隠されし一流学者「クルス」
「おっはよー!さあ、朝の体操始まるよー!はい、1、2、3、!」
「4、5、6。」
ん・・・。眩しい。朝か・・・。
そういえば今日は変な夢見なかったな。まあ、変な夢が終わってくれるのはそれはそれでうれしいのか。いや、あの夢は俺の母とクルスさんの過去だっけ。信じれない話だしまあいっか。
それはさておき。
「なにやってるんだ?」
そこにはミィとルトネがいて体操をしていた。
「朝の体操だよ!気持ちのいい朝を迎えるのはレディーの嗜みさっ」
「さっ」
ルトネはミィの後に続きグッドサインを出す。
「そ、そうか・・・。あ、今日はあの本屋へ行ってもっといろんな事を聞いてくるんだったな。さて、支度でもしてさっさといくか。もうこの街から離れてもっとミザーに近づこう」
もうこの街も十分回ったし、ミザーにもっと近づかなければいかない。
「おー!新しい街!どこどこー!」
「それはまだ決まってないけど、まあ本屋いったら決めるか。というか支度は終わったのか?」
そう言うと次はルトネが返事した。
「終わりましたよ。カケルさんが寝てる間に全部やっておきました。」
「ほ、ほんとか!ありがとな。」
そう言いながら俺はルトネの頭を撫でた。ルトネは背が小さいから余計かわいく見えてしまう。
「ずるーい!私もやったんだから!私もー!」
「しょ、しょうがないな。」
ミィも手伝ってくれたらしいからミィの頭も撫でた。って何してんだ俺!
「よ、よし!行くぞ!」
そうして宿屋をあとにして俺たちは古本屋へ向かった
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カランコロン。
扉を上げるとベルが鳴る。そしてそこには前いたクルスという青年がいた。本棚の整理かなんかをしているのだろうか、腕には何冊もの本を抱えていた。
「クルスさん、来ました。あ、この人たちは俺の仲間です。こっちはミィで、こっちはルトネです。」
俺は二人を紹介して、ルクスさんはすこし驚いた表情をした。
「おお、かわいいじゃないか!ピンクの髪に白色の髪・・・。最高だ。ゲフンゲフン・・・えっと、仲間といことは、みんなでミザーに?」
「そうです。早速昨日の話をしたいんですが、いいですか?」
「ああ、こっちにおいで」
そう言って中へ案内してくれた。
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聞きたいことは3つある。まずミザーがどこにあるのか。2つ目はこの世界の地図について。そして3つ目は、なぜクルスさんは俺のことを任されたのか。
「クルスさん、まず聞きたいんですけど、ミザーってどこにあるんでしょうか。」
その質問にルクスさんはあっさり答えてくれた。
「ミザーははるか北だ。だがずっと北にまっすぐ進んでいてはいけない。遠回りをしないといけないんだ。ミザーは魔瘴を纏っている。その魔瘴は日々拡大していて、今はかなり危険な状態なんだ。」
「魔瘴はそこまで広がっているのか。」
魔瘴は吸ったら量ごとに症状が現れる。すこし吸ったくらいでは頭痛や吐き気程度だが、吸いすぎてしまった場合吐血レベルでは済まないだろう。それくらい危ないものがもっと広がったら危険だ。ついでに聞くことが増えたな。魔瘴はどう対処するのかだ。
「クルスさん、その魔瘴ってどうやって対処するんですか。」
「魔瘴は一見煙のような感じだが、オーブを5つ集める必要があるんだ。僕も前に気になって本を読み返したんだけど、このオーブは一回集めたら光を放出しはじめるが、5時間も経てばオーブは散るらしいんだ。」
ということはオーブは今は散っている状態か。
「オーブはラクスさんが持ってたんでしょうか。」
「そうだね。だから今頃は・・・。」
今頃は死んでいるかもしれない。けど今はそんなことを心配している場合じゃない。俺は次の質問をはじめた。
「その世界の地図とかってあるんですか?街をめぐるときに欲しいんです。」
「ああ、それならあそこにあったような気がするな・・・。」
ルクスは今いる部屋をでて、さらに奥の部屋でなにか探している。
「あったあった!これだよ。」
そうしてクルスは机の上に地図を広げた。
「この黒紫のとこはまさか・・・。」
「ああ、それがミザーさ。僕はいろいろなとこを回りながら地図にいろいろ追加した。そのなかの一つがこれさ。」
地図のほぼ一番上のあたりには黒紫に塗られているとこがすこしだけあった。この色から伝わってくるおぞましい感覚はなんだろう。
・・・そして3つ目の質問をはじめる。
「なぜクルスさんは僕を任されたのですか。」
そしてクルスさんはこれまでにない真面目な顔をして言った。
「カケル君はミザーのカギだから絶対に死なせてはいけないと僕は聞いたよ。」
鍵??
「どうゆうことなんですか?」
「それは僕にもわからないんだ。ただ、ラクスさんは君が絶対にミザーへ行くとわかってたんだと思う。あの人は気が強いひとでね、産んだ子供も、きっと私みたいな子になるんだろうなって言ってたよ」
「俺がミザーのカギ・・・。」
「そこでなんだがカケル君」
「はい、なんでしょうか」
「僕もいろいろ知りたいし、あの時のリベンジをしたいと思っている。だから、僕も一緒についていってはだめだろうか。」
その言葉に俺は一瞬で返事をした
「はい。」
こうしてクルスさんも俺たちと一緒に旅へ出ることになった。
(俺がミザーのカギ・・・鍵とはいったいなんのことなんだろう。)