翔/感知
【固有スキル】
ダンジョンメイク/撒き餌作成/鑑定/復元/自然界魔素吸収/吸収魔素ステータス化/Gブースト/ウルトラブレーザー/毎日成長/透過/自我/全語理解/不滅
【先天属性】火/水/風/土/氷/雷/植物/闇
【適正魔法】ダンジョン内に限り先天属性の特級魔法全て
【乗っ取り】ジル・クランバイア
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「嘘じゃないわ、これが私。もう1つのダンジョンコアは私よりちょっとだけ強くてスキルも違うところがあるけど、ほぼ似たようなものね」
認識を改めないといけないな。
今の俺ではどうやっても勝てないし逃げられない。
まさか俺やアイツよりも強いヤツがいるなんて異世界はとんでもないな、まったく。
「乗っ取りを使うんだろうけど、お前より強いの相手に俺なんかがどう手伝えばいいんだ? はっきり言って役にたつとは思えない」
「そんな事ないわ。あなたの貫通と遠隔操作、あと絶対防御のスキルが必要なの。その為に迷宮猫の首輪をドロップした様に見せかけて作ったんだから」
……嫌な予感しかしないな。
「先ず、迷宮猫の首輪に貫通の効果を付与して私にの中に入れて。もう1つのダンジョンコアは異変を感じて現れるわ。数秒で迷宮猫の首輪の効果が切れるから私はアイツに救援要請をするの。当然あなた達は排除対象として攻撃されるけど、ひたすら耐えてちょうだい」
「お前は攻撃してこないよな?」
「乗っ取りが成功するまでアイツが消耗したら合図するわね。そしたら迷宮猫の首輪を私からアイツの中に入れ替えて。数秒間は私の支配下に置けるから、その間に乗っ取るわ」
「おい!」
「攻撃なんかしないわよ」
本当だろうな。
俺の絶対防御は時間制限があるうえ連続使用できない。
きっと1回の絶対防御だけじゃ時間が足りないだろうから、使えない間は防御結界を全力で高速展開させることになる。
しかも、最後はアイテムの遠隔操作まで……。
「戦闘時間がどれくらいか分かれば気も楽になるんだがなぁ。あと単純な疑問なんだが、このやり取りはバレてないのか?」
回りくどい罠なんてことないよな。
「それは安心して。アイツはダンジョンコア以外とは意志疎通できないから。戦闘時間は……まぁあなたが頑張ればあなたの都合のいい時間になるんじゃないかしら」
憎たらしい笑い顔しやがって。頑張るってのが大変なんだろうが。
「じゃあ、頑張るにあたって何かアドバイス貰えるか?」
「私がアイツの支配下にある内に、その腰に下げた剣をアイツに投げることね」
この剣は使いたくないんだけどなぁ、仕方ないか。
「そうかよ」
「フフフッ、なら始めようかしら」
「ちょっと待て、合図ってどんなのだ?」
「あぁ、そうね。じゃあジルを眠らせるから、起きて叫んだら合図ね。少し離れるからあそこまで行ったら作戦開始よ」
ジルは半分吹き飛んだ巨木を指差すと眠ってしまった。
ダンジョンコアはゆったりした動きで移動を始めた。
「分かった」
ダンジョンコア動きを止めた。
俺は指示通り迷宮猫の首輪を投げ付ける。
首輪は何の抵抗もなくダンジョンコアの表面を波打たせ、中の石に巻き付いた。
その瞬間もう1つのダンジョンコアがどこからともなく現れると、俺と話してたダンジョンコアと1つになってしまった。
あ"ぁ"!?
すかさず鑑定しながら腰の剣を投げ付ける。自動で敵を攻撃をし続けるハウヘトの剣。
攻撃力は強大だが、こいつに効くかどうか……
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【名前】無し
【種族】Zダンジョンコア
【職業】迷宮の主
【年齢】12日
【レベル】23
【体 力】-
【攻撃力】-
【防御力】-
【素早さ】-
【精神力】-
【魔 力】-
【スキル】
同化/状態異常抵抗大/被ダメージ1固定/連続攻撃/魔法威力激増/透過/魔物飼育/飛翔/感知
【固有スキル】
撒き餌作成/魔物作成/魔物上位化/ダンジョンメイク/鑑定/屍喰い/自然界魔素吸収/吸収魔素ステータス化/Eブースト/ウルトラブレーザー/マナバースト/毎日成長/透過/自我/全語理解/不滅/殲滅/同族超越
【先天属性】
火焔/純水/暴風/大地/氷晶/爆雷/呪植物/偽聖/欺闇/時無
【適正魔法】ダンジョン内に限り先天属性の極級魔法全て
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チッ! いきなり話が違うじゃねぇか!!
