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そして…
朝の校門。同級生の東山恵理子が立っていた。
「おはよう!」
「どうしたの?」
「ちょっと、話が…」
恵理子は僕を校舎の陰に連れていった。
「用って何?」
「私ね、遼のこと、結構好きみたいなんだ…」
「えっ?」
僕は続けた。
「だって僕には彼女が…」
「でもうまくいってないんでしょう?」
…
「だったら、すぱっと別れて、気分変えない?」
放課後。
僕と東山恵理子は、手をつないで歩いていた。
恵理子の笑顔に、僕も久しぶりに明るい気分になった。
そしてベンチ。
「楽しかった。こんないい気分、何日ぶりだろう」
「楽しいって思ってもらえてよかった」
「じゃあ、しよう…」
「何を?」
「決まってるじゃない…」
僕らはキスをした。