149話 とある子供の見た密談
本文と後書き修正。
アドイードが笑顔で揺れている。
風呂から出て気持ちも臭いもサッパリした俺は、陽当たりのいい中庭に来てまったりすることにしたんだ。
そんな俺に「いい天気だかりゃ、アドイードの踊りぃを見せてあげりゅね」と駆け出したかと思うと、小さな噴水の縁によじ登ってゆらゆら揺れ始めたアドイード。
あれから1時間は経っただろう。なのに今のところ踊りらしさはどこにも見当たらない。無理矢理それっぽいところを挙げるとすれば、たまに空を見上げることくらいだろうか。
ロポリスとドリアード、グルフナも俺に引っ付いて同じくまったり中だ。ルトルだけ家を見て回ると離れここにはいない。
「なあ、ドリアは? さっきも見なかったんだけど」
だらだらしながらも、揺れている無邪気なドリィアド族をいつ捕まえるか考えていそうなドリアードに聞いてみた。
『ドリア? ああ、あいつなら昨日のうちにヒュブクデールへ帰したぞ。ここまで通うわけにはいかないからな』
ん? ここまで通う?
『アドイードがいるのは、昨夜泣き喚いて面倒だったから仕方なく連れて来たんだ』
ほほう、昨日は一緒に寝たはずなのにその後何かがあった臭いな。
『ちゃんとコルキスもいるから安心していいわよ。ドゥーマトラがサボらなきゃ、今ごろセイアッド帝国に着いてたんだけどね。でもルトルがあんなに喜んでるならここに来て良かったかしら』
ここに来て……ルトルが喜ぶ……まさか!!
「ギ!?」
『ちょっと、急に立ち上がったら危ないじゃない! 私たちが普通の人形だったら痛い痛いって泣いてるとこよ』
首ちょんぱしたり、ミンチになるまで殴ったり散々人形を痛め付けてきたやつが何言ってもやがる。ふざけたことをのたまうロポリスを無視して外が見える渡り廊下を目指した。
「ここからじゃ駄目だ」
渡り廊下では高さが足りない。平たくした偽卵に乗って空へ浮かんでみるか。お、風が気持ちいな。
遠くを見渡せる高さに来て分かった。思ったとおりここはミュトリアーレじゃない。
長閑な草原にジオテックドームの家が乱雑に建っている。あの独特な形の家はマデイルナン公国で主流の平民用の家だ。さらに遠くには町らしきものも見える。ただ、薄く靄がかかっていてハッキリとは見えなかった。
先ほどよる湿った風が汗の伝う頬を撫でていく。
『なに言ってるのよ、昨日言ったじゃない。勇者が面倒臭いからドゥーマトラに転移魔法使わせようって』
引っ付いて来ていたらしいロポリスが、肩を蹴って顔の前に浮かび上がった。
「昨日……ロポリスが耳元で叫んで耳がキーンってなった時に話してたやつか。ごめん、本当はよく聞いてなかったんだ」
『はぁ、そんなことだろうと思ってたわよ。まあ概ね予定通りなのよ。本当ならセイアッド帝国まで転移するのが最善だったけど、こうなることは予想してたから。というより間違いなくこうなると思ってたわ』
中庭に戻りながらロポリスが酷いことを言った。
「それならさっきあんな怒らなくてもよかったじゃないか。ドゥーマトラが可哀想だ」
『え? ああ、いいのよ。ドゥーマトラだって分かっててやってるんだから』
「なんだそれ。意味わかんないよ」
『ドゥーマトラは私と遊びたいのよ。ふふっ』
なんか大精霊同士のじゃれ合いみたいな言い方で話を締めくくったけど、とてもそうは思えない。だってあのロポリスのキレっぷりはなかなかだったぞ。まあ、そこを突っつくと面倒なこと言われそうだから放っておくけどさ。
「あ! アリュフ様やっと戻って来た。もうっ! アドイードが踊ってりゅのに急にいなくなりゅなんてダメだよ」
中庭へ戻って来ると未だ揺れ続けるアドイードが文句を言ってきた。やっぱりあれは踊りだったのか。ただゆらゆらしてるだけなのに……。
「一応聞くけど、それ何ていう踊りなんだ?」
「こりぇはね、そよ風に吹かりぇてゆりゃゆりゃすりゅ雑草の踊りぃだよ」
俺が興味を持ったのが嬉しかったのか、アドイードがふにゃっとした笑顔で説明する。言われてみれば、アドイードの揺れはそう見えなくもない。ただ変化が無さすぎて退屈なんだよなぁ。
「あと7時間で終わりゅかりゃ、ちゃんと見ててね」
「7時間!? え、これを7時間!?」
『よかったわねアルフ。じゃあ、私は出かけてくるわ』
ドリアードは無言で姿を消し、ロポリスは空間を歪めるかのような速さで飛んで行った。くそぅ、どっちかに擦り付けて逃げようと思ったのに。
逃げ遅れたからには仕方ない。地面に転がった感じの悪い人形を拾って考える。
残るはグルフナだけ――しかし俺の考えを読み取ったのか、グルフナは悲しそうな雰囲気で嫌だ嫌だと訴えてきた。
