表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/14

ツインテ女の質問コーナー

 なんて、いきなり冗談(本音)を言える訳もなく、とりあえず質問に対して、意識ははっきりしていると答える。

 

 「ふぅん、じゃ、とりあえず成功ね」


 そう言って、彼女が俺をわきの下に手を入れて抱き上げる。

 軽々と俺を持ち上げるとかすげぇ力持ちだな、この人。いくら鍛えていないとは言え成人男性なんて重すぎると思うんだけどなぁ……


 とりあえずの命の危機が去った事を確信したことで、俺は俺の体に起きた多くの異常を視認することになった。

 まず髪が長い。前髪が長くて鬱陶しい。しかも濡れてべったりした髪が背中に張り付いている。こっちもめっちゃ長い。

 次に相棒がない。未使用新品のマイサンは何処へ!?

 長年連れ添った相棒が無いのは一大事、空虚が胸を支配しそうになるが、今はそれ以上にやばい事がある。

 手足が無い。具体的に言うと二の腕から先と太ももの半ばから先が無い。

 これがやばい。マイサンはまぁいい(問題ないとは言ってない)けどこっちは即座に生活に支障がでる。さっきまでの痛みの正体はこれだろうと確信する。

 事故にでも遭ったか?記憶に無い。というか肌がシミ一つない白さだし、妙に艶があるしでなんかいろいろおかしい。まるで男の身体じゃないみたいだ。

 混乱のかぎりを尽くし、呆然としている俺に彼女は検査衣を手早く着せ、さっきまで自分の座っていた社長椅子に座らせた。

 そしてその対面に丸椅子置き、女は足を組んで座る。


 「じゃあ、そうね。アンタがアタシに質問しなさい。全部説明するのは面倒だから飽きるまでは答えてあげる」


 それはありがたい。

 いろいろ聞きたいことがあるがまずは、俺がどうしてここにいるかだ。

 見渡す室内はSF映画で見る研究室といった様相だ。薄暗い室内の床や壁に線が走り、そこが光ることでこの部屋を明るくしている。ゲーミングルームかよ。目に悪そう。


 「それはアタシがアタシの目的を果たすために、異世界にあったアンタの魂を拉致して戦闘生体躯体に入れたからよ」


 マジか。つまりこれ俺の体じゃないのか。いろいろ納得だわ。女性との対比で考えると幼女か今の俺。笑えない。

 つか魂の拉致とかSF飛び越してファンタジーじゃん。あと戦闘生体躯体って何?もしかして貴女は神か?というかこれって異世界転生?死んだ覚えも無いし家に帰りたいんだけど。


 「戦闘用生体躯体は、文字通り人工的に造った戦闘に特化した肉体の事ね。それを動かすために他所から捕まえた魂を入れるのよ。帰るのは無理ね、アンタの魂を攫う時にちょっと無理したから反動で元の体は死んでるわ。あと私は神様じゃなくて魔科学者」


 ……マジか。俺死んだの?親不孝しかしてないが。

 英雄少女劇場版どころかプレイアースの活躍を最後まで見れないとは……ファンとして情けない限り、ちきしょう。SNSとかで公開まで死ねないとか言ってたのになぁ。まじないわぁ。

 目の前の女を今すぐ殴りたいが文字通り手も足も出ない、と言うか手足が無い。悔しい。

 この身体で戦闘用とか嘘だろ。


 「手足が無いのは、一向に目覚める気配がないアンタを処分しようとしたからよ。アポトーシスを利用した自壊は手足といった末端から起こるのだけれど、アンタはその途中で目覚めたから」


 溺死どころの話じゃなかった件。

 ……もしかして水槽を出た今でもその自壊は起こすことが可能なのでしょうか?


 「当然。創造主に反旗を翻すとか許す訳ないじゃない。アンタはアタシの意思一つでのたうち回って死ぬか、即座に爆散よ」


 ジーザス。生殺与奪の権がすでに奪われている。与えるとかそれ以前の問題だ。しかも、さりげなく死に方が1つ追加されてて笑えない。

 で、そこまでして俺に何をさせたい訳?


 「バッドエモーションエナジーを集めて、テキデウスを起動させることよ」


 バッドエモーションエナジー?テキデウス?

 その単語、俺にとっては聞き覚えがありすぎるぞ。

 ここ、英雄少女外伝プレイアースの世界かよ。

 じゃあ、お前アーフェ・シーツヴァイか。

 アニメ顔じゃないからわからんかったぞ。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