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死座ノ黒星 〜彼女はきっと神になる〜  作者: 枝垂桜
第一章 罪の枷と奴隷の鎖
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第七話 前触れ

 空が明るくなり始める。今日も今日とて新しい一日中が始まろうとしていた。ここ数日晴れ続きでもう何度目になるのか、飽きることない美しさを醸し出す朝焼けの眩しさに目を細める。

 無慈悲に過ぎていく時間、それがまたこんなにも美しく、残酷に映るのは何故だろうか。


 赤い瞳の下、憂いを帯びた目が無言で地平線を見つめる。


「今日は一度、どこかの街に寄って物資を補充しないと……、それに子供達もそろそろ限界だね」


 誰にともなく呟く声は頬を撫でる風に吹かれて、消えていく。

 馬車の上で座っているだけどは言えど、まだ幼い子供が数日にも続く旅に耐えられる筈もない。元々奴隷だったと言うことで弱音こそは吐かないものの、日に日に会話が減っていることには気がついていた。


 最初こそは別段急ぎの旅でもないと思っていたが、黒髪の男のことに加えて刺客のこともある。そう長々と休息を取ることが出来ないのも事実だ。

 たが、決して無理はしてはいない。睡眠も食事も充分以上に摂っているし、馬車に揺られているとは言えど彼等が執拗に身体を動かすこともしていない。馬車無しでの徒歩の旅だったらとうに潰れていてもおかしくないが、しっかりと馬車も馬も用意してあるのだ。


 ──疲れても昼間なら馬車で、夜は普通に寝ることが出来る……


 確かに言葉にしてみればなんら問題もない。しかし子供達の様子を見れば、彼等から疲労の色が濃く滲んで出てきているのは明白だ。


 ──一度、落ち着いて休ませることが必要だね……


 街により、一晩ぐらいまともなベッドできちんとした睡眠を取らせるぐらい必要だろう……否、正直なところそれだけでは到底足りていないことぐらい理解している。


 しかし、それでも引っかかるのは刺客の問題。最悪、黒髪の男に関してはどうにか出来るあてはあるが、奴等の方は嫌な予感が拭いきれない。

 まさか国境を越えてまで追いかけて来るとは思えないが、警戒するに越したことはないだろう。


 ──念には念を……

 ──備えあれば憂なし、か……


 だが、やはり無理を強いて潰してしまうのも良くない。


 ──いや、どちらにせよ。港まで着けば船が出るまで待てるか……


 取り敢えず港まで持つように図れば問題はないだろう。そう考えると、次の街で落ち着いた一泊だけするとエナに話す。


「わかりました。ですが、上手いこと船が出港するタイミングに噛み合った場合は如何なさいますか?」


 一度頷くも、やはりサティナも懸念していたことを口にするの彼女に考える素振りも見せずに、


「そしてら向こう側で十分な休息を取ればいい。国境ならまだしも、いくら刺客達とは言えど海を越えては中々手を伸ばすことは出来ないからね」


 奴らとてタイミングが合えばすぐに追いついて来る可能性はあるが、自身が乗るだろう船の後に出港する船を確認しておけば、奴等が最速で着くタイミングも大方分かる。

 しかし、船が出ないのあれば刺客との距離は縮むものの急ることも出来ない。そうなった場合は子供達を休ませてサティナが警戒していればいい。最悪、国境前の街のように──


 そして、運良く大して待たずに船に乗れればそのまま次の船が出る時間をいくつか確認した後、次の港で休めばいい。

 この先の港どは船が数日ごとに出ている為、次の船が到着する前に港をでてしまえばいい。


「何故、次の船が出るのにそんな時間が掛かるんですか?」

「一つは次の港まで距離に大して船が不足しているからだね。常に数十隻もの船が動いているんだけど、その殆どは港ではなく海の上なんだ」

「それじゃ、もっと作れば……」

「そうだね。でも海を越えるほどの船を作るにはそれなり時間がかかるんだよ。それでも現に船は製造され続けているけど、今この国は冷戦状態だから船の製造よりも戦争に使う兵器を製造する方が優先されていてね」


「……そう、ですか」


 確かに貿易は重要だが、それに加えて、そもそも造らなくてはならない船の数が膨大過ぎる。今のままでも十分に貿易が成り立っているため、無理して数百もの船を造るのは割に合わないのだろう。


「そうなると、船に乗ってからどれぐらいで次の港に着くんですか?」

「十日はかかるかな。船酔いさえしなければ意外と快適だけど、君達はどうなの?」

「わ、わかりません。私達が奴隷だったときに船に乗っていた記憶がないので……」


 海を越えなくてはならない以上、船には乗ったのだろうが、その記憶がないと言う。もしかすればただ気づかなかっただけの可能性もあるが、恐らくは薬か何かで眠らされていたのだろう。


