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別れ
放課後。
菜穂子に誘われて、僕らはファストフードの店に集まった。
「私の確信、遼が彼氏なんじゃないかって思い。すごく強いの」
彼女の強い語調に、由加里が続けた。
「私の不安。遼が彼氏じゃないんじゃないかって疑問も、ね」
「どうしたらいいんだろ?」
「私、遼と付き合わずにいられない!」
菜穂子の目がうるんだ。
「…いいわよ」
由加里がつぶやいた。
「何がいいんだ?」
「遼と付き合っても…」
「僕の気持ちはどうなるんだよ!」
「あなただって揺れてるんでしょ?遼」
確かに僕の心は揺れていた。
「私も、こんな気持ちで、遼と付き合い続けるの、耐えられないって思ってたの」
「じゃあ…」
「別れよう。私たち」
「いいの?」
菜穂子が僕に聞いた。
僕は少し考えて、そしてうなづいた。