表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

10/61

Chapter10【叙事詩の者たち】

あれから十日が過ぎ、ついに魔王軍が魔王城から出撃した。

朝霧に霞む城門の前、整列する軍勢の威容に、魔族の住民たちは息を呑んだ。


太鼓の音が鳴り響き、行進する兵たちの甲冑が朝日にきらめく。

その堂々たる出発に、沿道の魔族たちは歓声を上げ、旗を振って見送った。


隊列の中でもひときわ目を引いたのは、四天王飛竜軍のリヴァイアの姿だった。

彼女は深い碧色へきしょく竜鱗りょうりんを模した甲冑を身にまとい、まるで戦場を翔ける竜の化身のようである。


それを見たハル子は、思わず口元に笑みを浮かべた。


「リヴァイアよ、なんか……あの黒いロボットみたいだな」

軽口を叩くと、リヴァイアは目を剥いた。


「やめてください! あんな鉄塊と一緒にしないでください!」

怒ったように叫ぶが、恥ずかしそうな仕草を隠せないでいた。


(……まあ、私もこの漆黒の鎧に真紅のマント。外見だけなら、ある意味ロボよな……)

ハル子は内心、自嘲気味じちょうぎみにそんなことを思う。


やがて巨大な魔王城の門が見えてきた。

城門の上や沿道には、多くの魔族たちが並び、熱狂的に手を振っている。


その中央、黄金の装飾を施された巨大な竜ラプトルの背に、

魔王ハル子はゆったりと座っていた。

その威風堂々たる姿は、まさに王そのものである。

赤いマントが風になびき、遠くからでも目を引いた。


「魔王様! ばんざい! 魔王様! ばんざい!」


誰かが叫ぶと、それに呼応するように歓声が巻き起こる。

魔王軍はまるで祝賀のパレードのような雰囲気で、城を後にした。


そして―――その進軍に大地が震えた。


第一陣 ― 飛竜部隊 リヴァイア軍(2万)

先陣を切るは、飛竜リヴァイア率いる鋼鉄の突撃軍団。

彼女の眷属であるリザードマンたちは、鋼の鎧に全身を包み、

槍と盾を構え整然と歩を進める。

その行進はまるで大地を打つ雷鳴のよう。

空にはリヴァイア自らが飛竜の背に跨がり、

漆黒のマントをたなびかせていた。


第二陣 ― 不死騎軍 リリス軍(2万)

続くは、氷結のリリスが率いる不死騎軍。

その行進はまるで葬列そうれつのように静かで、

不気味な威圧感を伴っていた。


先頭を行くのは中位アンデッドのスケルトル・コンパニオン一万五千体。

呪文と結界で強化された骸骨兵たちが、銀の盾と黒の剣を携え、

地を滑るように進む。


その後ろには、重厚な甲冑を纏った上位アンデッドスケルトル・ナイト三千体。

全身に魔法の炎を纏い、無言のまま行進するその姿は、まさに死の騎士そのものであった。


そして最後列には、漆黒のローブに身を包んだウィザー(死霊魔導士)二千人。

彼らは呪文を小声で唱えながら、歩くたびに大気を冷たく歪ませていく。


第三陣 ― 本軍・影偵軍 ビゼ軍(1万)

そして最後尾を務めるのは、魔王ハル子直轄の魔王軍本軍。

その中核を成すのは、影の軍団を率いるビゼ。

彼女の配下――暗黒の騎士〈シャドウ・レギオン〉たちは、

黒いマントを翻しながら、無音の中で進軍していた。


彼らの姿は、時に影となって地に溶け、時に実体を持って槍を構える。

その行進は、見る者に“恐怖”と“神聖”の二つを同時に感じさせる異様なものだった。


数時間後——


見渡す限りの草原が広がる、壮麗なタリム平原に到達した。

風が草を撫で、一面の緑が波打つように揺れている。

青空の下、遠くには雪を頂いた山々が霞んで見えた。


挿絵(By みてみん)


