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あいまいもこ!  作者:
2/6

第2話「かんぎゅーってなんやねん!」

昼休み。教室の隅でプリントをのぞきこんでいた あいまいもこ が、突然両手を上げて叫んだ。


もこ

「か、かんぎゅーってなんやねん!!!」


クラス中「!?」となる。


しっかりめい

「ちょっと待って。あなた普段そんな喋り方しないでしょ!? どうしたのよ急に!」


もこ

「ご、ごめん……なんか……勢いで……。でも……これ……読めなくて……」


プリントには大きく書かれた四字熟語――


汗牛充棟かんぎゅうじゅうとう


うすらはっきり

「“かんぎゅーじゅーとー”!?!? 牛十頭じゃん! 絶対牧場の授業じゃん!」


ふわりけむる

「ボク……牛が汗かいてる……アニメみたいな映像が……頭に……」


めいはため息をつき、スマホで辞書アプリを出す。


めい

「はい調べました。“汗牛充棟”は“本が多くて、運ぶ牛が汗かくくらい”って例え。牛十頭ではありません!」


もこ

「じゃあ……牛……出ない……?」


うす

「いや出るでしょ!? 汗かいてるって言ってるよ!?」


けむる

「牛……がんばりすぎじゃない……? ボク、ちょっと泣きそう……」


めい

「泣かなくていいのよ! 牛はイメージなの! イメージ!!」


それでも3人の表情は曖昧・ふわふわ・聞き間違えまくりのまま。


めいは黒板に大きく書き出す。


めい

「まとめ! “汗牛”=“牛が汗かくほど”っていうたとえ。

“充棟”=“家に積み上げるほど”本が多いこと。」


もこ

「ふむふむ……つまり……牛が……汗を……かくほど……?」


めい

「そう! でも実際に牛は運んでません!」


うす

「じゃあ牛は……幻の牛!?」


めい

「ちがう!!普通の牛!!」


けむる

「普通の牛が……幻のように働かされてる……?」


めい

「なんでそうなるのよ!!」


教室の後ろで見ていた担任の穏ヶ原先生がほほえむ。


穏ヶ原先生

「まぁ、牛さんに感謝して本を読めばいいんじゃよ」


続いて体育の轟木先生が現れ、黒板をにらむ。


轟木先生

「……“汗牛充棟”だ。覚えておけ! 牛を甘く見るなよ!」


4人

「(どっちが本気なの!?)」


こうして1年A組の“牛騒動”は、結局最後まで曖昧なまま終わっていった。


ーーーーーーーーーーーーー

 穏ヶおだやはら先生:担任


超優しいおじいちゃん先生


全員を見守るタイプ


“ふわっとした曖昧さ”を許すどころか推奨してしまう


職員室のお茶コーナー担当


  轟木とどろきダイゴ:副担任(体育教師)


見た目マフィアな副担任。生徒から超恐れられている。


年功序列を神レベルで重んじる


穏ヶ原先生(大先輩)には絶対に逆らわない


礼儀が厳しいのは「先輩に恥をかかせないため」


穏ヶ原先生の前だとやや柔らかくなる


生徒に対して厳しいのも「大先輩のクラスを乱すな」という信念から

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