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エピローグ

 さて、皆様如何でしたか?栗田由紀夫です。洋君、とりあえず良かったですね。愛情の形は違えど、好きな美枝子の元に人間として戻れましたから。

 これでこの話は終わりとなります。というのはこの後、洋は普通に人間として転生の片鱗を見せる事無く生きていくからです。そりゃ、何か起こる度に「あの時はこうだったなあ」なんて犬や昆虫の時代を思い出すこともあったでしょうがね。勿論、今まで転生してきて複雑な考えを形成した状態の人間を描くことも選択肢の一つではありますが、それはまた別の機会とさせて頂きます。あしからず…。

 おっと、大事な事を忘れていました。「お前が話に出てきていないじゃないか?」その質問はごもっともです。ただですね、今だから言いますが、私は最初からずーっとこの話に出ていたのです。転生という仕組みをバラして、もう二度と生まれ変われなくても、この話を皆様に伝えたかったのです。いや、皆様にというよりは美枝子にそれを伝えたかったのです。ある程度成長した時に、将来作家になって絶対にこの話を書こうと決めていました。エゴと言えばそうなるのかもしれませんが、やっぱり美枝子に全てを知って欲しかったんです。その為に皆様にまでこのような話をお聞かせして、大変手前勝手だとは思います。でも、将来皆様が転生する機会があれば、何らかの参考にはなるのではないでしょうか?不遜ながらも自分ではそう納得しております。

 という事で栗田由紀夫43歳、病床の母にこの本を捧げます。ここまでお付き合い頂きありがとうございました。


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