その光景に見惚れていたハル子のもとへ、ビゼが現れた。


「あの・・・・魔王様、進軍開始から・・・四時間ぐらい経過してます。一度、小休止してはどう・・・・でしょう」

僕っ子としては頑張った話し方である。


「うむ。そうだな」

ハル子は頷くと、ラプトルを止め、全軍に命じた。


「ここで小休止を取る。休憩は一時間とする」


「かしこまりました・・・・第1軍、第2軍へ伝えに行ってきます・・・」

そう言うと、ビゼの身体がすうっと影に溶けていった。

そしてそのまま、地面を這うように前方へ疾走していく。


(うわ、ほんとに影になった……夜だったら最強じゃん。偵察とか、暗殺とか、なんでもできそう)


内心で感嘆するハル子。

自分の軍には本当に多種多様な才能が集まっていると実感した。


やがて、野営の準備が整い、テントが張られ、豪勢な椅子やテーブルが並べられた。

漆黒の影のような姿をした魔族が一体、静かに現れ、恭しく礼を取る。


「魔王様……こちらへどうぞ」


「うむ」


マントをひるがえし、椅子へと腰掛けるハル子。

その姿には、自然と王者の風格が漂っていた。


そのとき、慌ただしくリヴァイアが駆け寄ってきた。


「ちょっと、魔王様……少し、お時間をいただけますか?」

その声はやや緊張を含んでいる。


「なんだ、どうした?」


「……とにかく、こちらへ来ていただけますか」


そう言うと、彼女は振り返って歩き出した。

その後ろには、いつの間にか黒のロボットがついてくる


「私も同行します!」

(あっ・・・ガーラが中に入ってたんだね・・・って

 中に居ても喋れるんだ・・・)

とハル子は少し驚いた。


しかし、一体、何が起きようとしているのか——

ハル子は、胸の奥に微かなざわめきを感じながら、その後を追った。


リヴァイアに導かれ、丘を登る。

青空の下、風が草をなでる中、魔王ハル子はその背に緊張の気配を感じていた。


やがて丘の頂上にたどり着いたその時——


「見てください」


リヴァイアの指差す先、遥か下方に広がる平原の端に、それはあった。

陽光に輝く銀の甲冑、整然と並ぶ騎士たちの隊列。青と白を基調とした軍旗が風に翻っている。


「……あれは……」


思わずハル子がつぶやくと、背後からガーラの声が飛んだ。


「あの甲冑、あの紋章……間違いありません。ログエル王国軍です!」


その規模は、ざっと五万。

整列したまま進軍しており、距離にして三キロ。今にも接触しそうな間合いだった。


そしてその時——


空気を裂く音と共に、空から黒い影が落ちてきた!


「危ない!!」

甲高い電子音が鳴り響き、黒のロボット——ガーラの機体がハル子の前に割って入る。


ガキン!!


