第三十八話《次元が違う、無理!》
「終わったぞ。」
すました顔でこの男………ソグーが言ってくる。
おそらく時属性魔法だろう。仕事が早い!ぶっ壊したのお前なんだけどな!
「ほら、茶だ。一応熱いから気をつけろ。」
「……頂こう。」
リビングにズズっと茶をすする音が響く。
「んで?マイがどうたらって?」
「………お前とマイラルディアの関係はなんだ?」
あー、人の話聞かねぇ奴だー。こういう人と話すのってめんどいんだよな。やけに質問とか多いし。
ま、ここは俺の寛大な心で答えてやろうじゃないか。
「…………相棒に近い恋人?」
「うぇ!?なぜ疑問形!?」
横に座るマイが「信じらんない!」みたいな目で見てくる。
あ、ちょっとデヌンもそんな目で………貴様もか家破壊男!初対面の人を冷ややかな目で見るな!
「いや、確かにマイにドキッとする時は結構あるけど………どちらかと言えば可愛がりたいんだよな……」
「わたし小動物認識なんですかそうですか!よし、ちょっと表出ようか。なに、悪いようにはしないから……ねぇ?」
「遠慮しときます。………んで?マイを連れ帰るって?」
身の危険を感じたので、家破壊男に視線を向ける。
「私が地上へ降りた理由は、神マイラルディアの捕獲、そして天界へ連れ帰るためだ。その理由だが……何と言えば良いか……強いて言うならば、危険だから、か。」
「危険?お前暴れんの?」
「何をいうか!乙女であるわたしがそんな暴れる訳ない!」
「暴れないって。」
「そうじゃない。」
なんか呆れたような、疲れたような声色の家破壊男。
「私も詳しくは分からない。故に、これ以上詳細を求められても答えることはできん。ただ、仮に天界へ戻ることを拒否するならば、実力行使に出る、とは言っておこう。」
ええ………思いっ切り拒否ろうと思ってたんだけど………
「天界に帰るって、ずっとか?」
「そうだ。地上には降りさせん。」
うーむ、こればっかりにはなー………
「マイは?」
「絶対帰らない。」
ピクっと家破壊くんの眉が動く。
実力行使とか言ってたな………危なくないか?
ま、元々NOと言うつもりだったし、結果は変わらんのだけど。
「そうか………すまんな、サカタケンヤよ。碌な説明も無く強引な方法となることを詫びよう。」
な、なぜ俺の名前を!?…………そういやコイツ神鑑定持ちだったな。それか。
「茶は、美味かったぞ。」
そう言って、家破壊男ソグーが席を立ち、そのまま帰…………らない!
横を見れば、急接近しマイの首を押さえ押し倒すソグーが。
やばい。何の前触れも無く動いたため反応が出来なかった!
認識も追いつかない。実力行使ってそういうことか。分かってたことではあるが。
「………っ!」
「むっ」
おそらく、そのまま転移しようとしたのだろうが、マイがそれをレジストする。
すかさずソグーの腹を蹴り上げ、拘束から逃れるマイ。
「そう簡単にはいかないか……」
「できれば、首とか掴まないで欲しいな……なんて」
「貴様が大人しくすれば考えよう。」
対峙する二柱の神族。
どうしよ、神対神とか絶対やばい。
字面からでもこの屋敷崩壊だけじゃなく、街……というか国に被害が及びそうだ。
『おい、そこのお前ら。迷惑だからここで戦うんじゃねぇよ。やるなら他所でやれ。』
おおデヌン!さっきまで空気だったけど、よく言ってくれた!空気だったけど!