しかも聞いたこともない先天属性に、ヤバい固有スキルの数々に謎の配列、どうなってやがる!
急いで絶対防御を展開した瞬間、ウルトラブレーザーを皮切りにとんでもないな猛攻が始まった。
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「ね、ねぇソウタ兄ちゃんどうなってるの!?」
全然状況が掴めない。
何でこんな地獄みたいな事になってるんだ?
「後で話す!!」
えぇぇ!?
勇者なのにこんな余裕ないってどういうことだよ。
「アルフ!! とにかくジルが叫ぶまでそのままだ、いいな!!」
「う、うん」
ジル姉様が叫ぶの?
よく分かんないけど確かに今俺に出来ることは無い……あ、卵がいくつか残ってるな。
パープルノヴァでも壊れなかったのがあるんだ。なんかほっとする。
まぁ、だから何だって感じだけど。
「アルフ、もうすぐ絶対防御が切れるから俺の真後ろに来い」
絶対防御!?
勇者ってそんな伝説スキルまで持ってるんだ、本当に凄いな……あれ、でもこの状況で絶対防御が無くなると大変なんじゃないのか?
「絶対防御が切れても大丈夫だよね?」
「何とかする!」
「よ、よかったぁ。さすが勇者だ」
「おう!!」
特級魔法より強そうな魔法を、勇者が防御結界を何重にも展開して防いでる。
なんとなく防御結界を作をるのが追い付いてない様な気もするけど 、きっと大丈夫だよね。
なんか汗かいてはぁはぁ言ってるけど大丈夫だよ……ね?
~入手情報~
【名前】音村奏汰
【種族】異世界人
【職業】勇者
【年齢】23歳
【レベル】290
【体 力】22872
【攻撃力】25981
【防御力】40989
【素早さ】17001
【精神力】50136
【魔 力】32671
【スキル】
全攻撃威力増加/連続攻撃/斬撃数増加/貫通/詠唱破棄/遠隔操作/結界術/体術/剣術/被ダメージ軽減
【固有スキル】
フェイトオブブレイブ/ピュリファイ/スキルブースト/ブラコン/カースチェンジ/スキルの遠隔発動/成長限界無し/聖剣術/絶対防御/闇属性吸収/鑑定
【先天属性】火/水/風/土/氷/雷/闇/聖
【適正魔法】先天属性の特級魔法全て/勇者魔法
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【名 称】フェイトオブブレイブ
【発 現】音村奏汰
【属 性】不明
【分 類】仮面型/固有スキル
【希 少】☆☆☆☆☆☆☆☆
【効 果】
自分のステータス(体力・攻撃・防御・素早・魔力のいずれかでも)を上回る者と戦闘状態になると自動で発動する。
戦闘時間が自身のレベル1/10分間経つとその者のステータスMAX値が自分のステータスに加算される。加算されたステータスは戦闘終了後2分で元に戻る。また、これ以降はスキルブーストを使用時のみレベル1/10秒間同じステータスを加算できるようになる。使えば使うほど日常での絶望感が増していく。
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【名 称】絶対防御
【発 現】音村奏汰
【属 性】不明
【分 類】仮面型/固有スキル
【希 少】☆☆☆☆☆☆☆☆
【効 果】
あらゆるダメージを完全に無効、または打ち消す強力なスキル。ソウタの場合発動時間は4分で、1度使うと10分間使えなくなる。
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【名 称】スキルブースト
【発 現】音村奏汰
【属 性】不明
【分 類】仮面型/固有スキル
【希 少】☆☆☆☆☆☆☆
【効 果】
自身のスキルと固有スキルを自身のレベルの1/10倍強化できる。連続使用不可。次に使えるまでに自身のレベルの2倍秒のインターバルが必要。
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【名 称】ウルトラブレーザー
【発 現】Tダンジョンコア/Zダンジョンコア
【属 性】不明
【分 類】?型/固有スキル
【希 少】☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【効 果】
固有スキルGブーストやEブースト使用時かつ自然界魔素吸収時にのみ発動できる。膨大な量に増幅した魔素のほぼ100%をエネルギーに変換し、あり得ない程の速度で射出する物理攻撃。防ぐ手立てはほぼ無い。
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【名 称】ハウヘトの剣
【分 類】神器
【属 性】不明
【希 少】★★★★★★★
【価 格】-
【効 果】
敵に投げつけると自動で敵を攻撃し続ける剣。装備者が呼び戻さない限り攻撃を止めない。その様子から無限に攻撃を加える剣として恐れられている。柄の中には異世界の椰子という植物の茎が入っており、強大な神力が宿っている。きちんと手入れしないと反抗的になり戦闘に参加しなかったり装備者を攻撃する。