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ゆっくり異世界生活!(大嘘)  作者: 黒い鱸
第二章:ポラリス王国編
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第三十五話《舞台裏》




───天界。


そこは、神々の住まう場所。


空には常時虹が掛かり、大地は生命に吹き荒れる。


どこにあるかなど、人族も炭鉱族も、魔族も知らない。

過去に一度、ある人族が訪れたと言われているが………

果たして、文字通り天……空高くにあるのか、はたまた地底深くにあるのか………



そんな天界のとある場所に、影が三つあった。



「何っ、それは真ですか!?」


「そうじゃ。どんな因果かはワシにも解らん……だが、封印は解けておった。」


「そうね………でも、私が本気で直々に施したものよ。そう簡単に解けるはずが無いのだけれど……」



彼らの姿は皆違う。


一人は、輝くローブを纏った人間の青年の姿。


もう一匹は、白い神聖な気を纏った犬。


そしてもう一人は、美の化身と言うべき絶世の美女。



「しかしのう………何百年前じゃったっけ。あの子を封印したの。」

「私は二百年から数えてないわよ。あのことは、私も思い出したくないのよ……」


悲しげに俯き話す二柱。


「アトスさんもクラウさんも、そんな顔しないで下さいよ。神界にいないということは、やはり地上へ降りたということ……気配が無いのも、隠しているからでしょう。」


「まあ、あの子はそれくらい造作も無いじゃろなあ……」


「なら簡単な話じゃないですか。早く捕らえて、また封印を施せば良いのでしょう?」


「それはそうなのだけれど………」


「もしくは……さっさと殺してし」

「ソグーっ!…言葉が過ぎるぞ。」


青年の姿の神、ソグーは中でも最近生まれた神である。数百年前起きた『悲劇』のことを、話には聞いても体験はしていない。

さらに若い神であるものの、その司る力の大きさから、傲慢な態度をとることも多い。

故に、そのような軽率なことを言えるのだ。


神殺しの恐ろしさを、まだ、知らない。



「……何でそこまで渋るのですか。それほど彼女の存在は大きいと?」


「はぁ……お主は何も分かっとらんのう……あの子は強いぞ。少なくとも、ワシやクラウと同格なのは絶対じゃ。じゃが、ワシが渋る理由はそれだけじゃない。……なあ、クラウ?」


「ええ、その通りよ。ソグー、あなたはまだ若い。もっと経験を積むべきね。そしたら何か分かってくるわよ。」


その言葉に、眉間を寄せる若き神。


「でも、〖世界管理〗すら逃れる存在秘匿術など、神力でさえ相当消費しますし、ましてや魔力だけとなれば………さらに、当時彼女は本来の力が全て出せない状態だったのでしょう?なら、十分俺でも確保可能でしょう。」


「そういう話をしていたのではないのじゃが……」


呆れた声色の犬神。女神に至っては、呆れて言葉も出ない様子だ。


その様子にムッとしたのか、若い神はさらに眉間を寄せる。


「……分かりました。なら、俺一人でも十分できるとお二人方に証明して見せますよ。」


「あ、おい!待つんじゃソグー!」

「はあ……本当馬鹿ね…」


こうして、一柱の神族が地上へと舞い降りた。

ご丁寧にも、自身の司る"時刻"の力を最大に使い、最上位の神族二柱の目を欺くまでして向かった彼の目的は───




"変化"を司る神、マイラルディアの捕獲である。






_______






とある国の最果ての地。野原は焼け、空は紅い。



そんな、大地の死んだ場所に一つ巨大な建造物がある。



なぜ、各国に指名手配されてもなお『剛断会』は潰されないのか。


その理由がここだ。



───厄災の踏跡"カトゥリフ"



数百年前まで存在していた独立国家カトゥリフ。


自然豊かで平和を愛したかの国は、島国にも関わらず世界屈指の大国であった。


しかし、それは余りにも唐突に終焉を迎える。



"厄災"が、顕現した。



圧倒的な力で破壊の限りを尽くした"厄災"は、僅か二日でカトゥリフを崩壊させる。


土地の魔力は暴走し、大地は荒れ果て、生物の存在など、どこにも感じられない。



人など到底住まうことはもちろん、生きることさえ困難なこの地になぜ『剛断会』の本部があるのかは、不明。

攻め込むことも出来ず、目的も謎。それ故に各国頭を悩ませているのだ。




「赤頭に青頭、茶頭に黒頭……実に彩り豊かなメンバーじゃないか。」


「ああ、なんでも今はポラリスにいるようだ。全く奴ら、失敗など……」


「大丈夫、大丈夫だ白よ。私は今とても気分が良い。何でかわかるか、白よ?」


「ふむ……ボス、最近新しい奴隷を一人買っただろう。それでか?」


「違うぞ、白よ。不正解。あの奴隷はもう使いものにならなくなってしまった。……答えは、遂に鍵を見つけたからだ。復活の、な。」


「ほう、それは朗報。……して鍵はどこにあるのだ?」


黒髪の男が、にぃっと笑う。まるで探し求めていた玩具を見つけた子供のような……



「ポラリス王国だ。白よ、わかっているな?」


「ああ、承知した。ついでに、黒達も連れて来るとしよう。」


フッ、と白と呼ばれる男が掻き消える。




「さて、私も動くとしようかな、フフ、フフフフフフフフフフフフフフ………」



玉座のような椅子に腰掛けた黒髪の笑い声は、一体いつまで続いていたか。


壊れた玩具のように、虚ろな眼でただ一人笑いこけるのであった………




誤字がすごく多い気がします、ご注意を

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