一話
私、御影友香には幼馴染がいる。
名前は神谷光。幼稚園からの付き合いでいつも一緒に過ごしていた。唯一の親友といえる仲だった。
光は地味でチビな私とは違って可愛い女の子だ。長い髪をリボンで纏めてツインテールにしている。パッチリとした瞳に、愛嬌のある表情は周りを虜にさせた。スタイルも胸が大きく、触らせてもらったことがあるが、手では収まらないサイズだった。
そんな可愛い幼馴染がモテないわけなく、学校では人気者だった。
対する私はボッチ。けど、悲観しているわけではなかった。何故なら、私は光の親友だったからだ。
学校が終わり、私達は家に帰る。とは言っても学校を出るのは別々だ。
待ち合わせ場所の公園で、ベンチに座り本を読む。
今頃はクラスメートの遊びを断って、学校を出た頃だろう。
本をめくっていると、影が差した。
顔を上げると、同じ高校の制服で、黒色のパーカーを被っていた。
フードの部分をつまみ、僅かに顔を出す。
「お待たせ」
「うん」
光だった。
それから、私達は手を繋いで家に向かう。
「ただいま」
「お邪魔します。今日もおばさんはパート?」
「うん」
父は会社で、母もパートに出ていて、家には私達二人しかいなかった。
光はフードを脱ぎ、リボンでツインテールにする、
部屋に入った途端、光は私を抱きしめた。
「友香ぁー」
「……光、危ない」
「だって、我慢できないもん」
そう言って抱きしめる腕に力を込める。おかげで私は光の胸で窒息しそうだ。
「あ、ごめんね」
「もう……」
抱擁を弱めた光を睨みつける。
「怒った顔も可愛いよ」
「また、そういう……」
「よく、顔見せて」
光は私の前髪を優しくずらしていく。
視界が明るくなり、光と目があった。
光は頬を赤くして、私の顔を見つめていた。
「友香は可愛い……好き」
「あ、ありがとう……」
光の手が私の頬を優しく撫でる。
「だから、誰にも見せちゃダメだよ。みんな友香のこと好きになっちゃうから」
「……うん」
「ふふ、良い子だね」
光は私の頭を撫でた。
顔を見せたらみんな私のことが好きになる? そんなことはないだろう。ただ、光が私のことを可愛いと拡大解釈してるだけだ。
「今日は何するの?」
「アニメ観る」
「また異世界もの?」
「うん」
ノートパソコンを開いて、アニメをつける。
ベッドを背もたれにしようとすると、そこには光がいた。足を開き、床をポンポンと叩く。
「はぁ」
私は光の足と足の間に座った。寄りかかると柔らかな胸の感触が背中に伝わる。
「えへへ」
光は私を抱きしめた。
このポジションは光のお気に入りだ。
アニメを見ていると、玄関の扉が開く音が聞こえた。
「あ、おばさん帰ってきたね。そろそろ、私も帰るね」
「っ……」
立ちあがろうとした光の制服の裾を私は掴んだ。
「その……」
胸が締め付けられるような感覚が私を襲う。掴んでいた裾を離すと、光は隣に座った。
「もう、仕方ないなぁ」
「今日、泊まって」
「ダメだよ、おばさん達に迷惑かけちゃう」
「でも……」
「その代わり、もう少し一緒にいるから」
「……わかった」
光は私を抱き抱えると、ベッドに移動した。光が私に覆い被さる。
「お母さん帰ってきてるから……エッチなのは……」
「えー、ダメ? 必死に声を我慢する友香を見たかったのに……」
「……ダメ」
「わかった。流石におばさんが帰ってきてるのにしないよ」
光は隣に寝転がると、私を抱きしめた。
「友香はハグ好きだもんね」
「……うん」
光に抱きしめられると、心が満たされる。たぶん、これが幸せというもの。
「私も好きだよ……えい」
「……なんで、私の髪を食べるの?」
「……つい? 本能的な?」
光は私の髪を咥えていた。
「変態」
「友香も変態でしょ? だって、私の胸が大好きだし」
「ノ、ノーコメントッ……」
視線を胸から逸らし、天井を見上げる。
そんな私の心境を見透かしているかのように、光は私の手を取ると、自分の胸に押し当てた。
「正直に答えたら、胸でぎゅーてしてあげる」
「胸……大好き」
「うん、よろしい」
光は豊かな胸を私の顔に押し付けた。
柔らかな感触とミルクのような甘い匂いがする。
至福の瞬間だった。
このまま、死んでも良い……というか、息できない。
私がタップすると、気づいた光が解放する。
「大丈夫?」
「だ、大丈夫」
おっぱいに包まれて窒息死。間抜け過ぎる死に方だ。でも、死んでも悔いはないと思う。
「次は私の番だね」
「えっ……」
「友香だけ楽しんで、私だけなし、そんなのずるいよ」
「わ、わかった」
私は光の顔に胸を押し当てた。
包み込むような大きなサイズではない。微かに膨らんでいるだけだった。
けど、成長期だから大きくなるはず……!
「……どう?」
「最高だよ。できれば裸でやって欲しいなぁ」
「そ、それはダメ……!」
「残念……」
「……お母さんいない時なら……いい」
「流石、友香っ! 愛してるっ!」
「っ……」
光の胸に包まれる。
幸せだけど……! 息ができない……!