「"空間之扉"………じゃあここで。ケンヤも来る?」
物を壊さないようにしているが、襲いくるソグーをこれまた慎重に避けつつ、何か空間をこじ開けたマイ。てかその魔法、俺が頑張って発動させたやつなんですけど!?ちょっと凹むわー………
「どうしよ…………っておい!ちょっと待て!あ、デヌンは待ってて!」
一瞬で二人、空間の穴に入っていったので一緒について行く。
そして出た先は、ポラリス王国郊外の草原。ハーシェル草原だ。……なんで分かったかって?だって見覚えあるし。
「のわっ!?"風刃"!」
光弾が飛んできたので、風刃で相殺する。………も、相殺しきれず飛んできた。若干軌道がずれて俺の横に着弾。
……目の前には、ガチバトルを繰り広げる二柱の神が。
この状況、どうしよう。
_________
"乱光弾"の一斉射を魔術結界で防ぎ、懐に入った拳を身を捩って回避。
そのまま距離をとって、難位風魔法"咆竜威"で反撃。も、あちらの魔術結界に阻まれ無効化。
一番厄介なのが、相手のスキル〈光化〉。
この世で最も速い存在、光となり接近してくる。
光化中は攻撃できないようだけども、距離を開けることがとても難しい。
空間に干渉して身体をねじ切ろうとしてきた。これは、わたしの周りの空間をがっちり固定してガード。
っと、これは一応避けておかねば。
直後、コンマ一秒前にわたしがいた場所が炎に包まれた。天位火魔法"銀焔"は、存在という概念ごと燃やす銀の焔。受ければ、流石にダメージ0とはいかない。
「っ!」
回避不可能の蹴りを、腕で受ける。
骨が粉々になるも、問題ない。
数十メートル吹き飛び、すぐに〈重力支配〉で上空へ逃れる。
下は、真っ黒な炎の海。草原だったのが信じられない。
わたしは精神に作用する攻撃に超弱い。耐性がないから。この神族は精神系の魔法や能力を持っていないらしいので、そこは幸いかも。
どこから持ってきたのか、わたしに大剣を振り下ろす。片腕を切断され、脇腹がざっくり切られるも………問題ない。痛いっちゃ痛いけど。
「まだ抵抗する気かマイラルディア。大人しくすれば良いものを………」
………ふむ。どうやらただ大剣ではない。神力を凝縮させて光の剣として具現化したみたい。厄介な。
多分そのまま間合いを詰めてくる。先に〈時空間支配〉による異空壁を貼っておく。
物理的に突破は不可能と気付いたのか、空間を繋げて跳んでこようとしている。が、甘い。
「ぬおっ!?」
隙を交えぬ十段重ね!壁が一つだとでも思ったか!
異空壁には、時を遡る効果も付与している。
そのまま突っ込んでくれたら良かったのに……残念ながらすんでの所で立ち止まった。
その隙を突き、すぐさまわたしのフィールドを整える。異空壁を何十層にも重ねた球型の結界を展開。光だろうが熱だろうが通さない。
勿論ケンヤも人質にされないように、内側に入れている。
正直ケンヤでは戦力として不十分。でも、なんか魔力量は凄まじいので、こっそり〈神眼〉でケンヤの魔力を吸い取っている。
でなきゃこんな結界張れないし。わたしの魔力じゃ足りないし。
外を見ると、結界に光の大剣を尋常じゃないスピードで叩きつける男の姿が。
これで一安心なのだけど、大剣に時空間属性を付与したのか少し削られた。
このまま籠城戦………はきつい。体力はかなり削られたし、ケンヤの魔力も無限じゃない。さて、ここからどうしたものか……
__________
ひゃー、すげー。
速すぎてついて行けねー。
〈神思考回転〉を発動させてギリギリ。
俺が唖然としている間に、なんかマイが結界張ってるし。
てかあの男、殺す気かよ。腕とか腹とか遠慮無しに切り裂きやがって………マイもマイで平然としてるし……この前の迷宮の時、絶対もっと楽に解決できただろ。本調子じゃなかったのかも知んないけどさ!
………そういえば、マイのステータス見るのを忘れてた。拝見させていただこう………〈神鑑定〉!
