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ただ、君だけをみつめて  作者: 新木 そら
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74話  違った景色


 布団から出た僕は、いつもの如く仕事に行く準備をしていると、遥は、バターが塗られた食パンにスライスチーズをのせ、飲み物にはアイスコーヒーをコタツ用のテーブルの上に置いて、僕が準備出来るのを彼女は待っていてくれた。


 いつもは朝起きて1人でせわしくこなしているから、その一部を補ってくれるだけでも時間にゆとりがもてて、めちゃくちゃ助かる。


『片瀬さん。洗濯物は、洗濯機の側に置いてある籠の分だけで良いんですか?』


「うん、そうだけど、良いの頼んで」


『居候させてもらっていますから、それくらいやります』


「じゃあ、お願いしよう」


『はい、お願いされました♪( ´▽`)』 


 朝から遥と向かい合って食べる朝食は、あっという間に時間が過ぎ、出勤する時間が近付いてきた。


 僕は玄関で靴を履き遥の方を向くと、『今日は20時30分頃に帰って来るんですよね』と彼女がスマホの文字を見せてきた。


「うん、そうだよ」


『じゃあ、晩ご飯を作って待ってます』


「ダッシュで帰らなければ」


『駄目です!!事故なく気をつけて帰って来て下さい。分かりましたか o(`ω´ )o』 

 遥は子供がすねた様に、少し頬を膨らませて抗議をした。


「はい、了解しました」と苦笑いして言うと、彼女はいつもの笑顔に戻り、『宜しいです』と彼女は口だけを動かした。


『片瀬さん、後で子供の頃のアルバム見て良いですか?』


「いいよ、押し入れのダンボールに入ってあるから」


『やったぁ~!!楽しみ~。ヽ(´▽`)/』


「それじゃあ、もうそろそろ行かなきゃ」

 

 遥は声に発する事無く、『行ってらっしゃい』と笑顔で答える。

 

 それから僕と遥は、自然と顔を近付け軽めのキスを交わした。


 玄関から出た所で、「晩ご飯楽しみにしてるね」と僕が言うと、彼女は、「うん」とはにかんで頷いた。


 バイクに跨り、駐車場から出た時、遥が玄関先の廊下に出て手を振ってくれていたので、僕は振り返らずに走行しながら左手だけを少し上げた。


 今日の晩ご飯は何だろうなぁ。


 いつもの仕事に行く時の気分と違って、遥が待っていてくれているただそれだけで、見慣れている筈の景色が、何だか今日は違って見えた。




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