「まぁ、酔って吐かれたりされたら面倒だからね。最悪、暴れ出す可能性だってあるし……」

「暴れ、るんですか?」

「そんな狭い空間に縛られている状態で酔えば、苦しくて暴れることだってあるでしょう」

「……そう、ですか?」

「ん~」


 まぁ、これは可能性の一つであり、今の彼女達にはさしたる問題もない。頭の片隅に置いておく必要もないだろう。


「大丈夫。普通は酔ってもぐったりしているか、最悪の場合でも吐くだけだから」

「吐いているのに、大丈夫なんですか?」

「病気じゃないからね。それに、私なら多少の酔いを緩和することも出来るし……」

「あ、ありがとうございます」


 心底嬉しそうにそういうエナだったが、次の瞬間何かに気がついたように、あっ、と声をこぼす。


「どうしたの?」

「あの、もしかすればですが……サティナ様が言う、しかく? 達も、酔ったりするのでしょうか?」

「ぅ、ん~……。同じ人である以上、酔う可能性はあるけど……」

「それなら、酔った影響で港に着いてからは暫く動けなかったりするのでしょうか?」


 ふと感じたのは素朴な疑問。しかし、それを肯定することは難しい。


「そんなことは、無いと思うけど……絶対とは、言えないかな?」


 それこそまさか、だ。刺客あろう者がその追跡中に船酔いで動けないなんて聞いたこともない。しかし、絶対無いとも言い切れない。


「まぁ、無いと言う前提で動こうか……」

「……そう、ですね」


 考えれば考えるほどあり得ない。そう言った結論に辿り着き、二人同意見でこの話は終いにする。











 次なる街が見え始めた時には、サティナは眼帯を巻く。そんな彼女の横ではリオが手綱を握っていた。

 中に入る事自体はさほど苦労せずに済んだ。簡単に馬車を調べられたものの、子供達は孤児としてこの先の教会に連れて行くと言えばあっさり承諾された。


 それでも多少怪しまれたものの、彼等が身に纏う服装が粗雑なモノでないことが功を成したのだろう。奴隷まがいの扱いを受けている者が、高価ではないののこんな身だしなみは出来ないのだから。


 その他怪しいモノはないか調べられたものの、旅に必要な物資だけで危険なものも、密輸になりそうなものもなかった。


 その夜、子供達には久方ぶりに温かい食事を口にするとすぐに寝静まった。そんな彼等を尻目にサティナは部屋に置かれた机と向かい合う。

 目の前に置かれているのはやはり道標となる地図だ。それなりに質の良いモノではあるが、国境を越えた先の部分はあまりに粗雑で……しかし、現状ではやはり違う国の地理まで把握し切ることは難しいため、仕方のないことなのだろう。


「新しく調達しないとね」


 そもそも、地図と言うのは意外にも高価だったりする。地図を持って地形や地理が前もって分かっていれば戦争に用いることも可能であり、もし敵国に渡れば自国の地ですら有利を失う可能性だってあるのだ。


「やっぱり、そう易々とは新しい地図は手に入らなそうかな」


 もし手に入れるとなれば、非合法的な手段にも手を染めなくてはならない。しかし、子供連れの旅でそんな危険を冒すことはやはり憚られる。それどころか、リスクを冒してもそれに見合った成果が得られるとは思えない。


 サティナ一人だった時はどうにでも出来たが、こんな状況で敵を作るのは賢い選択とは言えないだろう。


「どうしたものかなぁ……」


 悩ましげにそう呟けど、やはり決定的な解決策は出てこなかった。











 翌朝、子供達に充分な睡眠を取らせた後に街を出る。


 もう二日も経たずに海が見えてくることだろう。その後は海沿いを港に向けて進めばいいだけだ。


 それならと言うもの、恐ろしい程何事もなく旅は順調に進んだ。それから二日が経った後の昼、目の前にキラキラと輝く大洋が見え始める。


「……綺麗、ですね」

「そうだね。でも、気をつけて……。

 美しい薔薇には棘がある。母なる自然は時には美しく私達の心を魅了するけど、それ以上に時にはその絶対的な力を持って、人の命を有象無象の取るに足らない存在のように呆気なく奪う時もある」

「ええ、本当に……」


 まだ幼い時に森から連れ去られた彼女もそれはよく知っているようだ。多少の魔法を使えたところで、自然災害になど到底太刀打ち出来るものではない。


「あと数日もせずに港に着きそうだね」

「はい。ここまであっという間でした」


 確かに、ここまであっという間の旅だった。既に半月ほど経っていると言うのに、時間の感覚とは面白いものだ。


 ──風が気持ちいい……


 そんなこと思ったのはいつぶりだろうか。いつもは自身の足を持って高速移動する手前、風を感じる余裕などなかった。

 しかし今は違う。馬車に揺られながら海風が彼女の頬を撫でていく。それが何故にもこんなに心穏やかな気分になるのか──











 予定通り、数日もしないうちに港が見えてきた。さすが貿易の場ともあり街には活気が溢れており、旅の者からならず者まで様々な人間が行き交っていた。そんな人ごみを掻き分けてゆっくりと馬車を進める。