・名前:マイラルディア
・年齢:???歳
・称号:英雄の右腕 虹色の顔 変化の神
・種族:神族
・クラス:???
・レベル:???
・能力値:体力 53000/87000 +10000up
筋力 15000 +130000up
俊敏 140000 +100000up
物理防御 8000 +100000up
魔法防御 120000
魔力量 75000/170000 +???up
技術 210000
・魔法:攻性魔法……水属性神位 火属性神位 風属性神位 地属性神位 光属性神位 闇属性天位 雷属性天位 氷属性天位 空間属性神位
時属性神位 星属性天位
結界魔法神位 付与魔法天位 治癒魔法天位 探索魔法王位 神聖魔法天位 生活魔法高位 召喚魔術難位
・スキル:〖神之威光〗ー〈万物変化Lv15〉〈光化Lv14〉〈神化Lv15〉〈神鑑定Lv12〉〈能力管理Lv13〉〈神思考回転Lv14〉〈神威風Lv8〉〈全属性耐性Lv15〉〈物理耐性Lv8〉〈魔術耐性Lv14〉〈神眼Lv11〉
〖到達点〗ー〈全魔法威力補正Lv15〉〈全魔法効率補正Lv10〉〈確率補正Lv9〉〈魔法創作Lv10〉〈魂核補強Lv6〉〈限界超越Lv3〉〈存在超越Lv4〉
〖世界管理〗ー〈全存在掌握Lv9〉〈概念干渉Lv13〉〈魔力支配Lv5〉〈神力操作Lv14〉〈霊力操作Lv1〉〈原分子支配Lv6〉〈素粒子操作Lv7〉〈世界干渉権限Lv7〉
〈分身体生成Lv4〉〈反撃Lv6〉〈念話Lv8〉〈死亡超回避補正Lv5〉〈負傷超回避補正Lv4〉〈痛覚緩和Lv12〉〈不死〉〈衝撃緩和Lv8〉〈器用Lv13〉〈超自動再生Lv12〉〈料理Lv3〉〈契約Lv3〉〈神絆力Lv2〉
おっふ。
そういえば、捏造したとか何やら言っていたが、それを無視して見るとこうなるのか。それでもレベルとか見れないし……
俺の知らない情報だらけである。もうわけわかんね。
………一応、自分も鑑定してみるか。
・名前:坂谷 賢刃
・年齢:15歳
・称号:神交者 迷宮主
・種族:人族
・クラス:無し
・レベル:203
・能力値:体力 32400/32500
筋力 29500
俊敏 58000
物理防御 37500
魔法防御 36500
魔力量 10900000/11000000 +???down
技術 570000
・魔法:攻性魔法……水属性難位 火属性高位 風属性高位 地属性高位 光属性高位 空間属性王位
結界魔法中位 探索魔法高位 生活魔法高位
・スキル:〖真·主人公補正〗ー〈負傷超回避補正Lv5〉〈死亡確実回避〉〈能力超獲得補正Lv5〉〈幸運超補正Lv5〉〈魔法超取得補正Lv6〉〈超思考反映Lv2〉〈神思考回転Lv2〉〈神鑑定Lv2〉〈アイテムボックス改Lv2〉〈能力管理Lv2〉〈英雄威風改Lv3〉〈魔力操作Lv1〉〈任務Lv1〉〈履歴Lv1〉
〖異世界人〗ー〈言語理解補正Lv10〉〈能力吸収Lv3〉〈時読Lv1〉〈反撃Lv1〉〈超念話Lv2〉〈即決Lv2〉〈恐喝Lv1〉〈芸達者Lv1〉〈錬成Lv3〉〈鍛造Lv4〉〈木読Lv3〉〈器用Lv5〉〈料理Lv2〉〈努力比例補正Lv2〉〈選定Lv2〉
〖神之契〗ー〈契約Lv1〉〈神絆力Lv3〉
くっ、無力感っ!




