第3話:いつも通りのある日のこと、君は突然立ち上がり言った。「ちょっとトイレ」
今気付いたんですが、短編小説の青春語の登場人物も諒でこっちの登場人物も諒なんですよねぇ。
失敗した。
ノープランのまま歩き出した俺達は近くのショッピングモールに入った。
「どっか見たいとこあるか?」
「うーん……服見たいなぁ」
「へーい」
服屋が並ぶフロアへ移動している途中、携帯ショップの前を通り過ぎようとした時、
「すいません。少しだけよろしいでしょうか?」
「はい?」
「携帯はどちらの会社のものをお使いですか?」
「え~と、僕はそちらのouですけど」
「ウチもou」
「でしたら現在、恋人同士の通話料金が無料になる恋人割というものがありまして、もしご入会されていないようでしたらこの機会にいかがでしょうか?」
「「いや、恋人じゃないですから!!」」
「あ、そうでしたか。申し訳ありません。とてもお似合いでしたもので。では、またの機会によろしくお願いします」
その場を立ち去った後、しばらく無言が続いた。
「な、なぁ」
「なんだよ」
「ウチらってやっぱそんな風に見えるんかな?」
「契約者を増やしたいから、とりあえず男女の二人組を見つけて手当たり次第言ってんじゃねぇの?」
「そ、そうやな」
「何?もしかして、期待とかしてるの?」
「ち、ちゃうわ!!あんな風に言われたから聞いただけや!!か、勘違いすなや!!」
「冗談だよ冗談。昨日の仕返しだよ」
「お前、根に持つタイプやな」
「目には目を歯には歯をだよ」
「じゃあ、拳には拳やな」
「ちょっと待て。俺がいつ拳を出した!?」
「ウチの妄想の中で」
「それを言い出したら何でもありですよ!?」
「しゃーないやん」
「そんな一言で殴られてたまるか!!」
「え?でも殴られるの好きなんやろ?」
「そんなドM発言したことねぇよ!!」
「あれ?ウチの勘違い?」
「逆に事実だったら俺がショックを受けるよ」
「なら許したるか」
どうやら天空陸は舞島最高裁判所までいった末、無罪放免を言い渡されたようだ。
その後、舞の買い物に付き合った後、昼食を食べるために店へと入った。
「いやぁーええ買い物がでけたわ」
「そうかそうか。良かったな」
「なんやその適当な返事は」
「だから適当じゃん」
「ややこしいわ!!」
「じゃあ、どうしたらいいんだよ」
「そんなもん自分で考えろや」
「投げっぱなし!?」
いつも通りの会話をしていると
「おう!!陸、奇遇だな!!………あれ?舞島さん?」
「あ、樟葉君やん。一人?」
「いや、友達と一緒」
「そっか」
「んで、お前達は………俺は邪魔みたいやな」
「そんなんじゃねぇよ」
「もう、リア充なんて爆発すれば良いんだよ」
「だから違うって。それより友達って同じクラスのやつ?」
「そう!!よっしーと来てる」
「よっしーも連れて来いよ」
「よっしーって誰なん?」
「あぁ、川端だよ」
「いやいや、俺はリア充は爆発してほしいと思うがお前達の邪魔をする気はないから」
「大勢の方が楽しいだろ。なぁ、舞?」
「うん!!川端君も呼んで来てや!!」
「まぁ、お前達がそういうなら」
と言いながら川端を呼びに行った。
ちなみに、川端は川端慶光。
同じクラスである。
ちなみに、俺は諒と同様に川端のことをよっしーと呼んでいる。
「よっ陸」
「おう。まぁ、座れよ」
諒とよっしーは目を合わせた。
「なぁ、陸」
「なんだよ?」
「舞島さんの横はお前の方がいいだろ」
「別に誰がどこでもいいだろ」
「とりあえず、お前は舞島さんの横」
「へいへい」
めんどくさいと思いながら移動をする。
「さて、天空被告人」
「誰が被告人だ」
「いつから舞島さんとお付き合いをされているのですか?」
「だから付き合ってねぇっつってんだろ!!」
「こんなことをおっしゃっていますが、舞島さん」
「え?ウチら付き合ってへんよ」
「「え?」」
諒とよっしーの声がシンクロする。
「おい、付き合っていないって言ってるぞ陸」
「だから、言ってるだろうが」
「なんだよー。もし、お前がリア充になったと思って爆発してもらうと思ったのに」
「リアルに爆発したらどうすんだよ」
「そいつの前世はゴローニャだな」
「前世ってガッツリ俺ら世代だよ」
「いや、その前に君達、話の内容が滅茶苦茶になってますよ」
「心配するな舞。俺は元気のかたまりを持っているから生き返れるぜ」
