表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スラム帝国  作者: 檸檬
1/2

自己紹介

 盗みもあれば殺人もあったこのスラムを統制した英雄、ジンとヒトハ、そしてマリ、その三人についての話だ。

===============================================

「おい、ヒトハ起きやがれ!もう朝だ、ちんたらしてる暇なんてねぇぞ」

 そんなジンの言葉に起こされた。

「わーってるよ。でも俺はすぐ学校に行くから」

「ああ、行ってこい。金は俺と子分たちが稼いでやるから行ってこい。俺は勉強ができねえが、お前はできるからな。お前にここのリーダーになってほしいもんだ。」

「タメなのに悪いな。」

「いいんだ。お前にはお前にしかできないことがあるからな。卒業したら恩返し?的なのをしてくれ。」

「もちろんだ」

 俺は憶監(おっかん)という町のスラムに住んでいる14歳だ。そもそもこの国、日暮(ひぐらし)(元日本で、天皇制が廃止されて政治の仕方が大きく変わり国名も変わった。ifの世界です。)では義務教育というものがない。行きたい人だけがいくというスタンスらしい。俺は生まれた時から才能に恵まれていたが、学校にいけない状態だった。でも、幼馴染のジンがお金を稼いで学校に行かせてくれている。少し外の大人からの援助はあったが、ないに等しいぐらいだった。俺は7歳から学校に行っているが、中学入る直前までは、国が援助をしてくれていたのに急にやめたせいで行けなくなりそうだったが、ジンと、その下っ端たちがとび職でお金を稼いでくれていけている。彼らには感謝以外何もない。

 そして今日も僕は学校に行く。

______________________________________________


「おはよ」

 朝教室に入っても挨拶を返してもらったことはない。まぁ、イジメまがいな状態だしな。俺がスラム出身であるのにもかかわらず、学年首位だからだろう。それが気にくわないのだ。

「よぉ。おめぇら、今日は転入生が来る」

 担任のサクラギが声をかける。

「入って来い」

 廊下から入ってきたのは、とびきり美少女というわけでも、とびきり不細工というわけではないがまあまあかわいい女子が入ってきた。10点満点中7点といったところか(めっちゃ失礼なこと言って宇野はわかってるが)。俺は、6点ぐらいだよ。

「はじめまして、マリって言います。」

「残念ながら、空いてる席はヒトハの隣しかないがあそこでもいいか?」

「残念ながら?どういう意味ですか?」

「こいつがスラムから来てるやべぇやつってことだよw」

 クラス中が大爆笑する。担任も笑っていやがる。どうでもいいが。

「スラム出身って悪いことなんですか?」

「え、」

「別に私気にしないので」

 そういって彼女は俺の隣に座った。

 これからの学校生活はどうなるのだろう、それだけが気がかりだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