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ただ、君だけをみつめて  作者: 新木 そら
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42話  最初で最後の場所

 

交通量もわりかし少なかったせいもあってか、1時間足らずで目的地に到着した。

 車を最寄りのコインパーキングに駐車して、その場所まで歩いて行くと、僕達の近くを国内線の旅客機がゴォ~と言う豪快なエンジン音をたてながら通過して行った。


「すっご~い」と、彼女は肩をすくめてそう言った。


「だろ。麻衣と初めて来た時も、この音にビックリさせられたよ」


「本当ね~」と、初めて飛行機の真下から見上げる風景に、最初は驚いてはいたものの、後から感動の方が上回ってきたみたいだった。


「ほら見て、亜季ちゃん。あそこが滑走路。夜なんてさ、飛行機が着陸し易いように誘導灯が点灯するんだけど、それがまた綺麗なんだよね。で、飛行機はと言うと、向こうの空から舞い降りて来るんだ」


「へぇ~。それで今度は、いつ頃来るんです?」


「それは俺に聞かれてもなぁ。まあ、サンドイッチでも食べながら気長に待とう」


「そうね」と、彼女は頷いた。


 それから僕は、彼女から玉子サンドとコーヒーを受け取り、少し遅めの昼食を取る事にした。

 

「ねぇ、片瀬さん。どうしてこの場所を選んだの?」

 

 どう言うふうに説明すれば良いのか、ちょっと話しをまとめてからフェンスに背をもたれかけ、まだ飛行機の姿を見る事が出来ない上空を眺めながら、僕は彼女に話し掛けた。


「ここはね、大学時分に麻衣と初めて一緒に来た場所で、そしてここは・・・麻衣にプロポーズをした最後に出会った場所。でもその時は夜も遅かったし、飛行機は飛んでなかったけどね」

 

 僕は彼女にそう答えてから、最後に出会った日の出来事を思い出していた。


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