「いや、話の内容からすると爆発すんのアンタやで」
「え?」
「元気のかたまりどころか、爆発してもうて粉々やっちゅうねん」
「なんで俺が爆発しないといけないんだよ諒!!」
「え?リア充と思ったから」
「リア充じゃねぇよ。てか、リアルに爆発したらどうすんだよ」
「そいつの前世はゴローニャだな」
「前世ってガッツリ俺世代だよ!!」
「同じ話すんなや!!一生終らんわ!!」
舞のツッコミによりこの話題は終わった。
「それより舞島さんって関西出身なの?」
「うん。陸にも言ったけど高校からこっちやねん」
「へぇ、じゃあ今から舞島さんを街案内する!?」
「それは昨日俺がやったよ」
「なんで一人でするんだよー」
逆にお前達がいて欲しかったよ。
「あと、呼び方やけど舞でええよ。舞島さんって言い方堅く聞こえてなんか嫌やねん」
「わかった。じゃあ、俺も諒でいいよ」
「俺のこともよっしーでいいから」
「うん」
「んで、これから何すんの?」
「何も決めてないけど」
「どっか行く?」
「どっか行くって言ったってなぁ」
「よっしーは何か案ある?」
「これといってはないなぁ」
すると諒が
「そうだ!!今夜星を見に行こう」
「却下」
「早!!てか、そこはまたには良いこと言うんだねって笑えよ」
「君の知らない物語にしようという企みに気付いた時点で却下なんだよ」
「ケチー!!」
「そうだ!!」
「どうしたよっしー?」
「今日のことじゃないけどゴールデンウィークどっか行かない?」
「あ、それいいな!!」
「うん!!ええなぁ!!」
「さっきの俺の意見は?」
「いや、ここで本当に行ったら2作連続で君の知らない物語に影響されて星を見に行く高校生って話になるからマジ却下」
「メタ話かよ!!それに完全に作者の都合じゃん!!」
「俺らは作者に活字の上で踊らされているんだよ」
「わっけわかんねぇ」
「んで、ゴールデンウィークどこ行くんだよ」
「どうしよっかぁ」
「「「「うーん……」」」」
「まぁ、まだ時間はあるんだしとりあえず、1週間各自で考えてまた発表するとかは?どっかに集まるのもいいし、学校でもいいし」
と、よっしーが提案した。
「そうだな。まだ時間はあるし各自で考えるとするか」
「じゃあ、これから何すんだよ」
「たまには的確なこと言うじゃねぇか」
と、皆して笑った。
「あれ?君の知らない物語になんか似てるけどこれ完全に俺バカにされてね?」
「まぁまぁ、そんな細かいこと気にしてたら頭良くなってしまうぞ」
「なんの!?じゃあ、なるんだったら進んでするよ!!」
「いや、その前に馬鹿という前提で話されたことに突っ込めよ!!」
初めてよっしーのツッコミを聞いた。
それから、結局ファミレスでひたすら喋っていた。
「そろそろ解散でええんちゃう?結構喋ってるで」
舞の一言で時計を見た。
時刻は午後4時を回っていた。
結構どころじゃねぇ!!
よく店員に怒られなかったな。
会計を済ませた俺達は店を出た。
「んじゃ陸、俺達はこっちだから」
「おう。んじゃ、また学校でな」
諒とよっしーと別れ、舞と歩く。
「いやー楽しかったなぁ!!」
「あぁ、そうだな」
「そや、ウチ一回行ってみたいとこあんねん」
「どこ?」
「バッティングセンター!!」
「はぁ?なんで?」
「いやー女の子一人で行くのも勇気いるやん」
「はぁーん」
「だから今から行こ!!」
「えー」
「大丈夫やって。打たれへんからって幻滅せえへんから」
「そういう問題じゃねぇよ」
「んじゃ、ええやん」
と、無理矢理手を引っ張られ連れて行かされる。
「ちょ、待て」
「大丈夫やって人には苦手なものがあんねんから」
「だから」
「だからウチは気にせえへんから」
「おい!!」
と、無理矢理止まる俺。
「なんやねんそんな嫌なんか!?」
「じゃなくて」
「なんやの?」
「お前無理矢理引っ張って行ってるけど場所知らないだろ」
「あ…」
「ったく、こっちだよ」
バッティングセンターへ舞を案内する。
「ここ」
「おう。サンキュー」
「んじゃ、いっちょ殺ったりますかー」
「やるって言葉が殺すの方になってるよ!!」
「気のせいや」
と言いながら90キロと書いてある扉を開けて入った。
「ヨッシャーばっちこいやー」
テンション高えな。
しかも、全部芯でとらえてるし。
こいつは天才か!?
