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推し事の時間はマジ楽しい

いつも誤字報告ありがとうございます。

 天花が手にしたカードがデッキとは比較にならない程輝き、ロータリーは光の中に沈んだ。

 そして、その光の中で少女は英雄少女へと変わる。


 やっべマジの生変身だ!録画録画、できてるな?ヨシッ!!しかもこれは1話限定バンクのシーン!以降は変身アイテムを使うから初回限定なんだよなぁ。


 天花の着てる私服はカードに吸い込まれる様に消え、それに押し出される様に白い光の布が天花の身体を覆う。繭に包まれたように見えたのは一瞬。すぐにピンと伸びた指が突き破り、そのまま勢いよく切り裂いた。

 体はアニメあるあるの謎発光しており、肌はまったく見えない。

 1、2、3度と剣閃は煌めき、斬り飛ばされた布は、踊るように大きく動く手足につかまり衣装へと変わっていく。左腕には黒く四角い大きな手甲がついた。

 手足の衣装が出来上がると、そこから広がるようにアンダースーツが造られ、全身を覆う。そのあと、胸元にこぶしより一回り小さなスペード型の宝石を出現させる。

 天花は、その宝石に指を入れ、ノースリーブのジャケットを掴んで取り出すと、そのまま勢いよく翻して袖を通す。袖口はフリル状になっていて可愛らしい一方、裾は直線的で勇ましい印象を与える。

 そして、その場でクルリと回ると腰からゆったりとしたフリルのついたプリーツスカートが光を散らして現れる。

 流すように後ろへ髪を手で梳くと桜色の髪がビビットな色合いのピンク色へと色を変え、ロングボブからセミロングに髪が伸びた。

 最後に、アンダースーツは透明になり、白かった衣装は彼女のパーソナルカラーであるピンクを基調とした色に変わり、変身が終わった。

 

 「咲き誇る光の剣!花の勇者レイルルディ!」


 バシィっと音が聞こえそうなほどかっこよくポーズを決める天花。いや、今は英雄少女になっているからルルディか。すごい決まってる。

 ちょーかっこいい、スキ。

 しっかし変身バンクはアニメのまんまでたまりませんなぁ!

 立ち位置的に俯瞰なのは少しだけ残念だが、別アングルから見れるとか英雄少女シリーズファンの中でも俺だけやろドヤァ。

 オタク冥利に尽くぜぇ!!

 感動に身を震わせる俺のことなどつゆ知らず、初変身で変わった自分の姿に慌てるルルディかわいい。好き。

 名乗りまでしっかりやっているのに、それが終わると自分の状態を把握して驚く。こういう変身ヒーローものじゃ定番だよね。王道です、いいぞ~コレ。

 だけど、あんまり眺めている訳にもいかない。なんてったって俺は彼女の敵だ。

 こういう時の悪役のセリフは決まっているんだから言っとかないとね。


 英雄少女!?こんなに早く現れるなんて……BE(バッドエモーション)エナジーを集める邪魔はさせない。いけテキダゾー!


 ちょっと棒読みっぽかったかもと反省。

 演技の経験ないしなー。帰ったら練習しようっと。

 とか言ってると、ルルディが突進してきたバスティラノを避けるために横に跳んで、大きく距離を取っていた。

 おっと、戦闘シーンもきっちり見なきゃ!

 本人が思っていたより大きく跳んだせいだろう、彼女の顔には驚きが浮かんでいる。

 新鮮な反応いただき!録画をしながら、シャッターをきる。

 初々しいのなんて初戦だけだから、思わず写真を撮ってしまったのは仕方が無いことなのだ。うん。


 避けられたからといってテキダゾーの攻撃は終わらない、顔をルルディの方に向けブレス。それをこんどはテキダゾーより高く跳んで避ける。

 バスティラノの吐く炎は広がって広い範囲を焼く事ができるが、射程が短い事が弱点だ。上に行けば、変身した彼女にとって温風程度にしか感じないだろう。


 「トリンプ!何か武器とかないのぉ?」


 「まだ無いンプ」


 「ウソだよね!?トリンプは戦えるって言ったよね!?」


 どたばたとした洗練されてない動きでバスティラノから逃げ回るルルディ。

 別にトリンプは嘘を言っている訳ではない、実際ルルディには戦えるだけのステータスを得ている。高く飛んでいたのがその証拠だ。

 うんうん。そりゃ素手で戦うとかいう発想出てこないよね。

 走るダンプに挑むマヌケは居ない。すぐにインファイトに持ち込んだ1作目の主人公がガンギマリだっただけだ。

 天花ちゃんは普通の女の子だから是非もなし。


 「ルルディには立派な手足がついてるンプ!」


 「それって、あれを叩けってこと!?」


 「テッキダゾー!!」


 「ンプ」


 「ええぇ~!!」

 

 トリンプの雑な返答を受け、信じられないと言った声を上げるルルディ。

 頑張れ!ルルディ!!できるから。バスティラノの顎に一発かましちゃえ!

 ぐっとこぶしを握って応援しそうになったのを誤魔化すために腕を組む。危ない危ない。

 万が一にも応援してると悟られてはいけないぞ俺。敵に応援されるとかキモがられても仕方がないし、実際中身は成人男性なわけで、こうして録画までしている。変態とそしられても否定できない……

 でも俺は彼女の敵のままファンとして応援するのだ!!ほら最終的に倒されるんだから実質極刑が決まってるようなものだしね、楽しんだってバチは当たらんでしょう。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 主人公のノリが好き [気になる点] 主人公が実際に喋っているのがどれなのかわかりづらい。最初はアーフェが思考を読んでいるのかと思った。 [一言] 続きが楽しみ
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