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【短編】Spring Call

作者: 空風海翔

―はーるよ 来い。―

―はーやく 来い。―


今日はとてもいい天気。

買ってもらったランドセルと一緒に 今日はお外に出てみよう。

向こうの丘の上にある 小学校まで行ってみよう。


―はーるよ 来い―


小鳥たちの合唱を聴きながら 私の足取りは羽のように軽い。

坂道だって へっちゃらよ。

ちょっと上を見上げれば あっちこっちで桜のつぼみが膨らんでいる。

だけど ちょっぴり外は寒い。


―はーやく来い―


私は春から小学生 ピッカピカの一年生。

友達百人できるかな? 

お友達と 縄跳びしたり お手玉したり 色んな事していっぱい遊びたい。

お友達と 宿題を見せっこしたり お勉強会もしてみたい。

私の夢は おっきく膨らむ。


―はーるよ 来い―


ちょっと日差しが強くなってきた。

そこで登場 こっそり借りてきたママの傘。

白いレースが付いていて、いかにも「おとなの女の人」って感じの傘。

ママの真似をして 私も傘をさしてみた。

でも、何でお天気のいい日に傘を差すんだろう。

ちょっとフシギ。


―はーやく 来い―


気が付いたら もう丘の上の小学校に着いちゃった。

ちょっとだけ疲れちゃったのはナイショ。

小学校は閉まっていて 中には入れなかった。

その代わりに私だけが知っている 町を見下ろせる「桜の木の丘」に足を運ぶ。


うわぁ・・・


下の町は もう桜色。

振り向いてちょっと上を見上げると もうすぐ咲きそうな桜のつぼみ。

暖かい所から順番に桜が咲いていく 「さくらぜんせん」って本当にあったんだ。

大発見!



向こうの町から順番に 春がやってくる。

あと少しで この場所にも春が来る。


でも

ほんの数分でも。

ほんの数秒でもいいから。

私は春が早く来てほしくて、ついこう口ずさんでしまう。



―はーるよ 来い。―

fin...



短編「Spring Call」。

最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。

こちらの作品は、昨年冬に書きあげた物です。


ここ最近になって急激に冷え込み、ようやく「冬らしくなった」と言えばそれまでなのですが・・・。

個人的に冬は苦手なもので、私と同じく「早く春が来ないかなー?」という思いを持った女の子のお話です。


おろしたてのランドセルに心踊らせた時の事。

母が使っていた小物がおしゃれに見えて、自分も母のマネをしてみたかった時の事。

女の子にとっては、誰もが経験のある事ではないでしょうか?



読者様が、どことなく温かくて懐かしい気持ちになって頂けたら、海翔は嬉しく思います。




こんな感じで、これからもユルユルと文章を書いていきます。


それでは、また別の物語で・・・。

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