表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

詩集

朝陽

作者: ロースト

朝陽


暗闇で生きてきた僕らには眩しすぎる陽が朝を告げる。

それが何もかもに諦めを促し、

誘いに導かれるようにすでに動かない身を、意思までも託し、委ねる。


力を持たせるよう、温かみを取り戻すよう、握り締めた指。

冷たく、動かそうとする意志さえも感じ取れないほどに固まっている。

諦め、仕方ないんだというように笑顔を見せる君。

僕は絶望に暮れ、何も言えず、

それでも信じたくなくて、抗うように凍った指先をさらに握る。

景色は涙で滲み、現実感が薄れている。


「生きる」ということは、いつかは「死ぬ」けれど、

終わらないものなどなくて、不変も永遠もまやかし。

必ず、どこか目にみえなくても絶えず変わってゆき、変動も変化も真実。

わかってる。


だから、せめて、

君に声かける時間を、君を抱きしめる時間を、

ほんの少しだけでいい。


別れるための時間を下さい。



あたしはもういかなければならないの。

時が止まるはずはないから。

「生きたい」そんな些細な願いさえも、

風に吹かれ、誰の耳にも届くことなく、消えていく。

血が張り付いた喉はひりひりし、願望という餓えが残る。


この先、未来には何が待っているのだろう。

どんな結果だろうと、受け入れなければならない。


二人の運命は平行線

決して一つになることはない。

あたしの道はすでに閉ざされ、硬く、暗く、先はない。

けれど生者の君には明るく、いくつもの先が用意されているから。

振り返っては駄目。

立ち止まっては駄目。

君は強いから。



立ち尽くす。

君といた街は(ゆが)み、(ひず)み、

君がいた記憶は僕の胸の中で溢れ出し、

深く、深く、

悲しみの泉が出来上がってる。

僕はそこに溺れ、浸り、絡められ、

未だ立ち上がることすら出来ないんだ



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