第6話 そこで知ったものⅡ
「君の名前を聞いてもいいかい?」
「俺はカケルっていいます。謎の地【ミザー】を目指して旅をしています。」
「やっぱり君がそうか!」
なんだろう、やっぱりどこかで見たことがあるような気がするし、この人も俺の事を知っているようだ。
でも一体なぜなんだ。
「ああ、すまない、急に言うのはちょっと驚くかもしれないが、僕はクルス。その本に書いてあったラクスって女性と旅をしていたのが僕なんだ。」
(ん・・・ラクスと一緒に旅をしていた?・・・しかも青年・・・。)
「ってえええええ!?」
「やっぱ驚いたかな?あっははは!」
「驚くもなにも、クルスさんは、謎の地【ミザー】にたどり着いたんですよね!?」
「多くの人はそう思うっているだろうね。けど、僕は、いや、僕達はたどり着いてはいないんだ。」
(え、ええ?)
「僕達は謎の地【ミザー】の目の前で、魔物の大群に襲われたんだ。入るにはあの魔物どもを殺さないといけない。しかもその魔物1体1体がものすごくつよい。」
「そ、そんな・・・。」
「それにミザーはなにかに覆われている。闇の瘴気が竜巻となってミザーを覆っているのだと思う。」
「闇の瘴気・・・?」
いろいろ頭に入ってなにがなんだかわからない・・・。とりあえず、ミザーに入るにはとてつもない力が必要となる。それは分かった。
けど・・・。
「あの、ルクスさん、あなたはなぜあなただけ帰ってこれたのですか?なぜラクスはここにはいないんですか?それと・・・なぜ俺の事を知っていたんですか・・・!」
「長い話になりそうだ。ここで話すのもあれだ、中へ入ってくれ」
そう言って中へ案内された。
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中は至って普通の和室だ。
「よし、じゃあ説明しようか。まずはさっきの質問に答える前に話しておきたいことがある。」
「話しておきたいこと?」
「ああ、実はそのラクスっていう人は、僕の先生であり、君の母だ」
「・・・え?」
「僕はラクスさんから剣技などを教わっていたんだ。だから先生と呼んでいる。」
「俺の・・・母・・・?」
「そうだ。君の母親だ。」
「まさか・・・夢で見たのって・・・俺の本当のお母さんと、クルスさんの・・・。」
「夢?」
「えっと、最近変な夢ばっか見てるなあと思って。」
「それはどんな夢なんだ?」
「その、ラクスって人とクルスさんが魔物におそわれて・・・「あの子を頼んだ」とか。」
「そうか。なぜその夢を見たのかしらないけど。見たんだね。君の見た夢の通り、ラクスさんは・・・魔物に襲われて・・・その先はどうなっているかわからない。」
「あの子っていうのは一体なんだ?」
「それはカケル君の事だよ。僕たちの故郷【ヘルザ】で、ラクスは君を産んでから旅立ったんだ」
「僕たちってことはクルスさんもまさかヘルザで産まれたんですか?」
「ああ、そうだよ。どうだ、君の父さんは元気にしてるかい?」
「元気だよ。けど。俺には母さんがいないと思っていたし、そんなようなことを父さんも言っていた。それがまさか、こんな風に事実を知ってしまうなんて・・・」
「そうか。まだラクスさんがお母さんっていう自覚はもてそうにないね。」
二人の空気は一気に暗くなった。だがまだまだ聞きたいことがたくさんある。
「あの子を頼んだ」と言ったのはなぜなんだ?平和に暮らせてるじゃないか。
とりあえず今日はもう遅いし、また宿をかりて明日くるとしよう。
「すみませんルクスさん、また明日来てもいいですか?」
「ああ、いつでもおいで」
「ありがとうございます。」
そして俺は本屋をあとにした。さて、ミィたちを探すとするか。
たしかあっちのほうにいたよな。いや、先に宿でもとっておくか。
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宿は昨日と同じとこをとった。こんどはしっかりとベッドは二つ。布団が1つある。俺は布団で寝るとしよう。
さて、今度こをミィたちを探しにでるか。
(んー、探すって言っても範囲が広すぎる。って、あ)
そのにはピンク色の髪の女の子と白色の髪の女の子がいた。ミィとルトネだ。
「あ、カケルー!」
「遅いです。カケルさん、一体なにをしていたんですか?」
「ちょ、ちょっとな。」
「まあ、話はあとででいいです。」
「カケルが遅くても私たちはたくさん遊べたからいいけどねー!」
「ぜ、全然楽しくはありませんでしたけどね・・・」
ミィは相変わらず元気だ。ルトネはすこし怒っている・・・ようには見えなさそうでなによりだ。
「とりあえず宿をとったから入ろうか」
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今回はいろいろあり、すこし短くなってしまいました。
ですがこれからも頑張りますのでよろしくおねがいします。