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ただ、君だけをみつめて  作者: 新木 そら
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81話  誕生日前夜


 9月に入って遥も後期の授業が始まり、彼女が居なくなった部屋は何だかとても広く感じた。それでも、次の日大学が休みの時は、ご飯を作りに来てくれたりして、その日が来るのを楽しみに日々を過ごしていた。


 そんな月日が流れ、僕の誕生日の前日、11月6日の夜、いつもと同じように遥が家に来てくれて、晩ご飯を食べ終え、ゆっくりしている時の事だ。


『片瀬さん、明日、誕生日ですけど何か予定あります?』


「うううん、特に無いよ」


『あの~、もし良ければ明日、誕生日のお祝いと夏休みに泊めて頂いたお礼を兼ねて、家で晩ご飯でもどうかなって・・・』


「えっ、良いの?てか、明日、大学行くんじゃなかったっけ?」


『はい、行くんですけど、明日は15時までに帰ってきますから、大丈夫ですd(^_^o)』


「でも、僕が突然家に行ったらお母さんビックリしない?」


『逆に母に言われてるんです。いつになったらちゃんと紹介してくれるのかしら。1度連れて来なさいよって』


「そ、そう?じゃあ、お言葉に甘えて、明日お邪魔しようかな~」

 小学生ならいざ知らず、大の大人の女性の家に行くんだから、戸惑いやら嬉しいやらで何とも複雑な気分。


『はい、喜んで~~!!ヽ(´▽`)/』と、彼女は満面の笑みを浮かべ、絵文字と同じポーズをした。

 

「それじゃあ、明日の夕方、また家に行く時に連絡するね」


『はい、分かりました。私も家に着いたら連絡します』

 

「さあ、夜も遅いし、家まで送るよ」


『はい、ありがとうございます』


「うううん、こちらこそ、晩ご飯ご馳走様でした」


『いえいえ、お粗末さまです(#^.^#)』


 それから僕は、遥を自宅まで送り届けた。運転中はスマホの画面を見る事が出来ないので、家の前で少しだけ話しをする事にした。


「前から思ってたんだけど、遥のお母さんってどっかであった気がするんだけどなぁ」


 彼女はスマホに文字を入力して、送信してきた。


『えっ~!?それは他人のそら似じゃないんですか?ほら、色んな教習生を担当してるし』


「かなぁ?まぁいいや、てか、明日、お母さんに会うんだったら、スーツが良いかな?」


『はははは、いつもの普段着で良いじゃないですか?』


「いゃ~、それはまずいかなぁ。やっぱり最初が肝心だし」


『う~ん、そうですね。それにこしたことはないですね(笑)』


「この歳になると、大人の事情ってのがあるんだよ、遥くん」

 そう言って僕は、小学生の頭をなでる様に、彼女の頭を優しくポンポンと叩いた。


『あっ~、子供扱いしたぁ~!!』

 彼女は頬を膨らまして答えた。


「はいはい、そんな顔しないの」と膨れた遥の頬を僕は両手で挟み、顔を近付け軽く唇を交わした。


「はい、いつもの遥に戻りました~」

 笑って僕が答えると、彼女は『意地悪~~~~~~~~~~!!!!!!!!!!!(笑)o(`ω´ )o』と言って今度は頬を赤く染めた。


 遥が車から降りて、「おやすみ」と手を振ると、僕も手を上げて答え、そのまま家路へと車を走らせた。

 しかし、楽しいはずの明日が、まさか3年前の真実を知る事になるとは、この時の僕は知る由もなかった。








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