なら自惚れみたいであれだけど、アドイードは俺と一緒にいられれば何でも嬉しく感じると思うんだ。
「なあアドイード。踊りもいいんだけど俺はアドイードと一緒に何かしたい。例えば町へ買い物に行ったり草原で追いかけっこしたりとか」
「追いかけっこ!? 草原で!? アリュフ様と追いかけっこ?」
どうやら追いかけっこがお気に召したようだ。雑草の踊りを止めて妙にヤル気満々でアドイードは俺の足元まで来た。
「すりゅ! アドイード絶対アリュフ様を捕まえてあげりゅよ!」
早く早くと手を引っ張って俺を急かすアドイードはやたら興奮している。
『ククッ、いいのかアルフ。草人が進化したドリィアド族と草原で追いかけっこだなんて。きっとそこら辺の感覚は草人と変わってないぞ』
どこからか企み含んだのドリアードの声が聞こえる。どうやら姿は消したけど近くにいるらしい。
そして俺は学習する男。
今ので分かった。《草原で追いかけっこ》きっとこれには種族特有の意味があるんだ。アドイードがヤル気に満ち溢れるほどの。
「お出かけですか?」
アドイードに引っ張られエントランスに差し掛かったところでルトルに出くわした。むむむ、さっきは素の喋り方だったのにもう敬語に戻っている。
「リュトリュ君どいて。アドイード今かりゃアリュフ様と草原で追いかけっこすりゅんだかりゃ」
「ギョワッ!」
少し照れた様子のアドイードが足を叩いてルトルを押し退けようとする。グルフナも外に行きたいから退けとアピールしている。
「草原で追いかけっこ……アルフ様、アドイードは元々草人だったんですよね?」
「う、うん」
一瞬だけ額にシワを寄せたルトルが低い声を出して近付いて来た。
「私もその追いかけっこに参加します」
「えっ!?」
ルトルの発言にアドイードが驚愕の表情を見せた。そのまま徐々に不機嫌そうな顔に変化してぷるぷる震え始めた。
どことなくコルキスを彷彿とさせるこの感じ、俺の可愛がりたい欲求が爆上がりしてしまう。
「アドイード負けないかりゃね!」
「俺もだ。覚悟しとけよ」
ほんわりした気持ちの俺とは違い、アドイードとルトルが険悪な空気を纏って歩き始めた。
アドイードの後頭部にある新芽がブルンブルンと揺れている。あの寝癖って感情が表れるのな。そんなところまで可愛いと感じるのは、もしかしてアドイードもコルキスみたく魅了を使ってるんじゃ……ん、ルトルが寝癖に手を伸ばして――あぁ!
「痛! リュトリュ君、今なにしたの!?」
両手で後頭部を押さえたアドイードが涙目でルトルを睨んだ。
「頭に芋虫によく似た虫が止まってたんだ」
「芋虫……むむ、アドイードおりぇいは言わないよ」
ふんっと顔を反らしてアドイードが足を早める。だけど途中でハッと気付いたように立ち止まると、パタパタと戻って来た。
「なにしてりゅのアリュフ様! 行くよ!」
寝癖の新芽がない……可愛かったのになぁ、あれ。
そんな俺を見ていたルトルは不機嫌な顔を隠そうともせず、千切り取った新芽をポケットに突っ込んでいた。
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「どう? 新しい指示はあった?」
静謐な神殿の最奥で、人形から上半身を出した大精霊が深い闇を纏った大精霊に尋ねている。
「新しい指示だね。うん、あったよ。次の満月までは旧アトゥール邸に滞在するようにだって」
何処にでもいそうな顔、言ってしまえば誰の記憶にも残らない、そんな顔をしている大精霊が静かに答えた。
「そう、分かったわ。それにしても、もうちょっと便利な使い方ができないものかしら」
「仕方ないよ。このこの子はまだ1歳にもなってないんだから。それにいくらナールとはいえ、こんな状態で定期的にアリメロトスルアの魔眼が使えてるのも、僕らと意志疎通が可能なのも奇跡的だよ」
2人は懐かしい場所に来たことで少し気が緩んでいるのかもしれない。別に責める気はないけど、もしその場に叔母がいたらどうするつもりだったんだろう。
「でも、それが分かっててナールを指名したわけでしょ? 肉体はアルフたちに合わせて15歳なんだしもっとできるんじゃないの? 楽したいだけよきっと」
冗談なのか本気なのか分からない愚痴を溢し、光を遊ばせる知り合ったばかりの大精霊。
「アハハ、ロポリスじゃないんだからそれはないんじゃない? 僕らと同じで必死だったわけだし」
「まあ……そうよね。あの時は時間もなかったし。あ~あ、この子がジールの息子じゃなきゃ、こんな面倒臭いことしなくて済んだのに」