「どうやら船は明後日に出るみたいだね。運良く席は取れたけど、馬車は乗せられないみたい」


 となると馬車や馬はここで売り払って、次の港で再び購入する流れになるか。


「取り敢えず船が出るまで寝泊まりできる宿を探さないと」


 馬や馬車に関してはまた明日でいいだろう。それよりも長旅で疲れている子供達を休める必要がある。そうして高くも安くもない宿を見つけると、


「ほれ、大部屋は一番奥だ」


 銀貨を数枚カウンターに置くと鍵を渡されて、部屋の場所だけ告げられる。そんな声に従って荷物を部屋に置くと、


「それじゃ、あまり騒がなければ好きにしてていいよ。私はまた少し出掛けてくるから」

「はい。気をつけてください」


 言うや否や、サティナは部屋を出て行く。そんな彼女の背中を見送ってエナは荷物の中に入れていた剣を手に取る。異様に思いそれを手にそこに映る自身の目を見下ろす。


 酷く荒んだ目をした何かが彼女を見つめ返す。











 間もなく出港の時。帆を張る船の上でサティナは遥か先の水平線を見つめていた。これから向かう地はしかし、その距離故に目にすることは叶わない。

 それでも、サティナにはその先が視えていた。


「終点が近い」


 海を渡れば間もなくヴァーデンの大樹海に着く。そしての男が動き出す時だ。

 世界の未来は変わる。あの男は何か強大な影響力を持って何かを成そうと躍起になっているのだろう。


「私も変わらないと、ね」


 罪人つみびと狩りに何の未来も無いと気づいた、気づいてしまった……否、初めから気づいていて目を逸らしてきた。しかし今は違う。

 彼女も未来を賭けて動き出さなくてはならない。きっと男もそうなのだろう。


 ゆっくりと港を離れ始めた船の上で遠く、未だ尚手の届かない世界を見上げるように天を仰ぐ。残酷なほど青い空が、そんな彼女の心を安らかにしてくれる。











 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆












「調子の方はいかがですか、博士?」

「ああ、ザリズか。丁度最終調節を終えたところだ」


 そう言うと、博士と呼ばれた男が困った様子でザリズへ振り返った。殆ど寝ずに作業を続けていたせいか、その目の下には濃いクマが出来ており、しかしどこまでも窶れたそんな姿とは裏腹にその目は薄暗い部屋で爛々と輝いている。


「しかし本当にいいのかい? 下手をすると君達にまで被害が及ぶよ?」

「それが我々です。例え自分の命を賭してでも上からの命令は断行します」

「まぁ、君ならそう言うとは思っていたよ。取り敢えず今は安定してはいるけど、一度スイッチが入ったら手がつけられないからね」


 そんな彼等が目にしているのは、術式の刻まれた鎖に繋がれる一人の男。度重なる実験の影響かその髪からは色素が抜け落ちて真っ白に染まり、虚げな目はしかしゾッとするほど冷たい光を宿していた。


「彼の名はエル=フレイド。かつては剣王と呼ばれた男だよ」

「ええ、彼の伝承は聞いています。何も生まれながらにして魔法が使えない特殊体質だったとか……」

「うん、僕も驚いたよ。でも、そんなハンデを逆手に取って彼は技を極めたんだ。剣王と呼ばれているのは、彼が剣を使うことが多かったと言うだけで、彼は手に取れるもの全てを武器と化していたんだ」


 ピクリとも動かない男を見上げて、博士と呼ばれた男が語る。


「仲間の素性くらい知っておいた方がいい」


 そう前置きをすると、彼は再び語り出す。


「遥か太古、古き人の時代に彼は猛威を振るった。物心付いた時には既に死と隣り合わせで、生きるためなら人喰い(カニバリズム)も厭わなかったんだ。

 そんな中で七つになる時に彼は気がついた。力こそが全てであり、力があれば奪われることも無いと……」


「それから彼は十三になるまでの六年間ただひたすら力を欲した技を磨き、身体を鍛え上げ、しかし自身が魔法を使えないとこを知ると大きく絶望したと言う」


「でも、彼の特殊体質は更なる力を彼に与えた。魔法を使えない代わりに彼は特殊な権能を手に入れたんだ。

 どれだけの酷似にすら耐えうる強靭な肉体、どんな武器ですら傷一つ付かない鋼の肉体。そうなった理由は彼が無意識に操る特殊な能源エネルギーだった」


「どんな生き物も能源エネルギーを持っており、我々はそれを魔法と言う形に変換することで外界に影響を与えてきた。でも彼はそれが出来ない代わりに、内界で完結させたんだ。

