第8話 初めてのダンジョン踏破
学園の塔を背に、ティアは仲間のミナとアイラとともに、初めてのダンジョン探索へ向かう準備を整えていた。
「ちょっと緊張するね……本当に大丈夫かな」
ティアが小声でつぶやく。ミナは元気に笑い、肩を叩く。
「大丈夫! 私たちがいるんだから、きっと楽しくなるよ」
アイラは静かに頷き、持参した魔法装置やフラスコを整える。
「準備は万端ね。焦らず、順序を守れば危険は少ない」
◆◆◆◆
ダンジョンの入口は学園の裏手、森の中にひっそりと口を開いていた。湿った空気、ひんやりとした石壁の匂い、わずかな魔力の残滓――ティアの心拍が少し早くなる。
「……いよいよだね」
三人は互いに目を合わせ、ゆっくりと奥へ進む。
フラスコの中の魔力が光を放ち、暗い通路を淡く照らす。壁面には古代文字や錬金の記号が刻まれており、ティアは息をのむ。
◆◆◆◆
進むうち、突然、低い唸り声が響く。前方にモンスターの影。ティアは咄嗟に魔力を注ぎ、簡易の防御陣を展開する。
「落ち着いて……!」
ミナが叫ぶ。アイラは素早く位置を取り、攻撃魔力を調整する。ティアも手を震わせながら魔力を集中。
モンスターは不意を突かれ、光と衝撃の中で消える。三人は安堵の息をつく。
「……初めての実戦でも、なんとかなるんだね」
「うん。でも、油断は禁物」
アイラの言葉にティアはうなずき、次の通路へ進む。
◆◆◆◆
さらに奥、迷路のような通路を抜けると、中央の広間に出た。中央には古代の錬金装置が鎮座し、魔力の残滓が漂っている。
「これは……!?」
ティアは興奮と好奇心で胸が高鳴る。フラスコを手に、装置の仕組みを観察する。
ミナもアイラも同様に、装置を慎重に操作し、魔力の流れを調整。三人は協力して古代装置を作動させ、新たな合金を生成することに成功した。
「やった……!」
喜びの声が広間に響く。ティアは仲間と肩を並べ、笑顔を交わす。
◆◆◆◆
帰路。森を抜け、学園の塔が見える場所まで戻ると、夕日が塔を黄金色に染めていた。
「ティア、今日の探索、完璧だったね」
ミナが誇らしげに笑う。アイラも静かに微笑む。
「初めてのダンジョン踏破。失敗もあったけど、仲間と一緒なら乗り越えられる――次はもっと難しい場所でも、絶対にやり遂げる」
塔の光を背に、ティアの錬金術師としての挑戦は、また一歩、確実に前進したのだった。