鋼と鋼が激突する甲高い音。

衝撃波に周囲の草が吹き飛ぶ。


「ふっ……よくこの一撃を防いだな」

現れたのは、全身を灰色の重厚な鎧で包んだ騎士。

その目は冷たく、声には不敵な自信が満ちていた。


さらにその背後から、別の男が姿を現す。


「まさか……帝国軍がこちらにいるとはな」

銀の鎧をまとい、顔には立派な口ひげ。老練で風格のあるその男の眼差しは鋭かった。


さらに、金の縁取りの黒鎧を着た騎士が剣を引き抜き、前に出る。


「さあ、覚悟せよ。我が名は——太陽の騎士ガウェイン!」


その声を合図に、三人の騎士が一斉に襲いかかってくる。


「まっ……待て!!!」

ハル子が止めようとしたその声は、もはや剣戟の音にかき消された。


「我は不敗のランスロット。貴様の首、いただく!」

ランスロットはリヴァイアに襲い掛かった。


【ランスロットVSリヴァイア】


リヴァイアとランスロットの戦いは、まさに剣戟の応酬だった。

一太刀、また一太刀、互いの剣が鋼の音を響かせ、火花を散らす。


「はあっ!」


ランスロットが大上段から斬りかかる。

その一撃は鎧ごと両断せんばかりの威力。

リヴァイアは横へ跳び、間一髪で避ける。着地と同時に反撃の突きを繰り出すが、それも弾かれる。


「フッ、悪くない。だが……!」


ランスロットの剣が唸り、三連の斬撃が波のように押し寄せる。

リヴァイアは盾を構えて受け止めるが、衝撃で後退し、地を滑る。


「ぐっ……なんて重い剣……!」


「これが“不敗”の意味だ! 覚えておけ!」


さらに踏み込んだランスロットの剣が、竜甲冑の肩をかすめ、火花が飛び散る。

だがリヴァイアは負けていなかった。息を整え、一歩、また一歩と距離を詰める。


「ならば、こちらも全力でいかせてもらう!」


叫ぶと同時に、蒼く輝く魔力がリヴァイアの剣を包む。

その剣が弧を描いて振るわれると、空気が震えた。


「——十束とつかの舞!」


その瞬間、視界が剣の軌道で覆われた。

高速の斬撃が十方向から襲いかかり、ランスロットは咄嗟に防御を固める。


「なにっ……!?」


斬撃のひとつが兜の側面をかすめ、もう一つが胴の鎧を斜めに斬る。

衝撃でバランスを崩し、ランスロットの体が宙を舞った。


ズドン!


重たい音と共に地面へと叩きつけられる。

砂埃が立ち上り、その中からランスロットが、息を切らせながら立ち上がった。


「……く、くそっ、貴様、なかなかやるな……!」


その眼に宿るのは、怒りではなく、戦士としての純粋な闘志だった。



【ガウェインVSガーラ(黒のロボット)】



一方その頃——


太陽の騎士ガウェインと、黒の機械騎士・ガーラの戦いも熾烈を極めていた。


「光よ、我に力を——サンダーブレイク!!」


その叫びと共に、ガウェインの剣が金色の閃光を放つ。

剣筋が鋭く、しかも速い。目で追うことすら困難なその斬撃は、正に雷光のごとく。


「防御展開ッ!」


ガーラの機体の両腕が瞬時にシールドモードへと変形し、光剣を受け止める。

ガキィィィィン!!!


凄まじい音と衝撃波で、地面が割れ、草が吹き飛ぶ。


「くっ……! 反応速度が追いつかない……!?」


機内に赤い警告ランプが点滅する。ガーラの視界に情報が次々と表示されていく。


《ガウェイン剣技レベル‥‥スピード補正:300%上昇中》


「なにこれ300%って‥‥大丈夫なの?ロボ……!」


それでも退かぬガーラ。両腕のブレードを交差させ、全身の推進機を起動。


「反撃モード、起動!」


黒い機体が残像を引きながら高速で駆け、ガウェインに飛びかかる。

だがガウェインはそれを見切っていた。


「——太陽の突き!」


黄金の一閃。

次の瞬間、剣がガーラの機体の胸部装甲に当たり、火花を散らして後方へ吹き飛んだ。


「ガーラ!!」

ハル子が思わず声を上げる。


ガーラは地面に背中から滑り、煙を上げながらも、すんでのところで立ち上がる。


「まだよ……!」


そして空を仰げば、太陽がほぼ真上に達しつつあった。


正午が近づく。

戦は、さらに激しさを増していく。


黒のロボット・ガーラの動きが鈍ってきた。

ガウェインの剣はまるで灼熱の太陽。斬撃は一振りごとに熱波を帯び、鋼の装甲さえも焦がす勢いだった。


「くっ……っ!」


ガーラは一歩、また一歩と後退する。地を蹴るたび、大地に深い爪痕が残った。

限界を察したその瞬間、背部のジェットノズルが火を噴いた。


――ゴオオオッ!!


