屋上のT
なんか勢いで初めて書きました。
同じような経験をした方がいるかもしれません。
私が受験に失敗した3月の事だった。
彼女は学校の屋上にいた。
彼女はいつも動いていた。
なにか目的があるのかも分からなかったが、彼女はただただ動く。
子供の頃、あの子と一緒に動くのが好きだった。
ゆっくりゆっくり一緒に動く、それがずっと続くと思っていた。
私は、いつの間にか、置いていかれた。
彼女を見るのは久しぶりだった。
と言っても、認識していなかっただけで学校のどこかで見ているはずなのだが。
彼女は珍しくその場に座り込み、空を見ていた。
そのいつもと違う彼女は、子供の時のあの子のままだった。
でも私は、そう簡単には戻れなかった。
4月。
また私は彼女に置いていかれた。
彼女の名前はTだった。