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「錬銅術師」と囃される落ちこぼれ少女は、錬金学の最高学府で、世界一の錬金術師を目指す。  作者: きたみ詩亜


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第5話 知識と実技の調合競技

 普段とは違い、静かな教室。

 ティアは緊張しつつ、自身の席についた。

 今日は学院での「調合競技」。知識と実技の両方が試される、一種の能力評価だ。


◆◆◆◆


 教室にはフラスコ、秤、色とりどりの薬品が整然と並んでいる。


「おはよう、ティア」


 振り向くと、ミナ・アルテアが元気よく手を振っていた。


「おはよう、ミナ」


 隣にはアイラ・ヴァレンタイン。静かに本をめくり、落ち着いた紫色の瞳でティアを見つめる。


「今日の競技は、焦らず正確に。魔力の調整を間違えれば、結果は予測不能になる」


 ティアは背筋を伸ばし、深くうなずいた。


「……はい、頑張ります」


「ティア、大丈夫! 私たち、ついてるから」


 ――仲間がいる。少し勇気が湧く。


◆◆◆◆


 試合開始。今回の課題は二種類の金属を正確に調合し、指定された新しい合金を作ること。


 ティアは粉状の金属、液体状の触媒を慎重にフラスコに入れ、魔力を少しずつ注ぐ。


「火力を少し落として。温度が上がりすぎると化学反応が不安定になる」


 アイラの指示に従い、フラスコ内の化学反応を見守る。淡い光が揺らめき、やがて安定した色合いと光沢が現れた。


「……できた?」


 隣のミナが拍手しながら笑顔を向ける。ティアも思わず笑みがこぼれる。


「よくやった、ティア。焦らず進めたのが良かった」


 アイラも静かに微笑む。


◆◆◆◆


 午後は講評。先輩たちからの評価は厳しいものもあった。


「ティア・ルーシェ、調合の精度は悪くない。だが、魔力の注ぎ方にまだ粗さがある」


 指摘に少し顔をしかめるティア。


「……はい、次はもっと気をつけます」


「気にしすぎないで! ティア、今日本当に頑張ったんだから!」


 ミナの励まし、アイラの言葉にうなずき、ティアは小さく胸を張る。


◆◆◆◆


 競技を終えた三人は、塔を背に歩く。


「今日の調合、ちょっと緊張したけど楽しかったね」


「ええ。少しずつだけど、理解できるようになってきた気がする」


 ティアは胸の中で決意を新たにする。


「……錬金術師として、少しずつでも成長するんだ。失敗しても、仲間となら乗り越えられる」

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