鋼鉄の巨体が宙に舞い、空高く浮上する。焦げた草が渦を巻き、タリム平原が熱風に揺れる。


「上へ逃げても無駄ですよッ!!」


咆哮とともにガウェインが跳躍。鎧に刻まれた太陽の紋章が光を放ち、空中戦が始まる。


だが、空へ逃げたのはただの撤退ではなかった。


「目標ロック完了。排撃モード、解放」


ガーラの背中から2基のミサイルポッドが展開され、即座に弾体を射出した。


ドォン!! ドォン!!


高熱の尾を引いた2発のミサイルが、迫るガウェインに向かって一直線に飛んだ。


「これも無駄ですッ!!」


ガウェインは咄嗟に剣を振り抜き、飛来する1発を一刀両断!

その刹那、斬られたミサイルが閃光とともに爆発、空を白く染めた。


炎と煙の渦、その中に潜むもう一つの影。


「しまった――っ!」


もう一発のミサイルが、爆煙の死角から一直線に突き刺さる。


――ドゴォォォン!!


空中で炸裂した爆風に巻き込まれ、ガウェインの黄金の鎧が地上へと叩き落とされる。


地面が揺れ、砂塵が舞い上がった。


「ぐ……見事だ……。まさか空中戦で……」


崩れかけた鎧の中で、彼の目はなお闘志を失っていなかった。


だが、戦いはまだ終わっていなかった。



【アーサーVS魔王ハル子】



最後に進み出たのは、堂々たる風格の男だった。

銀の鎧はまばゆいほどの光を受けて輝き、長い髭は老獪な知恵と誇りを物語っていた。


「我が名はアーサー・ペンドラゴン。ログエル王国を統べる王にして、騎士団の盟主なり」


その目がまっすぐに魔王ハル子を見据える。


「この神聖なる地に…。これは侵略に他ならぬ。ゆえに、我はこの剣を抜く!」


彼の手に握られていたのは、あまりにも眩い剣。

刃が虹のように光を反射し、大気さえも切り裂くような存在感を放つ。


「これぞ、我が王国の至宝。聖剣エクスカリバー。万物を断ち、虚偽を砕く、誇り高き剣なり!」


「ちょっ、ちょっと! 待て! 話を聞くのだ……!」


ハル子の声も、剣の輝きにかき消された。


――ズバァアアア!!


アーサーがエクスカリバーを振り下ろす。

剣閃が空を裂き、大地を抉る衝撃が奔る。寸前で飛び退くハル子。服が風圧にめくれ、マントが千切れそうになる。


(あっぶな……え? 今のマジで当たったら真っ二つだったよ!? え、あれガチの“なんでも斬れる系”?)


全身が冷や汗で包まれた。だが、逃げても意味がない。


ならば――


「ハチャトリアン!」


その名を唱えると、ハル子の全身を淡く光るオーラが包み込む。

オーラは薄い金色の風となり、彼女の動きが風のように軽やかになる。


アーサーがもう一度、聖剣を振るう。


「喰らえ、正義の裁きよ!」


刃が再び迫る。だがハル子は、剣筋を読んでいた。


キィィィンッ!!!


一歩踏み込み、回避と同時に剣の側面で弾き返す。

受け流された衝撃でアーサーのバランスが崩れ、隙を突いたハル子の剣腹が胸甲を撃つ。


ドンッ!!


