表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あいまいもこ!  作者:
3/6

第3話「ざいけいほーてーしゅぎってなんやねん!!」

「ざいけいほーてーしゅぎってなんやねん!!」


もこの朝の絶叫が、丘の下高校1年A組に漂う。

もちろん、もこは関西弁じゃない。ただ勢いだけ。


「ボク、なんか今日の語感つよいね……」

ふわりけむるが目をしぱしぱさせる。


「罪刑法定主義……法律用語だね……」

うすらはっきりが淡々と調べる。


「いやさ、昨日の現代社会の授業でさ……」

と、もがぽそりと言った瞬間——

4人の頭に、境目ソシオ先生の授業の記憶が蘇った。


教室の扉が開いた瞬間。


「罪刑法定主義ばんざあああああい!!!!」


境目ソシオ先生(人当たりはいいが話が通じない)が、

なぜか笑顔で叫びながら入室したのだ。


「みんな、今日も“境界”と仲良くしようね」

穏やかな声なのに、言ってる内容が不穏。


黒板に “境界線の歴史” と大書し、授業開始。


「古代文明は境界を引いた。

 中世は境界を曖昧にした。

 近代は境界に怒った。

 そして現代は境界を見失った。」


もこ(心の声:え、今日現代社会だよね?)


ふわりけむる「境界って……地理の話?」

境目先生「すべてだよ」


4人の理解度:1%。


しかし先生は満面の笑み。

※話は通じてないが、人当たりは抜群。


◆【現在】


「……というわけで、なんで叫んだのか全然わかってない」

もこが締める。


うすらはっきり「語気が強すぎたね……」


そのときだった。


扉バーーーーン!!


「罪刑法定主義ばんざああああい!!!!」


出た。

境目先生、二日連続、全力。


「境目先生!!なんで叫ぶんですか!?」

もこが勇気を出して聞く。


境目「君たち、元気になっただろう?」

4人「なってません!!」


境目先生は穏やかな笑顔で、目を細めて語り出す。


「罪刑法定主義とはね……境界線なんだよ……

 境界は文明の始まりであり……」


ふわりけむる「(はい出た境界)」

も「(今から宇宙まで飛ぶやつ)」

もこ「(覚悟決めよ)」


予想通り、話はすぐ宇宙へ大脱線。


境目「境界線を越えたとき文明は生まれ、

 越えすぎたとき文明は眠る。

 だから私は呼ぶんだ……ばんざーい、と」


4人「(何の話!?)」


沈黙が流れたあと——


境目「……あと、語感が好きでね」

もこ「そっちかい!!」


◆ラスト


ふと後ろを見ると、いつのまにか穏ヶ原先生(やさしいおじいちゃん担任)が立っていた。


「境目くん……職員室では、あれ叫ばないでねぇ……

 先生たちがビックリしちゃうからねぇ……」


境目「は、はい……」


4人「そっちの注意なんだ……」


今日も丘の下高校は、あいまいで、もこもこしていて、ちょっと意味不明である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