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交換
放課後、ファストフード。
僕と菜穂子と由加里が、一つのテーブルに座っている。
由加里が口を開いた。
「もともとは、私と遼が付き合ってたはず。もとにもどしたいの」
「そう…」
菜穂子がつぶやいた。
「私にも迷いがある。由加里がそういうなら…」
「僕はどうなるんだよ!」
僕は、僕抜きで話を進める二人を止めた。
「じゃあ、あなたはどうしたいの?」
そう。僕はどうしたいいんだ?
「…わからない」
「じゃあ、私の思うようにさせて!」
由加里が言った。
「…いいわ」
菜穂子が言った。
「遼は?」
「それでいい…」
店を出て、僕と由加里は手をつないで街を歩いた。