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否定を否定しよう  作者: ライカンサモン
序章 魔王編
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序章終幕 始まりの夜に

『ハハハハハ!仲間を助けたくば武器に捨てろ』

『くっ!人質とは卑怯な手を!』

『魔王め!』

仲間を盾にされ後一歩追い詰めることが出来なくなってしまった勇者一行!

どうなってしまうのか⁉︎

次回、決着っ!魔王討伐戦。

来週も見てくれよな。

『うーん、もう一声』

君の好きなものを混ぜて君だけのオリジナルドリンクを作ろうもう一声ジュース!


リモコンを操作してテレビの電源を落として仰向けに寝転ぶ。

「暇だなー」

自分がそう呟くと障子が開いて「だったら掃除手伝え!」と三島が怒鳴りこんできた。

「三島、新年始めに掃除とか違くないか?普通年末にやるだろ」

「誰のせいでそうなったと思ってるんだ!また変な事に首を突っ込んで来やがって!その対応でこっちの休みが取れなかったんだぞ!」

「相変わらずブラックな事で」

「おまえが言うな!ライカ!」

『詩歌よ、そろそろ掃除の続きを始めなければ明日の朝まで終わらないぞ』

「あーもうっ!ライカ!美味い御飯しっかり作らないとまた首を飛ばすからな!」

慌ただしく三島は自分の部屋から出て行った。

三島のことを元気だなーという感想をいだいているとナナシが『早いものだな、あれから一年とは』宙に浮かぶ仮面さんが何を言っているのか少し分からなかったけど「そだね」と相槌を打とう。

あれからとはなんぞや?

『魔王…ライカがこの詩歌の家に住んで約一年、詩歌も笑顔が増えてきた、礼を言わせて貰う』

ぺこりとナナシは仮面を半回転する。

お辞儀なんかな?

「別に自分が住んでからじゃないんじゃない?かなっちさんと仲直りできたからやない?」

そろそろ御飯作ろうと身体を起こす。

「自分は何もしてないよ、何時も頑張っているのはカルマのやつだよ」

そう言って自分は部屋を出る。

三島が掃除したところはとてもキレイになっていて床が鏡みたいになってるね。

それにしても一年経つのかー。

いやーニューイヤー、気がつかなかった。

煮込んでいる鍋をかき混ぜながらバタバタと三島の掃除する音を聞き流して思い出す。




あ、やべ、忘れた。

あらやだ更年期障害かしら?

おっと泡吹いてきた塩塩。

なんだっけ?たしか土下座して助けてもらってついでに三島の家に住ませてもらっているのだっけ?

クズいなぁ俺。

新年の夜に、三島詩歌は自分の家の大掃除に駆られ、ライカはのんびり御飯の用意、この世界がこんな普通の生活を送れるようなったのは約一年前、世界に蔓延っていた狂獣カルマが人から生まれることは無くなり姿も確認されなくなった。

狂獣が撒き散らしていた狂獣化の病も病人達から消え、意識を喰われていた人々は徐々の目を覚ましている。

壊された都市間のライフラインの復旧作業が開始され世界は元の平穏なものとなるだろう。

異界から迷い来たライカを除いて。

(ライカよこれでいいのか?)

(ん?なに魔王もとエサのヒトもとい元絵さん)

(お前は自分の家に帰ることを望んでいたはずだったろう)

(それ?別にいいのよ、帰るくらいしか目的なかったし、今は三島に世話してもらっているから)

(だいぶクズの発言に近いな)

(だね〜)

魔王はライカに取り込まれてからも意識は保ち、ちょくちょく話かけてきている。

「さてと、もういいかな?三島ー御飯できたから掃除中断して食べようー」

「………おう!」

さてと御飯運びますか。

何本か腕を伸ばして食器を掴んで一度に運ぶ。

いやー便利だわー。

(神の如き力が運搬に使われる今日この頃、か)

非常に助かってますよ♪

「早くしてくれ、朝から何も食べてないから腹ペコなんだ」

三島が座って待っています。

「三島、自分で何か作って食えばいいのに」

「俺が作るよりライカの御飯の方が美味いからな、そっちの方がいいんだよ」

「いや、もう三島高校生なんだから自炊をね?花嫁修業の一環と思って」

「な、は、花嫁ぇ⁉︎俺にそんなん似合うかよ!俺は今みたく外で働く方が性に合うんだよ」

「出来た方がポイント高いと思うよ?三島見てくれは客観的に見ていい方なんだから彼氏の一人二人出来た時どうするのかな?俺っ娘は家庭的な方がギァップ萌えという数値が高いと友人が言っていたよ」

「か、彼氏とか興味ないぜ!」

白飯をかきこんで口を閉ざしている。

まぁ面白いね人をからかうの。

こんなふうに穏やかな日々が続きますように。

主に三島の稼ぎで。

(最後にクズ発言で締めるな!)

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