巨体が吹き飛ばされるように数歩後退し、ついに膝をついた。


「……ぐ……強い……。」


静寂が流れる。


そのとき、空に一羽の白鳩が現れた。


優雅に旋回し、アーサーの肩にふわりと舞い降りる。

足には、銀の筒が括り付けられていた。


「伝令……?」


アーサーが筒を外し、中の紙片を広げる。その顔が、驚愕から沈痛、そして理解へと変わる。


「……なんと……。我らの過ちだったのか……」


アーサーは剣を地面に突き、頭を深く垂れた。


「申し訳ない……貴方が魔王閣下であられましたか。あなたが敵でないことを、我は今、ようやく知った」


続いて、ランスロット、ガウェインも騎士の礼を取り、静かに頭を下げた。


「……我らは……真に礼を失した……」


魔王ハル子は、ただ驚きとともにその光景を見つめていた。

戦いの嵐は、ついに静かに収束したのだった。







激しい戦闘ののち、ついに誤解は解かれた。

タリム平原の風は、先ほどまでの剣戟の余韻を洗い流すように穏やかに吹いていた。


帝国軍の脅威を前に、ついに魔王軍とログエル王国軍は手を取り合う。

野営地の中央に設けられた大きな円卓には、両陣営の主要人物たちが集っていた。


その場に居並ぶのは、王たる威厳を備えたアーサー王、不敗の騎士ランスロット、そして太陽の騎士ガウェイン。

そして、魔王ハル子と、修道女ガーラ、不死騎団のリリス、影偵軍ビゼ、そして四天王飛竜軍リヴァイアであった。


「こたびの援軍……まことに感謝申し上げる」


アーサー王は深く頭を下げた。その姿には王としての誇りと、心からの謝意が宿っていた。


「我が軍が進軍した後、魔王閣下の使者・アンドラス殿がキャメロット城を訪れていたとのこと。だが既に出陣した後で……。急ぎ伝令の鳩を飛ばしたのだが、あの白鳩がようやく我らに真実を知らせてくれたのだ」


横にいたガウェインが経緯を丁寧に語り、すまなそうに眉を下げる。


「いや、誤解であればもはや問題ではない。此度はそなたらの国を救うために参じたのだからな」


そう言って微笑むハル子の言葉に、円卓の空気が和らいだ。


「なんと心強いお言葉……いたく感謝いたす」


アーサー王は深く頷き、王としての威厳を保ちつつも、魔王に敬意を表した。


するとその時、隣に座っていたリヴァイアが肩をすくめながら口を開く。


「いやー、でもなんで間違えるかね? うちのガーラはともかく私や魔王様まで…」


「あ、あれは……その……」


ランスロットがもぞもぞと口を開き、少し気まずそうに答えた。


「……皆、帝国軍の“緑の何か”と、少々似ていたもので……」


「え、ロボット? それ、私が……」


とリヴァイアが言いかけた瞬間――魔王ハル子と目が合う。

出発前、あの何気ないやり取りがよみがえった。


「……ふっははははははっ!」


魔王ハル子とリヴァイアは顔を見合わせたまま、同時に豪快に笑い出した。


「……して、その“ロボット”とは、何か特別な種族の名か?」


「いや、あれはな……機械仕掛けで動く人型兵器の総称だ」


リヴァイアが肩をすくめつつ答えると、ランスロットが神妙な顔で呟く。


「なるほど……帝国の兵も、その“緑のロボット”というやつか」


その言葉に、場の空気が一転し、軍議の気配が漂い始めた。


アーサー王が立ち上がり、重々しく口を開く。


「誤解は晴れ、かつ両軍がここで合流できたことは天の導きであろう。帝国軍の“ロボット”についても情報がある。今こそ、我らが立ち向かうべき時だ」


彼は魔王ハル子の方を見て、静かに問うた。


「魔王閣下、我が軍の考える作戦について、ご助言願いたい。よろしいか?」


ハル子は頷き、言葉を返す。


「うむ、ではその情報とやら、聞かせてもらおうか」


こうして、円卓に火が灯り――決戦の軍議が始まったのだった。


そして、このやりとり・・・

もはやハル子は驚かなかった。

(・・・・アーサー王・・・・あの叙事詩『アーサー王物語』に語られる登場人物だよね~)

と心にしまい込み

(だって私も、ルシファーだしね~)

と、もうこのファンタジー世界、楽しむしかないね!

と割り切るのであった・・・・


挿絵(By みてみん)

リアクションで気持ちを伝えようで応援して頂けると励みになります!

感想も書いて頂けると嬉しいです!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
似せつつも、完全に似てる訳ではない色々なネーミングがツボです
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