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詩集 大好きだったひと

P.S 

作者: 小日向冬子

元気でいますか


今でもまだ

気がつくと

あなたのことばかり

考えています


もう会わないと決めたのに

未練ばかりがわたしのまわりを

いつまでもぐるぐると回り続けています


あれは恋だったのかと思えばそうではなくて

わたしたちは

いっしょにいるのがほんとうで

ただまるで息をするように

引き合ってしまっただけなのだと

考えれば考えるほど

そんな気がしてならないのです


あれからわたしは

どこか危なっかしげで

歩こうとするたびに

おなじところをくるくる回ってばかりいます

あなたを呼吸できなくて

窒息しそうになりながら

震える指で

思い出ばかりを何度も何度もなぞって

そのたびに

生きていくことの悲しさを

苦い薬のように飲み下しています



いつかわたしが

しなやかにきれいになって

泣いてしまうかわりに

ぽん と花のように笑えるようになって


そうしたら許されますか

空気のように自然に

再びめぐりあってしまうことも


ああ

けれど

そうですね


わかっています

わかってはいるのです


P.S もう一度会いたい 

言ってしまっては

いけないこと

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― 新着の感想 ―
[良い点] 切なさの募る詩ですね。
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