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目の前に白が広がる。

太陽を直視する以上の痛みが目に走る。目を瞑り手で囲む。

あれ、そういえばどうしてこんなことになったんだっけ....


....確か、私は高校からの帰り道、本を開いて歩きながら勉強をしていた。

これは確かに足元が見えないから危ないだろう、案の定(なのか)私は何かに躓いた。

生憎と私にはすぐに謝るということをしない。だから今回もそのまま無視して家へ帰ろうとした。

フッと手のようなものが私の左足を掴んだのだ。

私は吃驚して掴まれた足を咄嗟にあげた。

だが離してはくれない。

後ろを振り返り、イチャモンでもつけようと言葉を探す。

因みに謝る気はない。

後ろを振り返り、地面をみる。

掴まれた足(・・・・・)から何か光っていたのだ。

それは徐々に広がり、半径が1mと50cmほどにまで広がる。

まるで自分の呼吸に合わせて大きくなっているような気がして、風船を膨らませているようだった。

ありえない

周りを見渡す。人通りもない。心なしか外が深夜のように暗い気がする。学校から出たのはまだ日も沈まぬお昼だったはず....

周りの建物や世界(・・)がまるで生気が消えるかように暗くなっていく。

怖くなって過呼吸になる口元を手で覆い、呼吸を整えようとする。

私はずっと立ち止まって、呼吸に合わせて広がる足元の光に怯えた。

半径5mほどに差し掛かった時、ふと地面を見つめていると、光がおかしいことに気づいた。

波紋状になってなり、円が重なっていたり、図形が書かれていたり、カタカタカタとまるでキーボードで打っているかのように次々と文字が浮かび上がる。

いっぺんに起きた非現実的な出来事に私は圧倒され、情けなく恐怖した。


私は、訳がわからなかった。

これは夢だと、しゃがみこみ肩にかけたバックを下ろして、目をギュッと瞑り両手でさらに目を覆う。

肌寒く感じてきた。

きっと私は、訳も分からずここで一生を終えるのだろう。

何に怯えているのか、自分でも分からずここで途絶えるのだろう。

いつかの恋愛漫画でも言ってたじゃないか。

「女は弱い」と、

友達に勧められて読まされる恋愛漫画は大抵この言葉が入る。そしてそのたびに本を閉じて静かに勉強をするのだ。

勉強という名のゲームだが。

そもそも私は勉強らしい勉強といえばゲームくらいだ。さっき読んでいた本はとあるゲームの攻略本だ。

家に帰るまで徒歩じゃ長いから攻略法を頭に叩き込む魂胆だ。我ながらすごい。

とぐるぐる考えるも、いつまで経っても痛みはこない。

手の震えも止まる。恐る恐る目を開けると目の前にまで文字列がかかっていた。思わず小さい悲鳴をあげる。

しかし、冷静になった今その文字列を冷静にみつめることができた。

はっきりとしてくる。

それは...英語だった。

日本語でない。英語だ。

ここでも英語を使うのかとか、勉強はうんざりだとか、でもゲームは楽しいだとか、とりあえずその文字に触れる。

凹みができたわけでもなく、空気中で光っているようだ。

触れても何も感じず、目と光の間に腕を割り込ませ光を遮れりことぐらいが変化だろうか。

英文をじっと見つめ続ける。頭がガンガンとまるで除夜の鐘をデタラメに打っているかのようになりだす。

また息も浅くなり、口元を押さえてどさりと地面に横になった。

瞼が重くなる。

明るい。

腕で光を精一杯遮り私は眠りに落ちた。


・・・・

・・・・

・・・・


___そして、寝ている私の頭が早鐘を打ち、目に1000本の針が当たっているかのように痛み出す。とんでもない痛覚が私を襲う。

これじゃあ目を開ける余裕もない。こうなるくらいなら目を抉りたいくらい痛い。

私は喉から溢れんばかりの喘ぎ声と悲鳴をバックに、目を瞑り手を添える。

そして冒頭に至る。

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