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「錬銅術師」と囃される落ちこぼれ少女は、錬金学の最高学府で、世界一の錬金術師を目指す。  作者: きたみ詩亜


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第3話 ダンジョン訓練!仲間と試す勇気と絆

 今日は特別授業――初めてのダンジョン訓練の日だ。学園の奥に広がる「試練の森」には、基礎錬金術を使った実践演習の課題が待っている。


「ティア、今日の訓練、楽しみだね!」


 ミナが笑顔で駆け寄る。元気いっぱいの瞳が輝いている。


「う、うん……でも、ちょっと怖いかな」


 ティアは少し顔をしかめた。未知の空間に挑むのは、実験室での失敗以上に緊張する。


 ソフィは静かに頷く。紫色の瞳が落ち着きを与えてくれる。


「大丈夫。私たちがついているから」


◆◆◆◆


 学園のバスに乗り込み、生徒たちは森の入口へ向かう。

 このバスは魔導電力により制御されており、静かに、かつ、高速で進んでいく。

 窓の外の景色は次第に深い緑に変わり、木々の間から差し込む光が揺れる。ティアは胸の高鳴りを抑え、仲間たちと作戦を確認する。


「まずは基本の錬金術で道を照らす魔法陣を展開するわ。ミナは回復用の魔法薬を準備してね」


 アイラが冷静に指示を出す。小声で的確に指示を伝える姿に、ティアは頼もしさを感じた。


 ティアは自分のフラスコを取り出し、金属粉と魔力エッセンスを慎重に調合する。初めての屋外実践、しかも未知の空間での錬金術。手が少し震えるが、昨日の成功体験を思い出して、深呼吸をひとつ。


◆◆◆◆


 森の中に入ると、空気がひんやりとして、木々の葉がかさりと揺れる。光が複雑に差し込み、影が足元で揺れる。ティアの心臓が早鐘のように打つ。


「落ち着いて、ティア。まずは小さな敵からね」

 ミナが手を握って励ます。ティアはうなずき、フラスコの中で魔力が安定するのを感じる。


 突如、茂みの中から小型の魔獣が飛び出す。赤い目を光らせ、牙をむく。


「きゃっ!」


 ティアは一瞬たじろぐが、魔力を集中させ、光の魔法陣を展開する。フラスコの中の金属粉が光り、魔力の流れが道を照らす。


 ミナが回復薬を差し出し、アイラは静かに指示を出す。三人の連携は思ったよりスムーズで、魔獣は無事に鎮められた。


「やった……!」


 初めての成功に、ティアは小さくガッツポーズをする。森の中で味わう達成感は、実験室でのそれとは比べ物にならない。


◆◆◆◆


 訓練が終わり、森の出口にたどり着く。夕陽が木々の間から差し込み、三人の影が長く伸びる。


「ティア、よく頑張ったね」


 ミナが笑顔で手を差し出す。


「ありがとう……アイラも」


 ティアは深く息をつき、肩の力を抜く。失敗を恐れず、仲間と協力すれば、自分にもできる。


 アイラが静かに微笑む。


「今日の経験を忘れず、次はもっと自信を持って臨もう」


 夕暮れの風に吹かれながら、ティアの胸には小さな自信と希望が芽生えていた。

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