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「錬銅術師」と囃される落ちこぼれ少女は、錬金学の最高学府で、世界一の錬金術師を目指す。  作者: きたみ詩亜


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第7話 リセとの特訓と初めての成功

 翌日。ティアは学園の実験室でフラスコを手にしていた。昨日の調合競争の悔しさが胸に残る。


「ティア、昨日は惜しかったね。でも、今日からが本番だよ」


 ミナが隣で励ます。ティアは小さく頷く。


◆◆◆◆


 そこへリセが静かに現れる。昨日の挑戦的な瞳のまま、フラスコを片手に立っていた。


「昨日の競争、面白かったわね。でも、今日はあなたに少し教えてあげる」


 ――リセの言葉に、ティアは少しドキリとする。


「え、ええ……お願いします」


 リセはティアの隣に立ち、手際よく材料の計量と魔力の注ぎ方を示す。


「粉の混ぜ方、魔力の注入量、温度管理。これが正確なら、結果は安定する」


 ティアはフラスコを握りしめ、慎重に作業を進める。手が少し震えるが、リセの手元を見て真似することで、次第に動作が安定していく。


「そう……その調子」


 リセの声は厳しいが、どこか励ましも感じる。ティアは少しずつ自信を取り戻していった。


◆◆◆◆


 数度の試行を経て、ティアのフラスコは安定した光を放つようになった。反応は順調で、指定の合金が完成する。


「できた……!」


 ティアは小さく声を上げ、笑みをこぼす。リセも静かに微笑む。


「よくやったわね。昨日のあなたとは全然違う」


 ミナも手を叩き、喜ぶ。


「ティア、すごいよ! 本当にできたんだね!」


 アイラも穏やかに頷き、静かに微笑む。


◆◆◆◆


 午後は再び講評の時間。先輩たちが成果を確認する。


「ティア、昨日より明らかに精度が上がっている。魔力の注ぎ方も安定してきた」


 ティアは胸の奥で達成感をかみしめる。失敗を乗り越え、ライバルとともに学ぶことで、確実に成長したことを実感する。


◆◆◆◆


 放課後、校庭で三人は歩く。夕日が塔をオレンジ色に染める。


「リセ、教えてくれてありがとう」


「……別に。あなたが頑張った結果よ」


「次の競争では、もっと正確に、もっと早く。絶対に負けない」


 ミナとアイラの笑顔を胸に、ティアは力強く前を向いた。


 ――こうして、リセとの特訓を経て、ティアは初めて「勝てるかもしれない」と実感する成功体験を手に入れたのだった。

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