一章 玄関前
「これも一興かな?」
「いや、止めた方が良いと思いますが・・・」
「いいじゃないか、たかが××だ。」
ルーンを持ち出すのは不本意だが、まぁ、いいか。敵陣に潜り込めるチャンスと思えば。
『リライト、テスター応募者登録。―該当アドレスを確認。三十人中、十三人の応募を確認。』
メールを選択した途端に何かのプログラムが発動した。私のパソコンは悪性のプログラムなら即座に弾くものだ。ウイルスや悪性クッキーなどの心配はいらない。
『リライト、テスター応募時間、終了。―15秒後に抽選を開始。 ・・・・三、二、一。
開始。』
なんと、このプログラムは応募者容量の半数以下で抽選を始めてしまった。
『終了、当選者には後にメールを送信いたします。なお、このメールは自動的に削除されます。ご理解、ご協力願います。』
ピーンと、メール受信音が鳴る。
〈リライト、テスターに当選しました。八月三十日に長野県 野辺山原駅に待ち合わせ願います。〉
野辺山って、遠いなぁ。けれど、今は夏休みの真っ最中。
「行くよ、ここで廃れていくならまだ良いさ。」
* * *
「暑い。」
いくら山でも暑いものは暑いのだ。まぁ、関東よりはましだが。
「御鷹様でいらっしゃいますか?」
突然、見知らぬ人から声を掛けられて戸惑った。
「はい、そうですが。」
見れば私と幾分歳も身長も変わらない様な少女であった。
「リライト運営の神門 倫≪かなと りん≫です。本来の目的地までの案内を任されました。」
その割には若い気がするが、人は見掛けに依らず、だろう。神門さんは首をかしげたが、私が納得した様子を見ると頷いて
「それでは行きましょう、御鷹さん。」
私は黙って彼女に付いて行く。彼女が身に付けているキーホルダーが一瞬光った気がした。
次話投稿の約束破ってすみませんでした。はい、以後、頑張ります。
前書きの謎は次話で解明できます。頑張って漢字二文字予想してください。
今話も読んでいただきありがとうございます 吉城 桜