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ただ、君だけをみつめて  作者: 新木 そら
90/136

90話  大学の講義中に(1)


 遥と絵里は、500人ぐらい入れる教室で、後ろの方に座って講義を聞いていた。広い教室ではあったけれど、受講しているのはわずか4、50人程度で、なおかつ学生は殆んどあちこちに散らばって座っているせいもあり、何とも淋しい空間だった。

 

 講義が始まってから中盤に差し掛かると、絵里は机に両肘を着き、両手に顔を乗せながら、退屈しのぎに遥に小声で話し掛けた。


「ねえねえ、遥」


 絵里に声を掛けられた遥は、講義の内容をメモしながら、横に置いていたスマホに文字を入力した。


『なぁ~に』


「良かったでしょ、私の案」


『何が?』


「夏休み、片瀬さんの家にお泊りする計画」と、絵里は意味有り気な笑みを浮かべていた。


『う、うん、そうね~』


 遥はチラッと絵里の方に目を向けて見ると、意味有り気な笑みを浮かべてこっちを見ているので、あえて彼女を見ずに、目を反らして答えた。


「手料理を作ってあげたら、片瀬さん喜んでたでしょ?」


『うん、まぁ、おかげさまで』と、遥は照れながら軽く頷いた。


「ほらねぇ。私、前にも言ったでしょ。胃袋を制する者は、男を制するって。この名言、誰かに使っても良いわよ」と、右手の親指を立てながら、絵里は得意げな顔でそう言った。


 それを聞いた遥は、苦笑いを浮かべた。


「でも〜、あれかなぁ。手料理も良いけど、最後にはやっぱり、メインディシュの遥だよねぇ~~~」


 右隣に座っている遥を横目で見ながら、絵里はにやけた顔を浮かべてそう答えた。


『もう、絵里~』


 遥は頬を赤く染め、絵里の右腕を軽く叩いた。


「お主も、中々やりますなぁ〜」


絵里も対抗して、遥の左腕を人差し指でツンツンと突き返した。


 2人がじゃれ合っていると、講義をしている教授から、「そこの2人、静かにしろ」と教室中に響き渡るくらい大声で注意を受け、周囲の学生からの視線が集中する事に。


 2人は肩をすくめ、お互い目が合うと、苦笑いをしてしまった。









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