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初めまして『ミケ』と申します。

 皆様始めまして自分は『ミケ』と申します。

 初めてのお方も多いようなので、改めて自己紹介させて頂きます。


 自分はミケと申しまして、これでも魔族の端くれでございます。

 これでも中位魔族です。ですが中位の中でもトップクラスの戦闘力を有しております。

 得意技は三つ叉の長槍による槍術で、通常の中位魔族なら10人相手でも負ける事はございません。相手がゴブリン、オークごときの軍勢なら千名相手にしても余裕でございます。


 外観は人間に酷似してはおりますが、能力は完全に桁違い。更に両手と別に背後にもう2組の手を持ち、それぞれ弓と盾を装備完全戦闘特化型の魔族でございます。

 あとは額から発射される・・おっとこれ以上はさすがに秘密にしておきましょう。

 

 実はこの度、我が屋敷に待ちに待った主が到着されました。

 このお方は有名な魔人の1人であり通称『未来の魔人』と呼ばれるお方です。

 能力は『未来予知』

 まぁ魔族の中でも未来予知と呼ばれる予言を使う魔族は多々おりますが、この方は格が違います。


 その予知は『確定した未来を現実にたぐり寄せる能力』です。

 その巨大な能力の為、その他の能力はまるでないのですが、ある程度までなら未来を自分の希望通りに修正して予知する能力であります。

 すごいですね、完全に反則級の能力です。

  

 そのお方が前回の戦争に負けてはや数十年、ようやく転生し、再度この世に降臨されました。


 えっ? そんな能力なら敗北する事はないって?

 それがあるのです、魔人は数多く存在しますが、完全無敵の能力を有している方はおりません。何かしらの対抗手段はあるものです。

 我が主でも苦手とする能力を保有する魔人の方も何名かいっしゃいます。


 前回、敗北した相手の方もその1人です。『無の魔人』と呼ばれるお方です。

 能力は限定ですが、他の魔人の能力を無効化する能力です。

 この能力で短時間といえども主様の能力が封印されてしまったのです。

 まぁ無論、未来を確定した後であれば無の魔人とて無効化できないのですが・・

 この能力により、我が主人である『未来の魔人』の能力は無効化され、敗北、結果として首をはねられました。

 

 主の死、その現実に我々部下一同は悲しみに暮れてしまいました。しかし魔人とは本来不老不死、悲しみに暮れるばかりではいけません。

 次の転生後の主人にお仕えする用意をする必要があるのです。


 魔人は本来不老不死、一度死んでも再度転生するのです。そして先日ようやく、この屋敷にお迎えでききました。

 なんと、まだ若々しい、黒髪、黒目の実に凜々しい若者でした。


 前回の『未来の魔人』である主人はまるで巨大な獣のような巨躯を持つ女性でした。あまりの巨体に自ら動く事もできない程の体型でした。

 無論、どんなお姿でも我が主人である以上、敬意を持ってお使いするのが我が使命です。

 しかし、それでも見た目が良い事のほうが我が忠誠も捧げがいがあるものです。今回の『未来の魔人』その若く凜々しいの姿に思わず陶酔してしまいました。


 当所、我が主は、この館に来たときは絶えず、びくびくと小さな事にも驚かれ、何かに恐怖しておいででした。

 しかし、こればかりは仕方がありません。一度殺され転生した以上、今までの記憶は完全に失っておいでなのですからね。

 それにまだ17歳と聞きます。


 魔人の特有の固有能力は転生直後には封印されています、理由としては幼児の精神力では、その固有能力を使う為の精神に耐えられないのです。

 なので精神年齢の成長とともに次第に覚醒するのが普通です。


 早くて16歳くらいから覚醒し始め22歳くらいには完全覚醒が通常です。

 ご主人様は未だ17歳、能力はまったく覚醒していなくても変ではありません。記憶もなく、能力もないこれでは心配するのも当たり前です。

 ここは誠心誠意お仕えし、安心してもらえば幸いです。


 尚、ご主人様の名前は『ポチ』と言うそうです。

 人間の名前にしては聞き慣れない言葉です。意味をお伺いしたら、異国の言葉で通常ペットに付けられる言葉だそうです。

 以前、住んでいた村に購入されたとき、飼い主である村長の娘に名付けられたそうです。

 なんと、ご主人様は戦争奴隷として人間の村で飼われていたそうです。

 なんと言うことでしょう。栄光ある魔人、 その中でも有名な『未来の魔人』たる主人がよりよって奴隷など!


 実に悲しい事です。魔人の転生先は選べないといっても、実に悲しい出来事です。そんな仕打ちをした人間に復讐せねばなりません。

 とりあえずその村長の娘には地獄の苦しみをあじわせてやる必要があるようです。


 しかし、その後の調査でその村は巨人族に襲われ全滅したそうです。当然その娘も死んだそうです。これでは怒りの矛先を向ける場所がありません。

 

 そこで自分は改名を我が主に申し出ました。

 ご主人が『ポチ』である以上、自分達が偉そうな名前では申し訳ありません。

 そこで我々もご主人様に相談したら『タマ』『ミケ』などの名前を頂きました。どうやらこの名前もペットに多く付けられる名前だそうです。


  そこで我が名は『ミケ』同様の勤めをする兄には『タマ』という名前になりました。他にも何名かが改名を申し出たそうです。


 これで我が忠誠心を我が主は分かってくれるかもしれません。

 実際に、この名前を拝借した時、何度も自分達に謝って頂きました。

 自ら望んだ事なのに、こうも深く感謝されて自分達兄弟は深く深く、感銘したものです。

 本当に、自分達はこんなすばらしい主人に仕えることができ実に幸せです



 そんな我が主ですが、ここ数ヶ月あまり屋敷の中で見かける事がありません。

 実は、我が主は勉強中なのです。

 我が主人は奴隷して生活してきたせいで、読み書きができません。そこで自ら望み勉学を希望されたのです。

 なので上位魔族であるアベルト様がつきっきりで勉強を教えております。

 最近では魔術の勉強もされているようです

 何とすごい向上心なのでしょう。尊敬に値します。


 『未来の魔人』はその強力過ぎる能力のせいかあまり魔術は得意ではありません。しかし、毎日我が主はそれこそ死に物狂いで毎日勉強しておいでです。

 それこそ鬼気迫るほどの勢いです。

  その姿勢に我々一同、尊敬し、同時に忠誠心はそれこそMAXにまで高まります。


 アベルト様も「前の『未来の魔人』と比べる事さえ不敬だが、今度の『未来の魔人』 であるポチ様にはどの魔人よりもすばらしい輝きと未来が見える。それこそ『未来の魔人』の名前にふさわしい、これほどのお方にお仕えして家臣冥利に尽きる」と常々おっしゃっております。


 あぁ、なんて自分はすばらしいお方に仕える事ができたんだと常々思うわけです。


 さて、まずは朝です。我が主を起こしにに参りましょう。

 自分は多くの配下の中で朝一番で敬愛する主に会えるわけです。この幸せをかみしめながら今日も仕事に励みましょう!


 「さぁご主人様、朝ですよ」

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