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ただ、君だけをみつめて  作者: 新木 そら
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64話  2人の対面 パート2(1)

「お、おはよう」

 突然の亜季の訪問に、僕も挨拶をしたけれど、驚きの顔を隠せないまま、どもりながら答えてしまった。


「何よ~、それ~。ちょっと感じ悪いんですけど~」

 亜季は、両手を腰に当て、少し前屈みになって僕の様子を窺ってきた。


「あっ、うううん、そんな事無いけど、朝早く誰かなぁ~と思って。はははは・・・」


 僕は何とか取り繕うとするのだけれど、顔に出ているんだろう、亜季は「本当~?」と言って目を細めた。


「まぁ、立ち話もなんだし、入って入って」


 部屋に入った亜季は、2人掛けのソファに腰掛けて「体調どう?」と聞いてきたので、僕は姿を見せず、キッチンから少し大きめな声で答えた。


「うん、お陰様でこの通り、元気元気」


 氷の入ったアイスコーヒーとオレンジジュースを2つこたつ用のテーブルに運ぶと、亜季は、「ありがとう」って言ってオレンジジュースを口に含んだ。


「今日も夜勤明け?」


「そう、疲れた~。仕事中ひと段落ついたぁ~って思って、何か物をつまもうとしたら、次の急患が来るから、まさに時間との戦いね」


 僕は亜季の仕事ぶりに、「あ疲れ様」と労いの言葉を掛けた。


「どうも~」と、目を瞑って頭を垂れた亜季の口元には、薄っすら笑みが見えていた。


 それから亜季は、部屋の周囲をキョロキョロと見回した。


「うん?何か部屋の感じ変わりました?」


「うん、さっきまで掃除してたからね」と、僕もアイスコーヒーをひと口口に含んだ。


「こんな朝早くから?」


「うん、まぁね」


「なぜ故に、こんな朝早くから?」

 女の感が働くのか、僕の言葉の包囲網を徐々に狭めて来る。


 そんな彼女の言葉をはぐらかそうとして、「うん、夢で掃除の神様が現れて、片瀬、掃除し・・・」と、話している所で、ピンポーンとこの家の呼び鈴が鳴り響く。


 僕が立とうとすると、亜季は右手を出して僕の動きを静止し、変わって亜季が玄関まで行ってドアを開けてくれた。


 そこには大きなカバンを2つもった遥の姿があった。


「やっぱり」、と亜季は言葉に出さずに心の中で呟いた。


 遥は玄関から出てきたのが僕ではなくて、亜季だったのでキョトンとした顔をして立っていた。






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