そうは言っても面倒事に飛び込んでいかなければ辛いまま。皆そう分かってるはずだ。
「そんなこと言って、本当は1番責任感じてるくせに。ジールが最初に召喚した精霊が君だからって気負いすぎだよ」
「なら早く常闇の大精霊になってよね。そうすれば私の負担も軽くなるんだから」
「それはコルキス次第だね。殺すの止めたんだろ? 僕がデヌシスの運命に乗せたっていうのに、わざわざドゥーマトラがコルキスの時間を戻すように仕向けてさ。僕だってコルキスを条件通りに育てるのには苦労したんだよ?」
「だって、アルフがあんなにコルキスを大切にするとは思わなかったんだもの。2人の記憶はそのままなんでしょ? だったらやるしかないじゃない。デヌシスの運命なんてそうそう覆せないし」
「できるのはドゥーマトラかこの子か、だよね。でもお陰で手間が増えちゃったね。僕が言うのもなんだけど、ロンドアミカの子孫を大精霊以外が殺すのは骨が折れるんじゃない?」
「それは方法を考えてるからいいの。ところでこの子の呼び方、そろそろ統一しましょうよ。私、ユウタってあのヤりたがりを思い出すから嫌なんだけど」
「またそれかい? それは僕が常闇になれたら勝負して決める約束だろ?」
「ねぇ? イチャイチャしてるとこ悪いけどいいかしら?」
光りを遊ばせる大精霊とは別の、妖しい光を放つ知らない大精霊が2人を遮った。正確にはユウタだのこの子だのと呼ばれている氷塊の奥から声が出てるんだけど。
「イチャイチャなんかしてないわよ」
「そうだよナール。それでどうしたの?」
「はぁ。あのねルトルってタイタンがいるでしょ? そろそろあの子に妹の――」
妖しい光を放つ大精霊はゆっくりと次の指示を出し始める。
「ルトルはシュナウザーとミラに接触させてあるから簡単――」
「アハハハ、仕事が速いなぁ。でも希少魔法保護法なんて悪法をよく考え付いたよねロポリス。じゃあバドルたちのことは僕が――」
嘘ばっかりなのにバレてないなんて本当、大精霊ってすごいな。お陰できっと計画は順調に進むだろう。
安心はできないけどきっと上手くいく。そう大精霊たちは話していた。
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こんなのおかしい!!
俺は追いかけっこをしようって言ったんだ。なのに魔法や植物を使って俺を捕まえようとするなんて、これじゃあまるで追い魔法かけっこじゃないか。
ルトルの魔法は強制連結で俺の魔力を使ってるからミステリーエッグで卵にできない。
対してアドイードは基本的に魔力や魔法で植物を操っている。だけどミステリーエッグでそれらを卵にしたら、すぐに固有スキルを使って草の葉や根っこを操作するようになった。大きさも数も何を考えてるんだって勢いで。
ここは見渡すかぎり穏やかでどこか懐かしさも感じられる平原だったのに、もうしっちゃかめっちゃかだ。
草の葉や根が大中小と入り乱れ天を仰いでたり、ルトルが土魔法で隆起させた大きな岩石や、乱発した石槍がそこらじゅうに残されている。おまけに面白半分で着いてきてたドリアードが悪ノリ。俺が空中へ逃げようとするたびに、頭上に入り組んだ植物の根や、改造した鋭い葉とヤバそうな形の花を出現させて邪魔をするんだ。
それらも当然そのままで……もう、ある種のダンジョンのような光景と化してるんじゃないだろうか。
俺の意思を汲んだグルフナが頑張って食べてるけど全然追い付いていない。これ、下手するとネダラケンガ地帯のようになるんじゃ……。
「待て待て~。アリュフ様、アドイードだよ――あ、なにすりゅのリュトリュ君!」
「アルフを捕まえるのは俺だ」
足を引っ張りあってるうちに距離を稼ごう。防御と反撃に回していた偽卵を移動用に引き寄せる。
逃げながら攻撃しても、偽卵での攻撃は物理攻撃だからいくら大きくしようが、砂粒大にしてヤスリの如く高速で削ってみても、ルトルやアドイードの展開する緑の紗幕や第5の孤立した巨岩といった高度な防御魔法を突破できない。
互いに邪魔しあっててもきっちり防ぐんだもんなぁ。ドリアードにいたってはあんなに硬い偽卵を破壊するんだぞ。
一応、アドイードの魔力で作ったミステリーエッグの卵もある。3つだけ。それをルトルたちに1つずつ割り当てて攻撃してみたけど、巧みにその卵だけを避けるんだよなぁ、もっと卵はあれば話しは変わってくるのに。
でもルトルかアドイードに近付いてミステリーエッグを使うのは論外だ。この状態で突撃すれば絶対捕まる。
