第5話 たいりょくそくてい!シャトルラン★
体育館。
冬とは思えないほど日差しがぽかぽか差しこみ、
木の床がピカッと光っている。
ビッ…ビーッ…(シャトルランの電子音・準備)
◆4人、スタートラインへ
もこ(ミルクティー外ハネ・ゆる半開き口)
パステルベージュのゆるパーカーの袖をぎゅむっとつかみながら、
「え〜……今日は……走らない…日だった…気がするんだけどぉ〜〜……?」
めい(黒髪ストレート・ツリ目)
腕組みでキリッと前に立つ。
「“だった気がする”じゃない!
今日はシャトルラン!!体力測定!!!」
はっきり(ミントツインテ・キラキラ目)
片耳を押さえながら大声で、
「えっ!? “キャラ弁の具を混ぜる”?!」
めい
「混ぜないし作らないし聞いてないです!!」
けむる(灰紫ショート・眠ボクっ娘)
袖の長いふわセーターのまま、ぽてっと近づき、
「やぁ……ボク、もう……眠気で80%走った気がする……」
めい
「始まってないです!!」
◆そして“もこ問題”が発生する
もこ
「もこ、深呼吸しよ〜……吸って〜……す〜〜……ふにゃ〜って……倒れそう〜……」
体がへなっと前に折れた瞬間、
めいが急いで支える。
めい
「もこ!!まだ0往復!!!?」
はっきり
「えっ!?もこ爆発した!?」(※毎回語彙が悪い)
めい
「してない!!爆発しないで!!」
けむる(半目のまま)
「爆発したら……体育館の床のワックス……飛ぶよね……」
めい
「現実的な心配やめて!?」
◆スタート!電子音が鳴る
ビーッ!
はっきり
「いっくよーー!!!(聞こえてない気合)」
ミントツインテが風でぶんっ。
もこ
「ひ〜〜……もこ……まってぇ〜〜……」
足だけはちょこちょこ動いてるけど顔がとろ〜ん。
けむる
「……はぁ……走りながら夢見れたらなぁ……」
(※絶対無理)
めい
「けむる、寝ないで!!もこ、腕ふって!!はっきりは速すぎ!!」
◆事件:聞き間違いトリガーが作動する
突然、はっきりが振り返り全力で叫ぶ。
はっきり
「えっ!?“めいっち倒れた!?”
“けむる蒸発した!?”
“もこ四分割した!?”」
めい
「一文字も合ってないです!!!」
混乱したはっきりが急停止 →
けむるがぽてっと激突 →
めいがよろめく →
もこが「ふにゃ〜〜〜!」と座り込む。
体育館の真ん中で、4人がきれいにドミノ倒し。
◆そこに最悪のタイミングで“見た目マフィア”副担任
体育館の扉が“ギィ…”と重低音で開く。
逆光。
黒ジャージの大きい影。
声はもはや人をビビらせるためにある。
轟木ダイゴ先生
「…………お前ら」
4人の背筋が一斉に伸びる。
轟木先生
「シャトルランで……
集団自爆……?」
めい
「自爆はしてないです!!事故です!!」
はっきり
「えっ!?“味噌ラーメン食べました!?”」
めい
「言ってません!!どの耳で聞いてるんですか!!」
けむる(前髪で目が隠れながら)
「先生……声が体育館の反響と合わさって……ボクの眠気全部飛んでいきました……」
轟木先生
「寝るな」
もこ(首ちょこん)
「せんせぇ……もこ……0.5往復しかしてないんだけどぉ……?」
轟木先生
「せめて1往復いけ」
◆怒られる(優しいタイプ)
轟木先生(腕を組み、低音)
「……お前ら。
走る時はまわりを見ろ。
聞き間違えるな。
寝るな。
ふにゃふにゃするな」
4人
「項目多い!!?」
はっきり
「“ふにゃふにゃするな”って誰のこと!?もこ!?ボク!?えっ!?」
もこ
「もこぉ〜……たぶん……全部の項目……対象かも〜……」
轟木先生
「……よし、次いくぞ。
“静かにシャトルランを続けろ”」
めい
「静かにシャトルランって無理なんですけど!?」
はっきり
「せんせー!!“しゃぶしゃぶラン”?!」
轟木先生
「もう聞き間違えるなァ!!!」
体育館が震えるような低音が響きわたり、
4人がそろってビクッ。
もこ
「ふ、ふえぇ……体育館が……怒ってるぅ……」
けむる
「床のワックス……割れなかったの奇跡だよ……」
めい
「感想が細かい!!」
★こうして体育の授業は、反省会みたいな空気のまま終了した。
4人
「おつかれさまぁぁぁぁぁ……」




