表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただ、君だけをみつめて  作者: 新木 そら
7/136

 7話  卒業生からのメールアドレス(2)

僕の仕事場は、市内からだと電車でだいたい30分くらい。まさにベットタウンの中に存在している。


その教習所から徒歩15分の所に府内で1番大きな川が流れ、土曜、日曜、祝日になると河川敷の公園に多くの人が遊びにくる。


野球やサッカー、テニス等をしたりする光景や、家族連れがバーベキューで賑わっている光景を目にする。


中でも僕のお薦めのスポットは、河川敷の堤防の上から、夕日が街に溶け込んでいく風景を見ていると何とも心が癒される。


そんな仕事場から僕の住まいへの道のりはと言うと、バイクで15分くらいの所にハイツを借りて1人で住んでいる。

 

いつもの日課で、仕事帰りに近所のスーパーで閉店間際の値引きの付いた赤札のお惣菜を買い物。

帰ってからは、お風呂に入り、ご飯を食べ、ゆっくりする頃には22時30分ぐらいになっている。


「ふぅー、やっと落ち着いた」

 

一息つこうと布団が敷いてある6畳の畳の部屋まで行き、大の字になって寝転んだ。それからスマホを手に取り、登録してある遠藤さんのアドレスを開いてみた。

 


アドレスを渡して来るなんて、積極的な子だなぁ。複数教習では、頷くだけで喋らないから控えめな女の子に見えたんだけど。

てか、高野さんと一緒だったし、良く喋るから、他の誰かいたとしてもそう感じるな、きっと。


その時の事を思い出したら、何だか自然と笑いが込み上げてきた。


そう言えば、初めて出会った頃の麻衣も行き成りだったよなぁ。

確か大学の午前中の講義が終わって、食堂に行こうと廊下を歩いていた時だったっけ。突然背後から、周囲の目を全く気にしないような大きな声で呼ぶんだもんな。


うーん、それにしてもどうしようかな?

確かに相原の言い分も分からなくもないけど、もう23時近くだしな。でもまあ、僕の事をどう思ってくれているかは別として、試験の結果も気になるし、ちょっとメールしてみようかな。

 

そう思いながら、スマホにメールの内容を打ち込んでいった。


『今日、路上検定だったんだってね。昼過ぎに高速教習から戻って来てから、相原が教えてくれた。

何だか少し待っててくれたみたいな事を聞いたんだけど、道路が混んでいて予定していた時間通りに教習所に戻って来れなくて、ごめんね。

所で結果はどうだったの?相原に聞いたんだけど、遠藤さんのアドレスのメモを手渡されて、結果は自分で聞いたらって言われたもので。

でもまあ、アドレスを教えてくれたって言う事は、良い結果が出たんだろうなって思ってるんだけど・・・正解?』と、言う内容を遠藤さんのスマホに送信した。

 

それから30分くらい経った頃、もう返信はないだろと思い、仕事の疲れからか電気も消さずにいつの間にか目を瞑って寝ている時だった。

スマホのマナーモードでブーン、ブーンと言う振動の音に、僕はハッとなって慌てて目が覚めた。


寝ぼけ眼でスマホを手に取って見て見ると、送信して来た相手は・・・相原?


『メールしましたー?』 

 

何だよ〜、人がせっかく気持ち良く寝てたのに。と、うつろうつろしながらも短い文で返信した。


『したよー』

 

すると直ぐに、返信メールが入ってきた。

 

もう、だからしたって。と思いつつ内容を見て見ると、何と返信は遠藤さんからだった。


『お仕事、お疲れ様です。中々思っていた時間に帰って来れないのも大変ですね。

所で結果なんですけど、聞いて下さい!!!!。結果は、片瀬さんの予想していた通りオッケーでした〜。有難うございます。明日、高野さんと一緒に試験場に行って学科試験を受けに行ってきます。良い結果が出たら、いの一番で報告します。

後、相原さんにも仕事中お忙しい中、伝言を頼みまして有難うございましたって言っといて頂けませんか。それでは夜遅くにすみませんでした。お休みなさい』

 

へぇ、そっかー、合格したんだ。

 

返信して来た遠藤さんのメールに、何だか自分の事のように嬉しくなって微笑んだ。

 

それで僕は、半分くらい瞼が閉じかかっていたのを何とか精一杯我慢しながら、もう一度だけメールを送信する事にした。


『おめでとう。良かったね。もちろん、明日の学科試験が良い結果になるよう祈っています。良い結果が出たら、また教えてね。それじゃあ、お休みなさい』

 

何とかそこまでの文を打ちこんで送信したけれど、遠藤さんにメールが届いた事にホッとしたのか、僕はそのまま布団の中に沈んで行くような感じで深い眠りにおちていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