「いやー気持ちよかったー!!」
打ち終わった舞が帰ってきた。
「陸もやったら?」
「え?俺は……いいよ」
「ええから、ええから」
と無理矢理行かされる。
てか、90キロ今誰か入ったから150キロしか空いてないじゃん。
「あのー150キロしか空いてないんですけど…」
「ん?ええんちゃう?」
「アンタは鬼か!?」
「ガンバ!!打たれへんかってもウチは笑わんから」
「はぁ…」
と、溜め息をつき扉の中に入る。
「えーとカードを入れてっと」
バッターボックスで構え、映像に映されているピッチャーが投げると同時にボールが飛び出してくる。
「ドン!!」
後ろのスポンジの壁に当たる。
「早っ」
続く2球目
「カキーン!!」
150キロの速球を打ち返す。
「カキーン!!」
20球全て打ち終えて元の場所に帰る。
ふと周りを見ると全員がこちらを見ていた。
うわぁ、恥ずかしいー。
「久々にバット振ったから明日筋肉痛だな」
「……」
「舞?」
「うわぁ、なんかあっこまで打つと逆に引くわ」
「なんでだよ!!」
「何なん?打たれへんとか言いながら150キロポンポン打ち返しやがって」
「誰も打てないなんて言ってないだろうが」
「野球やってたん?」
「昔…な」
「なんやねんホンマ!!腹立つわ!!お前なんてもうプロ野球選手になったらええねん!!」
「貶してるのか誉めてるのかどっちだよ」
「じゃあ、次あれやろー」
指差す方向にはストラックアウトがあった。
「いや……あれは辞めとく」
「なんやねん!!またそれか!!そんなん言うてやったら全部落とすんやろ!?」
「いや……あれだけは無理」
「ははぁん、さてはノーコンなんやな」
「そういうことじゃなくて」
「じゃあ、何?」
「投げられねぇんだよ」
「え?」
「肩壊して投げられねぇんだ」
「………ゴメン」
「なんで謝るんだよ。逆に困るじゃねぇか」
「いや…だって」
「別にいいんだよ。てか、今は今で楽しいし」
「そっか」
「あぁ、だから気を使うな。なんだったらあれだ左腕でもええから投げろやって言ってくれてもいいぐらいだ」
「ほぉ、じゃあやってもらおうか」
「あぁ、その代わり俺が5枚以上抜いたら今日の晩飯奢りは無しだからな」
「よし、ええやろ」
「ふっふっふ。今の言葉を言った自分に後悔するんだな。見とけ3次元の茂野吾朗を!!」
結果は1枚だった。
「どこが茂野吾朗やねん!!速度は星野伸之でコントロール五十嵐亮太やんけ!!」
「うっせぇ!!てか、誰がわかるんだよその例え!!」
野球に詳しいやつしか理解できねぇだろ。
「2006年ドイツW杯の柳沢敦」
「クロアチア戦のシュートか。QBKだな」
QBKがわからない人はググってみて下さい。
「ま、晩飯ゴチでーす!!」
「うぅ……何が食いたいんだよ」
「焼肉!!」
「お前、本気で僕を無一文にする気か!?」
「焼肉ー焼肉ー」
「わーったよ!!」
そう言って焼肉のお店に案内する。
ちなみに、この街には2時間食べ放題で1980円のお店がある。
この店があって少しは助かったな。
「なぁ、ウチのキャストって絶対白石涼子さんやろな?」
「知るか!!いきなりなんだよ」
「いや、もし声をつけるとしたら誰かなと思って。SKET DANCEのヒメコも関西弁やし」
「まぁ、確かに。んじゃ、俺は誰なんだよ」
「誰でもええんちゃう?」
「適当極まりねぇなおい!!」
「そんなん脇役なんて誰でもええやん」
「一応主人公だよ!!」
「え?主人公ってウチやないん?」
「俺だよ!!語り部俺じゃねぇか!!」
「うーわ。なんか一気にやる気なくした。次話からストライキ起こしたろかな」
「なんでそんなこと言うんだよ!!てか、お前もいなかったら話が進まねぇよ!!」
「出て欲しかったらちゃんと頼めや」
「なんで俺が!?」
「じゃあ、出んとこ」
「お願いします舞島様。次回からも出演して頂けないでしょうか?」
「まぁ、どうしてもって言うならしゃーないな」
なんで俺がこんなことしないといけねぇんだよ。
覚えておけよ筆者。
その後、焼肉を食べ終えた俺達は店を出て舞を家まで送って行った。
「んじゃ、今日はありがとう!!また学校で」
「あぁ、んじゃな」
そして、俺は帰宅した。
あー家に姉ちゃんいるのかなぁ。
めんどくさい。
途中シリアスに持っていこうと思いましたが無理でした☆←
さて、次回は下ネタ大好き藍お姉ちゃんの登場です←
そして、陸一同はGWに何処に行くんでしょうか。