面白がってるドリアードの説明だったから本当かどうかは怪しいけど、《草原で追いかけっこ》の意味を知ってしまった今、何がなんでも2人に捕まるわけにはいかない。
『クククッ、楽しいなぁアルフ! つくづく学習しないアルフのお陰でこんなに楽しいんだ。なんなら一生頭空っぽのままでいいぞ』
「ふざけんな!」
今のドリアードはとても生き生きしている。俺が困ってるのがそんなに楽しいのかよ。
『ほ~ら、そんなに浮かぶと巨大ワニ型黒種草が喰いつくぞ』
いつの間にか頭上に、細裂した葉を伴った青い花弁の中心から馬鹿みたいに大きなワニが10頭ちかく生えていて、食い殺さんと襲いかかってきた。
「あ、あああ……」
俺は気付いた。最も危険なのはハイテンションのドリアードだということに。こいつに比べれば、ルトルの魔法やアドイードの植物操作なんか可愛いもんだ。
俺の貞操を脅かすルトルとアドイードに命を脅かすドリアード。この地獄の追いかけっこはロポリスが帰って来るまで続いた。
追いかけっこなんてもう絶対やらない。
~入手情報~
【名称】千切り取った新芽
【分類】増殖具
【属性】植物
【希少】☆☆☆☆☆☆☆☆☆
【価格】-
【ドリアードのワクワク解説】
アドイードの後頭部に生えていた可愛らしい寝癖だ。
ルトルが千切り取ったせいで特殊なアイテムと化してしまった可哀想な新芽だな。本来なら花を咲かせアドイード喜ばせるはずだったのに。特殊な土に植えるとドリィアド族が生えてくるかもしれないし、そのまま枯れるかもしれないぞ。
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【名称】旧アトゥール邸
【分類】実家
【属性】土
【希少】☆☆
【価格】セイアッド白金貨120枚
【ルトルのノスタルジック解説】
アトゥール辺境伯が暮らしていた領主館だ。
アトゥール家が取り潰しとなったあと、そのまま放置された俺の実家。元は神殿して作られたらしいが、時と共に要塞として増改築を繰り返すようになり、その役目を終えて、今のような貴族の館になったという。神殿や要塞の部分には隠し通路を使わなければ辿り着けない。よくフルアと隠れんしたものだ。旧アトゥール辺境伯領の領都から徒歩15分程の平原に建設されている。建材には希少な鉱石がそれとは気付かれないよう使用されている。ああ、どこもかしこも懐かしい……。
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【名称】緑の紗幕】
【分類】上級植物魔法
【効果】☆☆☆☆☆
【詠唱】ネダラリアードロススⅨ型魔法言語/乱文不可
【アドイードのふんすふんす解説】
エメラルドみたいな綺麗な宝石状の葉っぱを作りゅよ。それに写った魔法を反射できりゅの。物理攻撃にも強固な防御力を発揮すりゅんだよ。魔力の消費量を通常の何倍したかによってシ葉っぱの形状が変わって、反射する魔法の威力も上がってくよ。
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【名称】第5の孤立した巨岩
【分類】特級土魔法
【効果】☆☆☆☆☆☆
【詠唱】アドロネダイザーⅤ型魔法言語/乱文不可
【アトゥール家魔法指南書より抜粋】
一切の凹凸が存在しない巨大な長方形の物体を作り出し、それを分割、湾曲など自由に変形させ様々な攻撃を防御する。その防御力は凄まじく、並大抵の攻撃では傷すらつけられないだろう。追加で体力を消費すれば、第4までの孤立した巨岩を通常の1/10の魔力で発動可能になる。
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【名称】巨大ワニ型黒種草
【分類】古生物草
【分布】マトラ平原
【原産】マトラ平原
【属性】植物/水/毒
【希少】☆☆☆☆☆
【価格】-
【アルフの被害報告より】
ドリアードが雑草を改造し作り出した新しい植物だ。
攻撃に特化した10メートル~15メートルのワニ型の花であり非常に獰猛。移動はできないが、黒い牙状の種や毒の花粉を高速で発射することもある。材料は青いニゲラとヨモギ草、マトラ平原ワニ。恐ろしいことに1代限りの植物ではなく繁殖が可能らしい。魔物のランクに換算するとA+くらい強さだ。こんなの植物って言わないだろ!!
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【デヌシスの運命】
予め決められた死の運命。
この運命に乗ってしまうと確実に志半ばで死亡してしまう。この運命の存在を知っているのは基本的に神と精霊だけである。