 常人を遥かに上回るほどの莫大な能源エネルギーを自身の内で循環させることで身体強化を上回るほどに肉体を強化し、それに伴って技は鋭さを増した」


「どんな魔剣も聖剣も操り、十八になる頃には最強格と呼ばれる化け物の一角へと昇華してのけた。その時、世界は大きく変化したんだ」


「天族が魔界へ攻め入った。当時、魔界の半分を支配する者がおり、その者を『主天神殿』が斃した。実質的に魔界の半分が天族によって押さえられ、統一者のいない残り半分の魔界も瞬く間に侵略された。その矢先、魔界に居場所を無くした魔族が僕達の世界にまで溢れ出した始めたんだ」


「それからは大変だったとか。侵略する魔族へ立ち向かい人間達は奮闘した。その中でより戦果を上げた彼はいつしか『勇者』と呼ばれるようになったんだ」


 そんな彼の話しを聞きながらも、ザリズはずっとエル=フレイドを睨みつけている。


「皮肉なものですね。居場所を追いやられた者達を手にかけて『勇者』と呼ばれるなんて……」

「彼等の事情なのど知ったことではなかったんだろうね。ただ、侵略者を排除しただけに過ぎなかったんだ」


 皮肉めいた言葉に、その男もまた皮肉を返す。そんな彼等をただ青白い瞳が見下ろしていた。


「かつての強さに程遠いけど、十分戦力になるはずだよ」

「……一つ、宜しいですか?」

「何かな?」

「私からは、彼が人間のように見えます」

「うん、彼は人間だ」


 そこで一度言葉を切り、再び口を開くと、


「魔法による影響を受けようとも、人間が生きていけるのは千年が限界の筈では?」

「そうとも」

「……では何故、幾星霜もの前の世界に在する古人である彼がこうして生きているのですか?」


 それは尤もたる疑問。いくら伸ばそうとも人間である限りその寿命から逃れることは出来ず、そして今目の前で二人を冷たく見下ろす男は、とうの昔に死んでいなくてはならない存在だ。


「一言でいうなら突然変異だね。人間は単寿故に世代交代が早い。だから相対的に突然変異が生まれやすいんだ」

「それでも限界はあります。いくら特殊な個体とは言えど種族の枠から出られません」

「その点は僕も説明出来ないかな。一つ言えることとすれば、彼はとうの昔に全盛期を過ぎているんだ」


 そう、とうの昔に全盛期は過ぎており、今や残るのは痩せ細った老体とも言える脆い身体のみ。

 一見すればまだまだ若そうだが、その身体は寝たきりの病人のように痩せ細っていて、病的にまで青白いは日の光を一度も浴びたことがないようだ。


「元々理性なんて残っていなかった上に、破格の耐久力を持っていたから無理矢理出力を出しだけど……」


 一瞬、彼は悲しげな表情を見せると、


「かつて人々を魅了したあの御業は、見る影もないね」


 薄闇の中で黄金の瞳が、刃のように冷たく光る青白い瞳を見下ろしている。そうして、


「本当に行くのかい?」

「それが我々です。上からの命は絶対なのですから」

「君はもう、戻って来れないよ」


 はっきりとそう告げられて、しかしザリズの顔に浮かび上がるのは身も凍るほど冷たい笑みだ。


「怖く、ないの?」

「人は皆死ねば地獄へ堕ちます。それ知っていて何故、死を怖がる必要がありましょうか?」


 ゾッとするような笑みを浮かべる彼に、黄金の瞳を向ければ……彼もまた同じようにして、口元へ三日月を描く。


「違いないね!」

「それでは予定通り、私は一足先にこの世をお暇します」


 しかし、と男はゾッとするような笑みからどこか淋しげな表情を浮かべると、


「しかし、淋しくなりますね。貴方ほど私を理解してくださる方とも、こうして暫くの間逢えなくなるとは……」

「大丈夫だよ。どうせ僕もすぐに逝くから」

「ご冗談を。貴方がそう簡単にくたばるとは思えませんね」

「そうかい」

「まぁ、気長に待つことにしましょう。次お会いした時には、なにか面白い話しを聞かせてくださいね」


 そう言い残すと、軽く手を振って部屋を後にする。そんな彼の背中を見送ると、黄金の瞳を持つ男は最終調整を終えるために再び作業を進める。


「死ねるだけ、まだ幸せかな」


 二人しかいない研究室で溢れた呟きは、暗い闇の中へ消えていく。

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